2022年3月4日金曜日

鍵。

 みなさまごきげんよう( ´∀`)

3月、7月、11月は郵政車両の定期点検月です。

大体年間で13000kmくらいは走るので消耗度も激しく

メンテナンスの頻度も必然的に高くなります。


本日お預かりはもう珍しくなったJA07で、イグニッションキーが抜けず回らず、、

実際中途半端な位置でキーが止まってしまっていますね。

キーが抜けない系のトラブルは大抵がキーの変形なのですが

そのキーが変形した原因を何とかしないとどうにもなりません。

この場合キーシリンダーをアッセンブリー交換というのが定石ですが

キーシリンダーは現在16,200円もする高級品であるのと

部品を待ってたら作業場を塞いでしまうので修理します。


先ずは抜けないキーを、シリンダーを破壊する事なく抜き取る作業ですね。

コレはコツが要ります。

無事に抜けたキーはご覧のような変形具合で

捻れに曲がりと、ディスクに当たってできた傷が見られます。


特に段差のあるこの部分の変形が著しいですね。

元々、ハンドルロックからの解錠が硬く

長らく無理し続けた結果です。


これらの変形を板金修正しまして。

ちなみにグイグイ曲げて修正しようとしても、一度曲がった部分が硬くなっているので

曲げれば曲げるほど変形箇所が多くなってしまいますので

応力を抜きながら正規の形状に戻すという板金作業が必要になります。

変形を修正しましたら根本原因であるキーシリンダーのメンテナンスを行います。

このJA07の場合キーシリンダーの向きが上向きで

一応シャッターも付いていますが樹脂製のショボいもので

雨水や埃等が侵入しやすい構造です。

ですのでまずはシリンダー内を徹底的に洗浄してクリーンな状態に戻し

ハンドルロックする為に必要なプッシュ動作の

戻りが良くなるように修理していき

各部注油してあげれば無事復活です。

ちなみにキーシリンダーの注油に関しては粘性の高い油を使用すると

潤滑は良いですがゴミを絡めてしまうので

パウダータイプのドライな潤滑剤なんかを使わないと不具合が再発します。

まぁこんな手間かけて修理してちゃダメなんんですが

何でこういう事をするのかと言うと

私はオリジナルキーをすごく大切にする性癖なんですね。

ですのでフルカスタム車両もオリジナルキーが残っている車両であれば

イグニッションからタンクキャップ、ハンドルロックまで

オリジナルキー一本で全て動作するように製作しています。

たかが鍵と思われるかもしれませんが

愛機の鍵って乗ってない時でも腰からブラ下げたりして肌身離さず持っている物ですから

やっぱり大事にしたいじゃないですか。

そういう気持ちって大事だと思うんですよね。

ですから皆さん鍵も大事にしてあげてくださいね( ´∀`)

んではさらば!