2023年11月30日木曜日

XL883とXL883R。

 みまさまごきげんよす。

まぁスッカリ寒くなっちゃって全然ゴキゲンじゃないんですが。

あんましゴキゲンじゃないと言えば2年に一回の車検もですね。

ユーザー車検で通したりディーラー車検だったり民間だったり

選択肢は色々ですが、

そんな色々な中からウチごときにご依頼いただきありがとうございます。


2年前に構造変更したXL883。

途中でオイル交換とタイヤ交換を挟んで今回継続検査です。

ユーザー車検にチャレンジされたのですが、前検だったせいか不合格。

限定自動車検査証と共に入庫です。

指摘された不合格箇所を修正しつつ各部点検。


プラグのターミナルが随分と錆びていました。


ちとメイン薄いですね。

プラグは交換っと。


ブレーキフルードは走行距離少なくても毎年交換しても良いくらいです。


DOT5は紫色なので変化がわかりやすいですね。

と、いうかDOT5のブレーキフルードが物凄く高くなっています。


今まで点検交換費用にフルード代を含めていましたが

今後はフルード代別途ご請求になりますのでご承知おきくださいませ。


公認取得時に寸法も記載して通っていたウインカーの幅がバツ。

バツにされちゃうともう直すしかありません。


その他諸々、直すとこは直し交換するとこは交換し

エンジンオイル、プライマリーオイルとエレメント交換して

サクッと検査通してお渡しでした。


んで郵政点検の15台前後タイヤ交換と点検整備をこなしつつ

4年ぶりお車検の06XL883R。

前回車検は「通すだけ車検」を受けられたそうですが、ちょっと調子悪いですね。


年間走行距離1,000kmほどの車両ですが、4年4,000kmでフルードはこんな色になります。


ちなみに自身の車両はブレーキ酷使する事もあってフルード毎年交換しております。


DOT5もDOT4も劣化してくると黄色、茶色と色が変わります。

ちなみにマスターが傷んでいると黒っぽく汚れてきますです。


ブリーダープラグの状態悪し、、


キャリパーも洗浄してコンディション維持に努めます。

ダストは少なめでピストンも比較的綺麗ですが、、


キャリパーひとつから4年分でこれだけの汚れが出てきます。


キャブはバックファイヤーがかなり激しく、クシャミなんてレベルではありません。

以前のオーバーホールが6年前ですので、良い頃合いです。


マニホールド シールとキャブの内部パーツは全て交換。

特に忘れられがちな加速ポンプまわり、CVではココかなり重要です。


きっちりオーバーホールしたのに何だか変だと思って観察していると

燃料コックがエンジンと干渉した痕跡が、、

この車両、コイルと純正メーターがサイドマウントされているのですが

それらが邪魔でコックレバーが操作できず

コックを回転させて逃げてあったのですが。

ラバーマウントのエンジンが激しく揺れてコックに当たるようになっちゃってます。


その結果コックの組み立てビスがユルユルに、、

負圧コックだからココから2次エアー吸ってるんじゃないかと推測しまして。


全てのビスを締め直したら調子が戻りました。

元々純正メーターやコイルのサイドマウント嫌いなんですが

やっぱ改悪やな。


↑は修理前のキャブの様子です。

で、こんな調子のキャブでも車検通っちゃうんですよ。

つまりよっぽどのポンコツでない限りは車検くらいどうとでもなっちゃうんです。

検査項目はあくまで定められた基準値や保安基準に適合しているかであって

調子の良し悪しを検査しているわけではありませんので。


こちらはオーバーホール後のご様子。

全然違いますね🎶

そしてメーターとコイルの位置を元に戻してほしいと追加のご依頼を頂きまして。


まずメーターですが、883Rは本来板モノのメーターマウントですが

XL883Nのライザークランプ一体型としてちょっと質感アップしてみました。

リンクル塗装が美しいっす。


当然ですが視認性もバッチリ。

純正メーターはコレが1番スマートだと思います。

48mmメーターはフォーククランプがスッキリしてて視認性良くてオススメですよ。

もうひとつ、サイドに純正メーターやコイルを持ってくると

キャブの後ろ側に配線がトグロを巻くので

曲がり方や熱的にもあんまりよろしくねーです。


個人的にはこちらサイドがスッキリしていてエンジンがよく見えるのが好きです。

こちら側に移設されていたキーシリンダーも元の右側に戻しましたので、

クラッチ握ったままエンジン切ったり普通に便利になりました。

トラブル時だけでなくニュートラルに上手く入れられない時なんか

右にメインスイッチがあると助かりますよね。

コイルも元の位置ですが、ラバスポの場合よっぽど外装をスッキリさせない限りは

スッキリ感よりギッシリ感を重視した方がまとまり良いかと。


エンジンオイルとエレメント、プライマリーオイルと

定番のオイルドレンホース交換して絶好調を確認したらお渡しです。

2年に一度の車検ですが、形式上の検査というよりは

コンディションの確認の機会ですので悪いもんではないですね。

そんなわけでさらば!











2023年11月26日日曜日

ジレラ・ランナー。

 みなさまごきげんよう!

本日はスクーター修理。

ウチに来る途中でリアタイヤがフルロックしてしまいレスキュー要請でした。

2ストのハイチューンスクーターですのでエンジン焼き付きかと思いましたが、

遠心クラッチなんだから駆動系だなと思いつつ現場到着。


案の定、ドライブベルトが切れてというか粉砕して各部に絡まっていました。

リアタイヤがロックしたままでは積み込みも大変なので、現地で分解してロック解除。


車両はジレラ・ランナーFXRという2ストスクーター最強と言われたマシーン。

イタリアンスクーターですが私自身、過去にベスパに乗っていた事から

部品の入手ルートは確保しております。


今回はベルト交換ついでにマロッシのマルチバリエーターを投入

ベルトも合わせてマロッシにしてさらなるパフォーマンスアップを狙う事としました。


マロッシのマルチバリエーターは自身のZZ(CA1PB)に使っていて

非常によく出来たプーリーなのですが、、

とにかくスライドピースがきちんとスライドしてくれないのが唯一の不満点です。

FXR用もZZと同じくスライピースを加工して装着しました。


ハイスピードプーリー特にマロッシの製品は一通りのチューンが終わっていて

はじめてその真価を発揮するワケですが

エンジンもキャブもやてあってチャンバーも入ってる状態ですので

コレは結果に期待持てそうですね🎶


同時に、テールランプの調子が悪いのも修理。

カプラーの接触不良でしたが、このテールランプ固定ネジはどうしたモノかと。

割れていて締め付け不能でしたので純正部品注文して交換。

こんなネジが400円ほどもします( ´ ▽ ` )


ヘッドライトもハイビームが点灯しなくなったとの事で修理。

それにしても端子剥き出しが標準とは。。

一応ショート帽防止に被覆しておきました。


LEDフォグの配線もちょと手直し。

実際はハイビームのLEDバルブがショートして

あちこち変な事になっちゃってました。


電装系いじるついでに古いヒューズも全交換。

古いバイクにはコレ結構大事です。

25Aのブレードヒューズとはまた珍しいですね。


動作が怪しいディマースイッチは新品に交換しました。


ロービーム+フォグ


ハイビーム。


続いてマロッシのユーロチャンバーが組まれていますが

走っているとサイレンサーがクルクル回ってしまうので、、

スプリングを追加しました。

フックは428チェーンのサイドプレートという定番の手法です。

2本引きにするにはスペースが無く

メーカーのページを参照すると現行品も一本で引いていたので

それに準った次第です。


後は試乗して最終チェックでお渡しです。

いやはや2スト最強スクーターの異名は伊達でなくて、

めちゃくちゃ速ぇっす。。。

登りもグイグイ登るし最高速マズい領域に片足突っ込んじゃってる。

タイトな峠なら最強かも知れませんねこりゃ。


ただもうパワーソースに対して車体が完全に負けちゃってますので

エンジンマウントやリンクの強化

前後ともマロッシの足ですが更にセッティングを煮詰めるとか

そんなレベルにまで到達しちゃってますね。

パワーで車体を壊さないように

自制心をもって楽しんでくださいまし。。


ではさらばでござる!









2023年11月18日土曜日

81FXSにNSG組み込みと色々。

みなさまごきげんよう!

さて今回は最新のR1から全く角度が変わって1981年式のFXSです。

こちらは話題のニュースタンダードガバナー取り付けご依頼。

同時に不具合箇所を修理してください的なメニューです。


ミッドハイペグで39フォークちょい上げ、キャブはHSR前後ブレーキはブレンボで

フェロードのローターにF19R18のモーリスキャストホイールと、かなり走りに振った車両で

控えめに言って非常に私好みのフリスコスタイルです( ´∀`)

最近は全然違うスタイルのハンドル上げてスポタンを真っ黒に塗っただけのクルーザーを

フリスコだなんだらと呼んじゃってるのをよく見ますが、ホントどうしたもんか、、

車なんかも90年代にローライダーでも何んでもないスタイルをローライダーと呼んじゃう

ローライダー好きからしたら吐き気がするような風潮とか

艶消し黒に塗ってスキャロップ入れてホットロッドとか

ホットロッダーからしたら

赤熱したコンロッドを太腿に押し付けてやりたくなるような風潮がありましたが

それと同じ感じですよね。

話が逸れまくりで申し訳ございません。


で、まずミッションオイルがダダ漏れなので修理。

シーラー塗りまくりでスーパーナットも入れてありましたので

相当苦労されてきた様子です。


今回はサンダンスさんのリークレススラストスペーサーを投入。

液体ガスケット類は一切使わずに組んでいきます。


ついでに変形してクラックが入っているクラッチアジャストナットや


クラッチハブナットのシールも交換。


同じくサンダンスのデュオシールナットで仕上げ( ´ ▽ ` )

この製品、オイルシール当たり面の位置とかが凄く吟味されていますね。

因みに思うところあってロックワッシャー入れております。


こちらは後ろ側のタンクマウントですが、フレームパイプに直タップで

ネジ山が3山くらいしか無く、そのネジ山も潰れてズブズブという事で


フレームは切削してタンクマウント用のボスを製作して


がっちりタンクをマウントできるように改修致します。

因みにちゃんとインチ規格でやっております。


スレッドは長く取ってあるので後々の再タップにも耐えるでしょう。


違和感の無いようにヤレヤレタッチアップで完了。


さらにはスピードメーターの取り付けも承りまして。

私も愛用しておりますVELONAの48mmをフォーククランプ。

コレ、よくあるV字の取り付けステー用のスタッドが無く

操作スイッチも裏側にあるうえに、配線も後方に出ているので

非常にスッキリまとまるので重宝しています。

文字盤もシンプルですしね。


で、一旦お渡ししたんですがスローアウトベアリング粉砕で再入庫。

アジャストスクリューがちょっと減ってるなと思った時点で

きちんと分解点検しておけば良かったですね。

申し訳ないです。


フットクラッチの宿命とも言えますが

ココは調整も大事です。

リリースシャフトが抜けてきますのでクリップ脱落しています。


調整においてはフットクラッチ、それもノンロッカーは特に

アジャストスクリューの回転数でなくリリースレバーの位置で決めています。


オイルスリンガーがオイルを掻き上げなくなって焼き付いたパターン。


リリースフィンガーの状態からしてだいぶ無理がかかっていますね。


関連部品をごそっと新品交換して修理完了( ´∀`)


NSGも高評価頂きました。

これまでCV、Bキャブ、EキャブにツースロートそしてHSRとバラバラのキャブで

NSG装着してきましたが、今回は私がエアスクリューを絞って暫定的に調整、

後にオーナー氏がスロジェットの番手上げと油面調整で最終セッティングが出ました。

車両の仕様によってはキャブの再セッティングが必要になりますが

点火がしっかりしているのでセッティング沼にハマる事もなく

ご自身の手による再セッティングも楽になるかと思います。

現在NSGは次ロット入荷待ち、残り枠4台となっておりますので

気になる方は早めのご予約よろしくお願い申し上げます。


ってなワケでさらば!