2022年8月27日土曜日

Four Speed For Speed。

そろそろ夏が終わるのか?

空冷や油冷にとっては走りやすい季節になってきましたね。

私の1号機はクランクシールがイカれたらしく、

クラッチケーブルから綺麗な赤色のオイルが伝い漏れしまくりで乗れないんですが

そもそも車検切れてるやんって話です。


んで4速スポーツ繋がりというわけではありませんが、4速スポーツの転倒修理です。

スポーツスターは右にコケるとスプロケカバーが割れますが

左だとシフターにダメージが及んでしまう事が結構あります。ぽてコケでも。

明後日の方向を向いたシフター、入ったままのギア。。

シフターカムをガチャガチャ回すシフターポールが折れた可能性がありますが


幸いな事にシフターポールが外力で外れただけで折損はしていませんでした。

とは言えミッションは抜かなければならないのですが

オリジナルの部品を継続使用出来るのは嬉しいですね。

ウィークポイントのカムフォロワーも確認しておきまして。

ステーターもきちんと脱落防止処置が施されていました。

ミッションは過去に開けた形跡があるのでクリアランスもチェック。


折れてしまったフットペグのロールピンも変形したカバーの穴に合わせて再建しまして

最小限の部品交換でミッション周りは復活。

スポーツスターは左側が重いので左に曲がりやすく感じますが

バランスを崩した状態からのリカバリーは逆に難しかったりしますね。

バッテリーをリチウムに換えるとだいぶんバランス良くなります。


イグニッションONで通電したりしなかったりという症状も修理。

こういうのはアース不良か接触不良が殆どです。

テスターでの総当たりしますが、静的にだけでなくハーネスを色々動かして

動的に導通や電圧を測らないといけません。

ついでにインジケーターランプ設置と


破損したスピードメーター交換と配線スッキリ処理。


部品待ちが殆ど無かったので比較的早期に、出来る限り少コストで修理できまして。

まぁ触り慣れてる4速スポーツであったのが不幸中の幸いでした。


10キロほど試乗確認してお渡しです。

それにしても4速スポーツというとそれなりにガチャガチャな車両も確かにありますが

今現在実動している車両はエンジンも静かで調子が良い個体が多いですね。

この傾向は天然モノほど顕著です。

もう好き者しか乗ってないでしょうから当然と言えば当然なのかもしれませんが

4速スポーツ大好きな私としては嬉しい限りです。

Four speed For speed

大事にしていきたいですね。


ではさらば!



2022年8月25日木曜日

そこに愛は無い。

 みなさまごきげんよう。

いやはやちょっと忙しすぎです。

まぁ良い事なんですが、作業速度遅れ気味です申し訳ございません。


バイクだけでなく農機具もちょこちょこ持ち込まれます。

シーズンイン時はエンジンかからない系、、、

シーズンイン後は使用におけるトラブルが多いですね。

こちらはヘッジトリマーのカムがズレて動かない虎舞竜。

こういうシンプル系は楽で良いです。


ハナからややこしい系は最後までややこしい。

タイヤがローテーションマーク逆に組まれている段階で怪しいですが


オートカムチェーンテンショナーの様子が変。


長ボルトでマニュアル化されています。

素ノーマルのスクーターなんですが。


カムチェーンテンショナーのマニュアル化は一定のメリットがありますが

高回転でカムチェーンが暴れてテンショナーを戻しちゃうような事は無さげです。

たしかに50ccで負荷も高くソコソコ高回転まで回しますが

まぁそういう本来の理由からでは無いですねコレは。


だってカムチェーンスプロケットのボルトがこんな様子ですし

カムチェーンはビンビンです。

そりゃ壊れるわな。。


なしてジェネレーターから直で電源を取り出す必要があったのか?

この線が12V出力だとわかるという事は一定以上の知識がある者の仕業です。


ハの字に開いたエキゾーストスタッド。

こういった人為的にブローさせられたエンジンは修理に膨大な費用がかかるので

中古エンジンを整備して積み替える方向になりました。

中古車の恐怖を感じずにはいられませんが

中古車を選ぶ際は「愛情ポイント」をしっかり見極めましょう。

個人売買にしてもバイク屋さんで買うにしても

愛されてる感がある車両は間違いが少ないですよ。

ボディの色艶だけでなく、消耗品の交換度合いをよく見てみると良いでしょう。


んなわけでとりあえずさらばです。




2022年8月15日月曜日

ハーネスをスッキリ引き直し。

みなさまごきげんよろ。

コウバ長です。


さーてイグニッション+線に点火モジュールを繋ぐと4Vにドロップしてしまう案件です。

もう怪しいのはハーネスしかありませんので

部分的にやっても別の箇所に不具合が出るのは目に見えていますので

既存のハーネスは捨てて新たに引き直しとなりまして。

イグニッションスイッチから出ていく太い12V配線はご覧のような状態。

分岐や死に線も多く、これらを片付けていきます。

次回車検時にカスタムする計画もあるので、2段階に分けていきます。


後付け配線と劣化した純正配線、エレクトロタップ。

それらが渾然一体となっていますが。


スッキリ!

今回はウインカーリレーもココに仕込んであります。

毎度お馴染みのマイクロウインカーリレーでLEDにも対応なので

今後省電力化も可能です。


ヘッドライト内も色んな配線がトグロを巻いています。


これもスッキリ!

今度メーターを変更する関係でメーター関連の配線は残していますが

最終的にはヘッドライトのソケットとウインカー線のみになります。


タンクのダッシュパネル横にタイトに取り付けられていたスイッチはココに移設。


左手でササっと操作出来て邪魔にもならない位置はココしか無かったです。

今回の引き直しでイグニッション関係と灯火類、メイン系統は全て別系統にしたので

今後の配線変更や拡張作業、メンテナンス性が格段に向上しました。

外観はスイッチが移動したくらいで全く見えない箇所がスッキリしましたが

配線をやり直す効果は大きいです。

ついでに点火系もダイナ2000iになって全て一新されましたので

今後も安心して走れるかと。

おすすめの点火マップにセットして10kmほど試乗しまして無事にお渡しできました。

ありがとうございました。




 

2022年8月9日火曜日

点火と燃料を気にする。

 みなさまごきげんよっと。

エンジンブローして修理を諦めるとお上が決断した2台のJA10。

場所をかなり塞いでいましたので元通り(?)に組み直して引き取って頂きまして。

いやはや壊れたエンジンをもう一回元に戻すという行為は初めてでした。

組み賃はしっかり頂きましたけどね。

で、スペース確保できましたのでFXRさんFXSTCさんとGU74Aさん進めていきます。

まずFXSTCさんキャブやってお次は点火系。

さてさて火が飛んだり飛ばなかったりと

ほんとこういうの続きますね。

点火系の場合プラグから順に不具合を追いかけていきます。

プラグ新品でもダメっと。


今回はかなり下流で不具合発見できました。

ハイテンションコードです。

これのコイル側差し込みが緩い。

先端も斜めで接触面が正常ではないですね。


原因はコレです。

カシメの不良。


この先っちょの部分はコードに噛ませるのではなく、接地面であり抜け防止の返しです。

あたかもコードに噛みつきそうな形状ですが

カシメは根本の部分だけなんです。


もうちょっとグレードの高いプラグコードではこのようにポッチが設けてあって


さらに背面にもポッチがあって、電極の保持が如何に大事か現しています。

ただ、この手のターミナルはかなりしっかり挿さるので、抜く際に結構引っ張るので

専用のカシメ工具でガッチリしっかりカシメる必要があったりして

DIYの場合は前者の方が結果的には良かったりします。


あとキャブの続きでティクラーカップを交換しまして。

ここら辺のパーツはおなじみ岸田精密さん。

ティクラーはSUキャブ特有の機能ですが、まぁ草刈り機にも付いています。

SUが指導性良いと言われるのはこのティクラーによるところが大きいんですが

特別SUだから始動性が良いわけではなく

始動に手こずるパターンって大抵最初の燃料が足らないんですよ。

しっかり燃料ブチ込めば正常なエンジンであればどんなキャブでもかかります。


見てくださいこのリップに張りを持たせる工夫とクオリティ。

たかがカップされどカップ。

しょうもないモノを失敗しながら試行錯誤して組むのもまぁ楽しいですが

やっぱり良いモノをビシッと組んで結果も良好で時間もかからないのが良いです。


さらにこの燃料ホース関係も綺麗にしていきます。

ツインコックなので三又で分岐していますが、分岐はエアホース用の1/4。

勿論コレで機能的には果たすのですが、なんせデカい。

ホース関係はなるべく細くて燃料のフローを邪魔しないものが良いです。


私が多用しているのはネオプレーンで表面コーティングされたタイプで

エンジン付近を取り回す際にこの2層構造が熱から守ってくれます。

分岐もホース内径が細くならないモノを使ってスマートに処理しまして。

ホースバンドでがんじがらめもヤメてクリップで固定。

私ホースバンド嫌いなんですよ。

ガチャガチャしますし、端部は鋭利だし重くなるし。

部位によってはホースバンドを使っていませんが、まず抜ける事は無いです。

配管類はとにかくホースバンドで締めまくりな事がよくありますが

構造的にフレアから奥でキュッと止まってれば良いというか、そういう造りです。

バンド締めすぎでニップルの破損やバンド自体でホースを傷つけているというパターン

ほんと多いんですよ。


コーティングのコンディションが怪しい事もありフィルターも新しく。

容量確保してるので大きめですハイ。

このフィルターの向きが逆なパターンも多いです。

逆でも燃料は流れるしゴミはトラップしてくれるんですけどね。

ゴミが出てきたら早い段階で詰まります。

で、一通りチェックして点火時期調整してあげましたら

無事にキック一発始動。

あとは安定感を求めて細かくツメていきつつ、車体側へと進みます。


んではさらば!


2022年8月4日木曜日

スキナーズ・ユニオン。

 みなさまごきげんよす。

コウバ長です。

作業場の湿度が激しすぎて塗装関係ができません。。

もう基本的に外注にしなきゃダメかも、、


さて作業は7年の眠りから叩き起こすべく90FXSTC。

作業しなければならないポイントは非常に多いのですが

まずエンジン始動を試みます。


と、いうワケで燃料関係から。

キャブはスキナーズ・ユニオンつまりSUキャブですね。

燃料をからっぽにしておいてくれたのでニードルバルブの貼り付きくらいでしたが

勿論内部の通路やジェット類、煤けたベンチュリー等を綺麗にしていきます。


何やかんやでこのくらいはバッチィ汁が出ます。

キャブは調子悪くなくても時々バラすのが、要らぬトラブルの予防になります。

バラして洗って組み直しただけで調子が良くなったりしますからね。


で、インマニシールも交換しておきます。


SU関係の部品はリベラプリモがダメになって供給がほぼ途絶えていて

一部リプレイスパーツはAPMが生産したりもしています。

ちなみのマニホールドのガスケットはジェームズガスケットで手に入ります。


長期間不動の車両で怖いのがゴムやガスケットの劣化です。

これたの部品は「あの時新品にした」が全く通用しません。

動かしていないと熱も入りませんし、硬化も進み柔軟性を失っていきますので

迷わず交換が吉です。

あと、無くなると非常に困るのもゴム系パーツです。

あるうちに交換!

これも大事です。


フランジガスケットはボア径の違うものが挟んであったので適正サイズで。

くすんだマニホールドも磨いて装着。

液体ガスケット系は使いません。

液ガスでシールする前に取り付け面の清掃とかね、そういう事に手間かけた方がいいです。


ウチでは装着率の低いSUキャブですが

構造的には非常に面白くて奥深いキャブですね。

サイドフロートのSUなんか渋いですしね。

リンク作ってサイドフロートのSUをツインでとか面白そうですよね。

そうなるとアレですね、日立のSU使いたいですね( ´∀`)

今や「SUツイン」って響きを知らない人も多いんだろうなぁ。


この車両はタンク形状からツインコックですが、これらのホース類も

もちっとスマートというかスッキリやり直します。

どうせホースもカチコチですしね( ´∀`)


タンク内には古い腐ったガソリン。

私、この匂い(あえて臭いとは言わない)嫌いじゃないんです。

解体屋から引っ張ってきたバイクばっかりオコしてきた私にとって

なんつーか青春の匂いなんですよね。

で、ガソリンの劣化はともかく、コーティングがブヨブヨ膨れてきています。

原因は密着不良、あとコーティングが分厚すぎるの2点です。

私がワンオフタンクでコーティングを行わない理由がコレなんですが

コーティングが劣化してしまうと基本的にタンクを分解して

コーティングを剥離して再溶接、そして塗装という流れになってしまいます。

ガソリンにも溶剤にも溶けないですからねコーティング剤。

あと、後々の補修や改造においてもコーティングで苦労する事もあります。



過去にもコーティングが剥離してタンク自体を交換するという事態になった事もあります。

今回はまだ剥離してきていないので、今の塗装を温存すべく経過観察で。

燃料系はこれでOKとして、お次は点火系を見ていきまして

エンジン始動してみたいと思います。

ではの!