2021年8月30日月曜日

ペイント。

 みなさまごきげんよう(・∀・)

イヤー雨が長かったですねぇ。

こうも長雨になると作業も遅れがちですが

やっと試乗含めて色々進みそうです。


作業はFXSですが

ペイントの状態がかなりイマイチでして


なんせブツブツなんですが

予算の事も考えるとこのままブッカケで塗って

何とか見れるようになればと思いまして


とりあえず塗膜を研磨してみますが


どうもプライマーもサフも入れず

いきなり塗ったようで

ブツブツは塗膜ではなく下地の錆でして

塗膜も薄すぎますね。


エアーで吹いたら吹き飛びました。

そして地金は思った以上に錆サビで

正直心が折れたんですが


もうここまでハゲちゃったら完璧に剥がして

イチからやり直しです。

錆をしっかり落として素地を調整したら


いつも通り防錆プライマーを塗布。

この外装のように少しでも錆があった場合は

特に浸透力に優れた防錆剤を塗っておかないと

錆が再発するリスクが高くなってしまいます。

塗装の役割は金属地の密閉ですから

その保護皮膜の厚みは結構重要です。


そしてこのタンク両サイドのプレス皺も

パテを打って綺麗に均します。

これだけナミナミのヘコヘコだと

塗り終わりの磨きもできませんし

普通にとても目立ちますし

オーナー様が磨く時も気になると思うので

工程は増えますが必須ですね。

気持ちよく乗ってもらうというのは

走りだけでなくメンテや洗車も含めての事で

そういう楽しみをご提供させて頂くのは

私たちのつとめだと思います。

コスト面少し上がってしまいますが

しっかり仕上げる方が費用対効果が大きく

最終的には差し引きプラスになる事が殆どなので

安かろう悪かろうより

適正価格で良いモノがやっぱり良いです。

安くしようとすると、「やってやってる感」

が出てくるのもこれまた良くなくて

やっぱり「やらせて頂いている」という気持ちで

真摯に仕事にあたらなきゃ

良いモノはできないし

最終的にみんなアンハッピーになっちゃいます。

肋骨も治ってきたし

どんどんまくるぞー(*´∇`*)

ってな事でさらばい!



2021年8月17日火曜日

ディテール。

 

みなさまごきげんよう( ´∀`)

お盆も終わりまして通常業務なんですが雨続きで難儀ですな。

それ以前に私、不注意から肋骨を左右とも傷めてしまいまして

正確には肋軟骨損傷という診断なのですが、全治3週間との事で

ロキソニンとロキソニンテープに固定バンドで何とか元気です。

今で2週間なのでもう少しで完治しそうなんですが

4月の末に左手を傷め(短小指屈筋)、その後右手首を捻挫し、その後に肋骨と

何だか身体がポンコツになってきていますw


まぁ安静にしてなんかいられないので治りも遅いんですがGSX-R1100です。

購入されて即入庫というか直送されてきた車両なわけですが

わざわざ乗るのを我慢してウチに預けてくれるというご期待には応えねばなりません。


こういう一見どうでもよさそうなところも


パーツを取り寄せて装着しまして。


擦り減ったチェンジペダルのラバーも


新品に交換。


ブレーキペダルも同じく


新品の交換しまして。


グリップも純正新品に。

私は中古車を購入したら即座にグリップは新品に交換する派です。

純正だったり神戸グリップだったりロッシグリップだったりしますが

グリップは結構重要なんですよ。

まぁ誰がニギニギしてたかわからないゴム部品は嫌だっていうのもありますが。

あと、こういう年式の車両の場合はゴム部品が真っ先に製造中止になるケースが多く

出るうちにサッサと交換しておくというのはひとつの掟です。

ちなみにステップのラバーは既に廃番になっていました。


エキゾーストはBEETのバックファイア2のフルエキですが


オーナー氏の当時仕様という事でKERKERに変更。

元はCBR1000F用でしたが色々加工して取り付け。

バックファイア2自体貴重品ですが、

CBR1000Fとはまたレアな車種からの流用で面白いですね。


さらにはエンド形状まで当時にこだわるオーナー氏が

デッドストックのレンコンを入手してくれまして。


この辺の眺めはだいぶ当時に近づいたかと思います。

細かい事ですが、「気持ちよく乗ってもらう」という要素は色々あって

それは外観であり機能であり性能であり

それらが少しでも理想的で在れるようにトータルで見ていく。

それはスーパースポーツでも原付スクーターでもチョッパーでも同じ事だと考えています。

気持ちよく走る。

そう、気持ちなんですよ気持ち。

そこを大事にできなきゃいけませんよね。





2021年8月5日木曜日

何もかもガタガタ。

 みなさまごきげんよう(・∀・)

作業車両が並行するようになってペースが落ちてしまっていまして。

やはり一人ぼっちで仕事するとなると2台までが限界ですね。


さて81FXSはフェンダーの位置やテールランプが決まって

テールランプやナンバーのブラケットをフェンダーに固定しました。


ITテールは非常に軽い事もあってブラケットの強度を落とせるので

このようにフェンダーに直溶接で、ランプ裏を保護する形で突っ張りを入れましたら

振動でランプやナンバーがブラブラする事もなくしっかり固定。

個人的に、テールやナンバーがブラブラ揺れているのは好きじゃないです。

ナンバーも割れますしね。


そして真っ白に塗られていたAMF9キャストの塗装剥離。

塗るのも当然手間ですが、剥がすのも結構な手間です。

特にラッカー系缶スプレーで塗ってあるパターンは困りもので

塗る時の色や塗料の種類は熟考が必要です。

まぁ剥がすことなんて普通は考えませんが

剥離や(上塗り)塗装の際には効いてきますよ。


リアも気合いで剥離しまして。


タイヤはリアがK527のフロントはF11としました。

この辺のタイヤはライフが色々言われるところではありますが

年間走行距離を考えると高いファッションタイヤよりコスパは良いです。


フロントは4.00-19というぶっといタイヤから

2サイズ落としてリム幅に合った3.25-19に適正化。

ちなみに、元のギザギザパターンのタイヤは直進性はものすごく高く

2サイズもアップしているとセルフステアも阻害されるので

直立してバイクを走らせる事になり、タイヤの真ん中がベッタリ減りやすい傾向です。


タイヤの摩耗に対して敏感な人が多いのはタイヤの値段や工賃を考えれば当然ですが

タイヤを無駄なく使えるセットアップを行えば摩耗も緩やかになります。

エア圧も然りですが、タイヤの減り方もバロメーターになりますので

タイヤチェックを日課にすると楽しいですよ。


リアから組んでいきますが、ブレーキキャリパーはGMAの対向2ポットに変更しまして。

元の純正バナナキャリパーを使いたかったのですが

メンテナンスされていないバナナキャリパーの定石どおり

パッドピンの穴までガバガバになってしまっていたので諦めました。

特にこの年代の11.5インチローター対応のバナナキャリパーは

ガタの対策として支持部を増やしてゴムブッシュを入れるようになっていますが

ブッシュが減って放置しているとガタの度合いが猛烈に増えるのと

この車両のように上下逆にするという取り付け方法も相まって

どうしようもないところまで壊してしまいます。

ちなみにガタは無いに越した事はありませんが、片押しピンスライドキャリパーは

ガタを無くしすぎるとまたトラブルになるので

現状でマトモなバナナが付いてる皆さんはキッチリメンテして大事に使ってください。


リアショックと揃いでブラックとクロームのコンビにしてみたっす。

ローターはホイールがよく見える10インチローター(私の1号機の予備なんですけど)に。


ブレーキキャリパーのアンカーを固定するボルトのスイングアーム側は

ボルト&クラウンナットに割りピンの筈ですが

ボルトを切って穴を開けて割りピンのみでの固定で

こんな固定方法で引っ張り強度なんてあるはずも無く

キャリパーだけでなくアンカーまでもガタガタな仕様で

割りピンが折れたり抜けたりしたら死ねますので

ちゃんとした固定方法に改めました。

つまりリアブレーキは壊れたのではなく、壊したというのが正しいです。


フロントもキャリパーをオーバーホールして組み戻していきます。


が、ここのところ定番のステムがガッタガタの刑。。。。

確認するとステムナットが全然締まっていませんで。

緩んでガタガタになったと思いたいところかもしれませんが

アンダーステムとフォークはクランプボルトで締まっており

トップブリッジも横からピンチボルトで締めてあるので

トップナットが緩んでアンダーステムが下にズレ落ちる事が無い構造です。

つまり組んだ時からこの状態だったという事です。

仮にそうでなかったとすれば、全てのボルトが全く締まっていなかったという事で

どっちにしても話にならんでしょう。

↑の写真はガタついたアンダーステムが配線を切断しようとしているの図。


全くもって想定外にダメです。

フォークは1Gで2インチ以上沈んでいるので短いインナーチューブかと思いましたが

ジャッキアップするとどんどん伸びるのでFXSの純正で、

折角2インチ長いインナーですからキッチリ純正の状態に戻して

シャキッとフロントの車高が上がってカッコ良いっす🎶

ちなみにオーナーは結構体重があるのでそこそこプリロードかけております。

元のフォークだと恐らく底付きするでしょうね。。。。

ほんと色々勉強になって何よりですが

しっかり気持ちよく走れるショベルを目指して引き続き気張っていきます。


ではさらば!



2021年8月3日火曜日

レストレーション。


 みなさまごきげんよっす( ´∀`)

ちゃんとBlog更新しようという決意がインスタ のお手軽さで簡単に霧散する私です。

アレはアレで備忘録になるし、自分自身嫌いじゃないから良いんですが

やっぱり手軽っていうのは麻薬です。

インスタ の場合はどんな人が見ていてどんなリアクションなのかもわかりやすくて

この、数字で表れるっていうのもまた麻薬みたいなもんですね。

数字で表れるといえば私のインスタのアカウントの男女比率は

なんと男性97.8%で女性が2.2%というガチホモっぷりで

ついでにここ1週間で29人が私をフォローし、14人がフォローをやめるという回転率で

いやはや嫌われたり好かれたり忙しいですな( ´∀`)

と、いうのが数字で見えると気になっちゃうもので

気にしてねぇと強がるものの、やっぱり嫌われるってのは微妙に凹みます。

言うて人間性がアレなんでどーしょーもねーんですがw


と、前置きが長くなりましたが1100R。

とにかくリアブレーキがスッカスカでして。


まぁもうあちこちから漏れたんでしょうね。

このリザーバータンク、装着状態だとドライバーの頭が斜めにしか掛からないので

メンテナンスの際には無理せずタンクを外しましょう。


マスターも香ばしい状態ですね。


ブレーキまわりに限らずですが、こういった構成パーツの状態は

そのまま車両のコンディションを現していますので

ガワを艶出し剤で光らせられただけのバイクでも

ちょっと機能部品を見るだけで本質が見えてきます。


どう見ても片側のピストンが動いていませんね。

ディスクブレーキのキャリパーピストンはゴム(シール)の弾力だけで

パッドのクリアランスを決めてくれているので、漏れは無くても動きが悪ければ交換です。


とりあえずばっちいのでキャリパー割って洗浄( ´∀`)

こういうキャリパーは熱で開いたりしてフィーリングが悪くなるんですが

こうやって分割できるのは整備する側としては有難いっす。


んで外側だけ塗装を剥離しまして。


インナーパーツ類は総交換。


なぜ外側だけ剥離したのかと言うとですね。

このGU74A、オーナー様が当時乗っていた仕様を再現するのがひとつのテーマで

当時フルードで塗装が剥げてしまい、表側だけ磨いて使っていたとの事で

それを再現している次第です。


細かい事ですがブリーダーも新品交換しまして。

コレ、エア抜きの際に絶対触るとこですから綺麗な方が良いのと

エア抜きの際に残ったフルードをそのままにしていて腐食しているケースがよくあるので

整備する際にボロければ必ず交換してほしいお勧めパーツです。

ちなみにこのトキコキャリパーは、エア抜きのブリーダーが2箇所設置されていますが

きちんと両方からエア抜きしてあげないとピストンの作動不良を起こしやすいですよ。


リザーバータンクの蓋も綺麗にしてネジも交換。


ネジだけでなくタンク側にインストールされているナットも交換します。

鉄ナットにステンのビスとかは非常にマズい組み合わせですからね。

手を入れる時の気持ちよさって大事で

特にオーナー様が実際触るところなんかは細かく気遣っておいて

このエクスタシーを分かち合いたい気持ちです。


細かいビスやホースバンドなんかも錆びてボロボロなので交換します。

オリジナルとは違うものですが

こだわるとしたらソコじゃねーっすよね。


パッドはいつものSBSを頼んだら、納期が超長かったのでデイトナの金にしまして。

私もコレの旧モデルをCP2696で実際に使っていますが

耐フェード性を除けば良いパッドです。

ちなみに耐フェード性と言っても1号機みたいな使い方であっての話で

キャリパーが3つもあるちゃんとしたバイクでしたら不満は絶対出ないと思います。

ストリートでは( ´∀`)


そんなワケで納車整備をしながら「当時の自分仕様」を再現させて頂くべく

引き続き作業していきたいと思います。

レストアというとメーカー出荷状態を目指すのが一般的ですが

当時の自分が乗っていた仕様を再現するのもまたレストレーションです。

ほんと楽しみ方って色々あるっていうか

何やっても楽しいですねオートバイは( ´∀`)