2023年10月28日土曜日

ドラッグスター250路上復帰。

 みなさまごきげんよう( ´ ▽ ` )

どうでもイイですが↑のご挨拶、ふと一体いつから書いてんだ?

と思って遡って見てみましたら、どうやら2013年から10年も続けてるんですね。

なんで始めたかわからんし、ごきげんようとか言うキャラじゃないんですが、、

まぁそんなどうでもイイ話はどうでもイイとして

また長期不動車の起こし作業です。


ドラッグスター250ですね。

色からして2002年式、走行は34,000kmです。

長年所有されていて、車庫にてカバーをかけて保管されていましたが

また乗りたいとの事で作業を承りました。

ちなみに、やけに綺麗なのは4時間かけて洗車して磨きまくったからです( ´∀`)

せっかくならピカピカで乗り出してほしいですし

ダメな所を洗い出すためにも経年の汚れは邪魔ですから。


一度も交換されていないチェーンとスプロケットは交換必至コンディション。


チェーンは洗車に邪魔なので外しちゃいました。

ハブやリムも綺麗にしときます。


まぁココは大抵のバイクがこんなモンですね。

チェーンルブのダンゴとスプロケやチェーンが削れた鉄粉が主成分です。


チェーンもコキコキですな。

スライダーが削れていないのは調整がちゃんとされていた証でもあります。


あー気持ちイイ( ´ ▽ ` )

こうやって「綺麗にしときました!」と声高に謳うと、ちゃんとやってる感を醸しますが

実際多くのバイクやさんはこういう地味にめんどくさい洗浄なんかを当たり前にやっていて

洗浄作業はメーカー指定の工数には入っていませんから

つまりは儲け無しで部品を洗ったり磨いたりしています。

つまりサービスすなわち貢献です。

ホントは良い言葉なんだけどなぁサービスって。


外装もピカピカ。

元が良いですからねぇ。

21年前の車両としてはかなり良好です。


中古で買うならこういう芯がしっかりした車両が良いです。

傷のつき方とかね、そういうの見てると扱いがよくわかります。


流石にクロームはちょっと疲れていますし発錆もしていますが

なんか個人的にヤマハのメッキはよく錆びる気がします。

まぁメッキをよく使ってるってのもありますけどね。


シートも案外汚れているものなので、コレがパリッとしてると気持ち良いですね。

で、綺麗になると査定額も爆上がり調ですが、問題は機関部です。


フォークオイルが漏れているので、距離的にも要O/Hです。


スタンドで左に傾げるせいもあって左の錆が酷いですね。


フォークオイルは綺麗なのが出てきますが、これは放置車の罠で

底にはきっちり汚いオイルが沈殿しています。

これらを混ぜ混ぜしてあげると見事に汚いオイルになります。


オイルシールの当たり面は綺麗に研磨しておきます。

クリップの溝もびっくりするくらい腐食で埋まっているので綺麗にしておきましょう。

ちなみにヤマハのこのフォークガードは硬くハマっているので

外そうとして壊すのが嫌で装着したまま作業しております。


まぁいつも通りの作業っすな。


全て油を切って完全ドライ状態で組み立て、油面揃えてOKです。

ちょっと設定変更しておきました。


チェーンとスプロケも交換しまして。

この辺は安物を使うと寿命が短く、結局高くついちゃうので良い物を使います。

安いのはいくらでもありますけどね。

ランニングコストって長期的に見るべきです。

安物を3回交換するよりも高品質な物を長く使う。

トータルコストだけでなく環境的にも良いです。

まぁガソリンバラ撒いて走りまくっている私が環境云々も無いですがw


これでまた長く使えますね。


スプロケの減り方を見ても優しく乗られていたのがわかります。

この車両は3万キロ以上耐えていますが、駆動系に負荷をかける乗り方だと

まぁその半分ももちません。


フロントブレーキマスターシリンダーは外観からしてヤバめです。

マスターの蓋のネジは普通には緩まない状態でした。

まぁきちんと緩めるのが私の仕事なんですが

ヘタに緩めようとして頭をナメたりしたら、、、、怖いですねぇ。

DIYでやる場合は、ヤバそうな雰囲気の時は諦めた方が良いです。


あー、、、、

この辺が車検の無い車両のキツいところですね。

ブレーキフルードは年に一度、最低でも車検毎に交換すべきです。

何となくブレーキは効きますが、劣化でシステムの機能を阻害していきますし

いざっていう時にベーパーロックとかブレーキがフェードしちゃったとか

場合によってはそのせいで転倒や事故もあり得ます。


こういうのを見てると12ヶ月とか24ヶ月の法定点検って大事ですよね。

で、冒頭の写真のように長期不動車両を磨いて綺麗にした「だけ」で

程度極上みたいなノリでヤフオクやメルカリで売り飛ばされた場合

乗り出し整備で10万円くらいかかっちゃって

現車確認時は見るとこ見とかないと高いもの買いのさらに銭失いになりかねないので

中古車を現状で買う場合はご注意です。


バッテリーとエアクリーナーエレメント、スパークプラグに

劣化したグリップとエンジンオイルる、フィルター交換して路上復帰作業完了です。

バイクに限らずですが、基本的には維持にお金がかかるものです。

特に予防整備し過ぎな場合はバランスシートが崩れがちですが

結局のところ使用限度を超えてぶっ壊れるのがいちばん高くつきますので

定期的に点検して、マズいところをぼちぼち整備していくのが安上がりです。

長期不動車の怖いところは

ガワの程度が良くても見えない所は確実に経年劣化しているってところですね。

よーく整備されている不動車って基本的に無いワケですから

バイクを買う時はご注意を。


そして今乗っているバイクも常に注意して見てあげてください

そんなわけでさらば!
















2023年10月21日土曜日

XL883乗り出し整備。

 みなさまごきげんよう( ´∀`)

もう朝晩は寒いくらいになってきましたね。

じきにバイク乗るのが嫌になってくる寒さになるので

今のうちに走っておきたいところです。

が、どういうワケか10月に入ってから異様に混み合っておりまして

車両入れ替えの為にも呑気に走ってられなくなっちゃいました。


さてさて今回はウチとしては高年式な2007年のXL883。

ラバーマウントでインジェクションのモデルです。

「予備検付き」という事で購入されて登録は済んでいますが、、

乗り出し前の整備をご依頼頂きまして。

所謂、「登録すればすぐ乗れます」的な売られ方をした車両かなと。

まぁ車両を見ての判断ですけれどもね。

オーナー様にお伺いしたところ点検整備記録簿などは無いとの事でした。

走行距離は44,000kmで定期的なメンテナンスの結果がモロに出てくる距離です。


まず押し引きが異様に重たく、明らかにブレーキを引きずっていますね。


キャリパーピストンの汚れっぷりからすると定期的な清掃は行われていません。


リザーバータンクのフルード少ねぇなぁ。

つまりパッドが減って油面が下がるワケですから、フルード交換もサボってます。


リアブレーキはキャリパー清掃とフルード交換でピストンもしっかり戻るように。

固まっていたスライドピンもしっかり動くようにしてあげれば引きずりは解消です。

この辺の年式のハーレーに乗る人は

国産と同じようにリアブレーキをあんまり使わないので

まぁこんなもんでしょう。


逆に言うとフロントブレーキをものすごく使うという事なんですが

引きずりが酷いのはフロントの方で

そのせいで引き取り時に軽トラの荷台から落っこちたそうで

公道を走らなくてもヤバい事になるんですよブレーキってヤツは。


ホイールに付着したダストからしてメンテされていません。

タイヤだけは前後新品なんですけどねぇ。

タイヤ交換する際にキャリパーも外すワケですし

ホイールを洗浄したりキャリパーの具合もチェックするはずなんですが、、


ブレーキとしては完全に死んでおります。

片押しの2ポットですが片方のピストンは戻り側が固着しています。


積層したダストからもノーメンテが伺えますよね。


スライドピンも固着していて全くスライドしていません。

清掃も揉み出しもせずパッドだけ交換してきた感じです。


そのパッドは900円くらいで売ってる安っすいセミメタル。

ウチで交換するパッドの1/10ほどの価格の商品ですが、

ご覧のように磨材にクラックが入っています。

異様にダスト汚れが激しいのもこのパッドのせいです。

いつも言っていますし

ブレーキの話だけではありませんが、ホントにオートバイのパーツに関しては

安くて良い物は全く無いです。

一先ず部品発注して他を見ていきます。


エアクリーナーエレメントも凄い状態ですね。

車検を受ける場合、24ヶ月法定点検では必ず点検する箇所ですよ。

ココは新品交換にて対応。


ロッカーカバーからの激しいオイル漏れ。


フロントバンクも同じようにダダ漏れです。

オイル漏れも点検項目なんですけどね。。


ハーレーにおいてはオイル滲みは当たり前なところがありますが

このレベルだとガスケット交換して漏れを止めなくてはいけません。


ココのガスケットは年次改良でどんどん良くなっているものの

オイル管理が悪ければ熱量も上がって劣化も進みますから

ケチってると後々痛い目にあいますよってな話です。

同時にエンジンオイルも交換しますが

ドレーン開けると最初に水が出てきてからオイルもチョロチョロ、、

「定期的にエンジンはかけていました」

みたいな車両に多いです。

エンジンかけてアイドリングさせるだけってのはオイルの乳化を促進するだけで

走らせて熱を入れないのであればほぼ無意味な単なる動作確認でしかないです。

オイルドレーンのラインを洗浄してMOTUL入れておきました。


プライマリーオイルも交換しますが

ダービーカバーのボルトが潰れてて緩められません。

タガネで頑張った傷跡がありますが、

状況からして緩めるのは諦めたんでしょう。

トルクスネジは良い工具を使わないと簡単に頭をナメちゃうんですよ。


抜けないなら抜けばいい話なんですけどね。

ドレーンボルトには劣化したOリングとシールテープ。

テーパーネジじゃないんだからOリングをちゃんと新品使えばシールテープなんて要りません。

Oリング交換してプライマリーオイル交換してきました。


で、フロントのキャリパーですがダストシールがめくれてピストンの戻りが悪くなってます。

ピストンシールが劣化して微妙に漏れたフルードがシール溝を腐食させて太るのが原因です。


味噌汁みたいなフルード。

この年式は吸湿性の高いDOT4ですから、交換をサボってるとこうなります。


ダスト汚れも綺麗サッパリ除去してピストンとシールは純正新品に交換。

この年式はピストンとシールがセット販売になってます。

Jamesからシール単体でも出ていますが欠品でした。

パッドはSBSのシンタードです。

ハーレーの場合純正でシンタードですからワケのわからんパッドを使って

性能と寿命を落とすのはやめましょう。

バイク屋さんはいろんなパーツをテストしてどのパーツを使うか決定していますから

Amazonの短期的なレビューなんかよりよっぽど実戦的なんです。

別に高価なパーツを使ったからといって利益が上がるわけじゃないんです。

費用対効果が高いからその部品をお勧めするわけで

「高い部品を勧めてくる!」って憤るのはだいぶズレた視点なんですよね。


で、一通りダメなところは直していざ試乗してお渡し!

と思ったら500mほど走ってチャージランプとエンジンチェックランプ点灯(爆死


ダイアグを見てみますが過去のエラーがてんこ盛り。。

直したら消しといて頂きたいっす。

で、一旦リセットしてもう一回走ってみて警告灯を点灯させてみると

バッテリー電圧低下かぁ、、、


うーん端子間で13V超えてるし。


レギュレーターも普通に仕事してるし

ステーターも測りましたがモリモリ発電してるしなぁ。

んでしばらく置いとくと警告灯は消灯。

また走ってみて警告灯点灯させてすぐさま電圧計測してみます。


うーん、悪く無ぇが良くも無いか??

とりあえずバッテリー交換して事なきを得ました。

FIだから要求電圧が高いのかな。

コレで様子見てダメならレギュレーター交換ですね。

※結局レギュレーター交換になりました


あとサイドカバーのクリップが割れてブラブラだったのを

トランプさんのステーでしっかり固定できるようにしておきました。

私が作るより断然お安いですし、ステンレスでロゴも刻印されてます。

コレはラバスポ乗りの皆さんにお勧めしたい逸品ですね。


警告灯問題が解決したので、試乗しまして無事お渡しです。

2007年式という比較的新しい車両でしたが

中々に危ない状態でしたね。

こうして見ると

検査に通っただけの車両と公道をマトモに走れる車両は全く違う

という事がよくわかります。

予備検つきや車検付きというのも購入時にはそれほどメリットではありません。

モノを見て判断っていうのも中々難しいですが

ホント中古車買うのも中々難しい時代だなと実感した次第です。

そいではさらば!