2024年2月29日木曜日

最後のα-14。

みなさまごきげんよろしゅう。 


本日は87年式のGSX-R1100、所謂H型の90年代峠小僧的な未塗装カウル車。。

ってお前のマシンやないかーい!

という突っ込みは有り難く頂くとして、まぁ私の車両ですね。

自分のバイクの記事が続くとどうも遊んでばっかりな感を醸し出してしまいますが

お仕事はちゃんとしていますので、敢えて「お仕事はちゃんとしています」とは言いません。

そもそもお仕事をちゃんとしていないとバイクも弄れないワケで

私はイチ改造屋として自分でもしっかり弄ってしっかり走るというのがポリシーですので

一見遊んでいるだけに見えるかもしれないこれらの作業も広報活動の一環なので

最近SNSで頻発する妙に高圧的なアンチコメントはお控え頂きたくよろしくお願い致します。

あ、当ブログはそういう輩対策でコメント欄を閉じちゃってるんでした( ´ ▽ ` )

言うてもわざわざこんなアングラなブログを閲覧してくれている皆様は

私と同じ感覚の持ち主なのでそんな心配は要らないっていうのが実際ですが。


で、リフトアップして何をしているかと言いますとタイヤ交換です。

記録によると2022年の3月末に走行34,000kmでα-14に交換して

2024年の2月末の現在、走行35,744kmでお役御免。

つまりα-14は2年弱、1,744kmの命でした。

まぁまだ走れるっちゃ走れるんですがね。

私はボンクラライダーなのでタイヤに頼りっきりですから早めに交換しときましょうと。

そこでこの2月にダンロップからQ5Aという新しいタイヤがラインナップされまして。

なんと油冷初期型に対応したサイズもしっかりある。


Q5に対してオールラウンダーという事でAを追加したってな感じっぽく

レースにも走行会にも参加しない私にはこのタイヤがベストなんじゃないか?と。

お値段もα-14とほぼ変わらないので大いに悩みまして。


結局α-14を注文しました( ´∀`)

と、いうのもα-14はQ5Aと統合される形になるっぽく

18インチ は斬り捨て的にメーカー在庫消化次第販売終了というアナウンスがありまして。

だったらQ5Aはいつでも買えるわけだし最後のα-14をむしゃぶり尽くそうじゃないかと。

ライフに関してはタイヤを労る走り方で目指せ3,000km。


2年弱1,744km走ったリアタイヤ。

こうして新品と比べるとやっぱり減ってるんですなぁ。


フロントはサイドが終了気味。

真ん中は残ってるから普通に乗る分にはまだ使える状態。

まぁサーキットユース的には完全に終わってる感じで

こう思うとサーキットガチ勢はホントタイヤにお金かけてますよね。


ところで私はバイク輸送時やジャッキアップ時はフロントブレーキをロックさせますが

これまでは写真右のようなベルトでブレーキレバーを固定していました。

んが、デイトナさんから樹脂製のレバーロックツールが出ていて

ものは試しで購入してみましたが


ワンタッチでバチッとロックできて非常に使い勝手がよろしいです。

一見特殊なアイテムに見えますが

ガレージにバイクを置いておく際も

フロントブレーキをロックさせてリアタイヤに輪止めをかましておくと

地震による転倒も防げますので非常に良いアイテムだと思います。


そんなこんなでお昼休みを使ってサクッとタイヤ交換をかましまして


キャリパーも清掃して後は皮剥きですね。

雨で塩カルが流れてからジックリ皮剥いていきたいと思います。

まぁ3月に突入と同時に郵政点検で15台ほど前後タイヤ交換を強いられるのと

ご予約車両の関係や2号機製作もあるので

2月中にやるべき事は片付けとこうというノリで

大義名分を振りかざして愛車に手を入れましたよってな話ですが

今現在新規お預かりは4月〜となりますので

毎度同じ事を記述して恐縮ですが、早めのご予約をお願い致します。

ってなワケでさらば!






2024年2月28日水曜日

コンテンツを選ぶ生活。

 みなさまごきげんよう〜

寒かったり暖かかったりで肉体がぶっ壊れそうですが

寒さも暑さも旧いバイクには大敵。。


基本的にバイクは暑さにも寒さにも耐える強靭さを有していますが

それは元気に動いていてこそなんですね。

長期不動車は長いこと熱が入っていないせいで、黙って劣化が進みます。


例えばシート表皮、破れは無かったのですがビニールが硬化しているところに

気温が低い状態でケツ圧がかかると

ブリッと裂けてしまいました。


こうなるとアンコが傷む前に張り替えです。

張り替え業者さんに出しても良いのですが、自分で張り替えてみるとします。

シート表皮が販売されている車種は鉄ベース、樹脂ベース問わず

当方で張り替え可能ですのでご相談ください。


で、ハスラー50用は水冷、空冷ともに表皮が売っているんですが、、

隙間年式なせいか7型と8型は販売されておらず

アンコを少し加工してTS503つまり10型や11型の表皮を流用してみました。

まぁ違う年式のシート表皮を張ったにしては上出来ですな。

高品質な表皮で座り心地も良く、満足しています。

残念なのはSUZUKIのロゴやビニールの質感が失われてしまった事ですが

本来、レストアとなるとこういった細かい事に如何に拘るかは大事です。

ま、直しながら運行してる感もリアリティとして大事なので

方向性の問題ではあります。


そして、オフ車に多い樹脂製フェンダーの表面劣化。

紫外線を浴びて表面がボロボロと言うかポロポロ、、、

昔からこういうのはハンディトーチで炙れ!

とされていますが、トーチで炙るのは良くないです。

劣化した樹脂が含んだ汚れと共に溶解して


ムラムラの汚い仕上がりになってしまいます。

こんな状態になってしまったフェンダーは、炙るのではなく

まず#150くらいのペーパーで水研ぎして

劣化した表面をザクザク削り落としちゃってください。

そこからペーパーの番手を上げていって、最後にコンパウンドで磨けばよろしいですよ。


私はそんなにバキバキの仕上がりを目指していないのでこの程度で。

塗装の下地としてもここから足付けしてペイントすればバッチリです。

崩れ落ちそうなくらい劣化しているのであればUVレジン塗って磨く。

バーナーで炙るより断然綺麗ですし


パーツが変形したりも無いのでお勧めです。

巷にバラ撒かれている情報っていうのはですね

大事な事が隠されていたり

求める物が違ったり

そもそもが間違っていたり


情報化社会と言われて随分経ちますが

それでもまだまだ情報量はどんどん増えていて

情報を精査する能力はここ10年ほどでより求められているんじゃないかと。

情報やノウハウは鵜呑みにせず、よく咀嚼しないとですね。


油でギトギトしていたオイルタンク周りも綺麗にしてみました。

と、言うかココを掃除する為にリアフェンダーを取り外したりした際に

ボロいフェンダーが気になって修理したのですが。


ところで情報と言えば、兵庫県のど真ん中に移住してきて7年経ちました。

つまり、テレビが無い(見ないのではなくテレビそのものが無い)生活が7年です。

まぁたとえテレビが有っても見てる時間が無いんですが、、

都会っ子テレビっ子からは想像出来ないかもしれませんが

別にテレビから情報を得なくても必要な情報はきちんと流れてくる。

永野芽郁ちゃんがハーレーを買ったとかね。

まぁその永野芽郁ちゃんが誰なのかを知らないんですが(笑

ふた昔前であれば情報の坩堝だったスポーツ新聞の朝刊が

マジかよってくらいペラッペラになってるのを見ても

生きていくにあたって如何にコンテンツを選ぶかってのが大事な時代なんでしょうね。

笑いたければ笑えるものを観るのも良いけど

笑える事をすれば良いし

感動したければ感動するものを観るのも良いけど

感動する事をすれば良い。

できればどっちもやりたいですけどね。

限られた時間の中で何をするかってやっぱり重要だなと思う今日この頃ですよ。


ではさらば!


2024年2月23日金曜日

XLH83鉄仮面ThankYouSold.

みなさまごきげんよう^ ^

さてさてFOR SALEに向けて作業を続けておりました88XLH鉄仮面ですが 。

具体的なアナウンス前にSOLDとなりまして

こういうのはやはり縁というかタイミングというか

決まるものはスパッと決まってしまいますですね。


なのでプロモーション用に撮った写真もその役割を果たさないのですが

私の仕事の記録としてWeb上に残しておきたく、記事をしたためる事とします。


この時点ではリアは11.5インチのサスですが

リフレクターを常設した事でクリアランスが少ないのと

もう少しライドハイトを上げておくべく12.5インチに変更。

フロントも設定変更してバランスをとったので見た目や乗り味に大きな違いは無し。


毎度毎度ウチの改造は改造したっぽくなくてアレですが。

何をしたかより、どうなっているかが重要というスタンスはやっぱり変わらないです。

そして、手間を省けば得るものも省かれるというポリシーもやっぱり揺らぎません。


このヘッドライト下のパネルは元々鉄板を加工して製作していましたが

今回SUSで新たに作り直しました。


電装はオール引き直し。

4速スポーツ定番のステーターマグネットは対策済みで

レギュレーターは念の為新品に、ステーターも計測して発電、充電とも問題無し。


超久しぶりのエンジン始動も呆気なくこなし

メカノイズも殆ど無い静かなエンジンです。


現在、原動機載せ替え改造申請を出していますので

そちらが通り次第検査を受けて実走チェックと

最終的なセッティングを行なっていきます。

改造車にありがちな車検毎に対策するのではなく

このまんま車検が通るようにしてありますので

今後の維持も楽かと。


今回はというか今回も遠方納車ですので

車検取得後にみっちり走り込んで膿出ししつつ

セッティングもキメてストレス無く乗って頂けるように仕上げていきます。


それにしても

こういう特徴のあるオートバイは必然的に行くべき人のもとへ行くんだなと

改めて実感しました。

欲しいだけじゃ手に入らないものっていうんですかね。

色々な条件やタイミング、感性がバチッとハマった時に全てが決まるというか

縁っていうのは持ってる者同士が自ずと引き寄せるもんだなぁと。

遠く九州の地で元気に走り回ってもらえるよう

最終調整気合い入れて進めたいと思います。

ではさらば!

88XLH883鉄仮面
1988年式XLH883デラックス

外装ワンオフ製作
エルシノア純正タンク改・幅詰め絞り込みトンネル製作
モーションプロフューエルコックNEW
叩き出しボートテールシングルシートカウル
インナーフェンダー製作
シート製作
ショベル純正オイルタンク改
純正改フロントショートフェンダー
オールNEWペイント重防食下地仕様

モデルK用ナセル改
ヘッドライト下パネルSUS叩き出し製作
ベイツタイプ4.5インチヘッドライト改
ノガロレーシングセパレートハンドル
ナポレオンミラー
アマルタイプスロットルホルダー
大神戸2型縦溝グリップ
グリメカマスターシリンダー
ニッシンラジアルポンプ用ミラーホルダー
Buell用クラッチホルダー&レバー
NEWスロットルケーブル
NEWバーネットクラッチケーブル(Buell用)

ショベルFX用35mmフロントフォーク
2インチオーバーインナーチューブ
フォークOH
キャリパーOH
NEWキャリパーピストン
NEWキャリパーシール
NEWブリーダープラグ
NEWブレーキローター
NEWブレーキホース
NEWフォークブーツ
NEWアクスルシャフト

リア03以降純正4ポッドキャリパー
リアマスターシリンダーOH
NEWブレーキホース
高年式用スイングアーム換装
XL1200C12inchリアサスペンション

前後9キャストホイール(リペイント)
前後NEWタイヤダンロップGT601
NEWエアバルブ

当時物不明バックステップキット

フレームサンドブラスト処理
フレーム防錆処理
フレームパウダーコーティング
ウインカー埋め込み加工
ブラケット類スムージング
オイルタンク、シート取り付けブラケット追加
ハンドルストッパー加工
ステムベアリング、レース打ち替え


ラウンドエアクリナーNEW
CVキャブレターオーバーホール
EJミクスチャースクリューキット
マニホールド及びシール交換
キャブレターセッティング
NEW燃料ホース
2in1内寄せスラッシュカットエキゾースト
ステンレス製ハニカムインナーバッフル

ステーターマグネット脱落対策
ミッションエンドプレイ測定

ボルト・ナット類交換(エンジンマウント関連)

ダイナSイグニッションNEW
イグニッションコイルNEW
NEWブルーストリークプラグコード
NEWスパークプラグ
タマムラモータースNSG組み込み

ハーネスフル引き直し
NEWスイッチ類
モトガジェット超小型ウインカーリレー
小型LEDウインカーウインカー
SHORAIバッテリー
NEWスターターリレー
NEWレギュレーター
48mm機械式メーター
メーターパネル製作

NEWオイルホース
NEWプライマリーオイル
NEWエンジンオイル
NEWオイルフィルター
NEWブレーキフルード




2024年2月15日木曜日

簡単なようで簡単でない。


みなさまごきげんよっほい!

なんだか異様に暖かい日があったりして、バイクシーズンの足音が聞こえますな。

1月と2月は余裕のスケジュールでゆとりをもって作業しておりますが

ポチポチお仕事詰まってきまして作業ご予約は現在4月〜となります。

シーズンインの前にレッツ整備ですな。


さて本日はサッと終わる系でZRX1200DAEG。

バーエンドとラジエーターサイドカバーとバッテリーの交換ご依頼です。

まぁどれもDIYでやっちまうような作業ではありますが。

楽しはずのDIYが実は微妙に楽しくない作業になっちゃう事があるのが

まぁバイクいじりの醍醐味です。
 

DIYでも簡単なはずのバッテリー交換ですが、このバイクは中々そうもいかないっす。

シートし下のカバーを外してヒューズボックスを2個外し

スターターリレーとECUを外してから深い底にあるボルトを2本緩めて

奥の方に押し込んである重いバッテリーを引き出すというのが手順です。

が、何せクッソ狭い空間ですので結構難儀しますよ。

それにしても後付け配線の汚いこと、、


前オーナーの仕業なのですが、電源線の挟み込みもあるし


端子もコレじゃぁ、、、

丸端子を切断したりY端子を使ったりしていますが。

そもそもY端子は端子台に使うものですし、丸端子を切ってもクワ型端子の代わりにはならん。


ここ最近こんな写真ばっかりで申し訳ないですが。

ホント、配線をナメないで頂きたい。


むしろどうすればこんな汚くできるのか謎ですらあります。


ちゃんと直しときます。


で、メーターの上にチョロっと出ている元々はレーダー探知機が接続されていたプラグが

邪魔なので外しておいてほしいとの事で。

ビニールタイ(バイクではありえん)でハーネスに縛ってあるだけだし簡単に取れるだろうと

線を引っ張ってみても全然抜けませんで。

仕方ないのでカウルを分解しましたら。


配線コードをこんなトコに結んでんじゃねーよバカ!

耳障りが良いようについ標準語になっていまいましたが

播州の一般的な言い方ですと

どこに線結んでくれてもとんどいやダボ!

でございます。

んーなんかアレですね、この価格帯のオートバイにするような事じゃない雰囲気の作業で

まぁたとえ原付でもこんな事してちゃダメなんですが

前オーナーは1500kmほど乗って売っちゃたようですので

基本バイクに向いてない人だったんでしょうね。

ただバッテリー交換するだけなのに1時間くらいかかっちゃってますが(大赤字)

これだけめんどくさいと、もうバッテリー交換工賃1,000円とか言ってらんねーっす(笑

ちなみにダエグの場合普通に作業しても30分くらいは楽勝でかかっちゃう雰囲気で

もしバッテリー交換工賃を高く言われてもバイク屋さんを怒らないであげてください。

むしろ3,000円くらいかかってもおかしくない作業です。


次いで傷が入ってしまったとの事で交換依頼のラジエーターカバー。

しかりしたクロームの金属製で驚きましたが

もっと驚いたのは既にメーカー在庫が僅少である事でした。

2016年ってまだ最近な気がするんですが、、


今現在の価格で6,500円弱。

この傷を研磨して再メッキしてたら当然そんな額ではおさまりませんので

新品がでるうちにきっちり交換しておくのが良いですね。


こちらはサクッと交換っと。

いやー、ボルト緩めて締めるだけの作業は楽だ🎶


次はDIYでもよく交換されるバーエンド。

ですがコレもわかってないと超苦労する作業ですね。

既にプラス頭を潰しかけて諦めている様子が伺えますが。


よく、硬く締まったバーエンドを外すのに

ショックドライバーなんかを使って頑張っちゃっていたりしますが

ハッキリ言って無意味です。

きっちりネジロック剤を焼き切ってインパクトで緩めれば一撃です。

工賃1,000円くらでサクッと終わっちゃうんですが

貫通ドライバーやらショックドライバーを買ってバイクを倒すかもしれないリスクを負いつつ

しかもソレじゃキチンと緩まない。

バイク屋さんに頼んだ方がコスパ良いですよバーエンドは。

まぁ敢えて苦労してお金と時間をかけるのもDIYの醍醐味であり

ノウハウも蓄積できるので否定するものではありませんが。


中強度のネジロックを塗布して20Nmで締め付けたら完成。

因みにバーエンドは持ち込みで私の趣味ではありませんが、デイトナの高めのヤツですな。

純正より軽いので振動がどうかは少し気がかりです。

バーエンドは見た目ネジでとまっているだけなので簡単そうですが

見た目以上に面倒なのでバイク屋さんにサクッと交換してもらうのが楽かもです。


それにしてもデカ差がハンパねーw


88XLH鉄仮面は急に不調になっちゃったので原因究明中。

公認書類の作成と並行して今月中には公道テストに入る予定です。

それではさらば!









2024年2月11日日曜日

電圧ドロップからハーネス引き直し。

 みなさまごきげんよう^ ^

さて本日はまた81FXSさんです。

週末に「今日行っていいですか?」との事で

「どこか具合悪いですか?」とお尋ねしましたら

「いやむしろ絶好調です」との事。

よきかなよきかな。

と、思っていましたが道中で突然失火し始めたとの事で

その際メーターの電源が入ったり切れたり、、

こういうトラブルは大抵

①バッテリーターミナルの緩み

②サーキットブレーカーターミナルの緩み

③コイルの電源線の緩みや圧着不良

④点火系電源線の電圧ドロップ

⑤レギュレーターコネクターの接触不良

あたりが相場です。

で、実際にエンジン始動してもらうと

バッテリー端子間電圧が10V、、9V、、と急降下。

スロットルを煽っても電圧上がらず

イグニッションON状態でヘッドライトもメーターも消灯してしまうような状態でした。

まずどう考えても充電されていないのですが、レギュレーターとダイナSは昨年交換されたとの事。

そうなるとステーターが怪しいですが、計測するとステーターは発電している模様。

そうこうしているうちに全くエンジンが始動不能になりまして

そのままお泊まり保育となりました。


ここからは長い長いトラブルシュートです。

バッテリー電圧が激しく降下していく事から、どこかで盛大に漏電しているはずで

とりあえず2ヶ月ほど前に交換されたバッテリーを充電してみます。


ところが一晩充電してもLOWのままで全然充電してくれませんで、、


車体から外してバッテリー単体で充電するときっちりフル充電。

つまり車載状態だと充電が追いつかないくらい漏電しているという事ですね。

ちなみに1ヶ月ほど前にコイルも新品交換されていて

過去に何度もコイルを交換されているとの事で

電装品が次々と短期間で死んでいくという症状。

これは中々根が深そうです。


シート下の配線を全てチェックしていきますが

このように芯線が数本切れていたり


沢山のツギハギ箇所や


被覆剥けに芯線切れ


これはメイン電源線。

繋がっている線は2/3くらいかな?


メインスイッチ平端子のサイズ違いで端子スッポ抜け。


被覆の劣化


見えない所でも銅線の露出や


レギュレーターからのB+配線のショート。

これは思いっきりスパーク起きてました。


ハイテンションコードの端子変形による接触不良に


コイルおよびダイナSへの電源線の不具合と

疑わしき箇所がいくつも発見されましたので


シート下のハーネスを全て引き直す事としまして。

全ての端子はカシメだけでなく半田でしかり固定

ツギハギ箇所はなるべく少なくしつつ

転がしてあった15Aのブレーカーは

メインの30Aを追加してブラケットを製作、分岐はターミナルブロックで

アース線はAWG4のぶっとい線でマフラーアース。


元々がそういう作りになっていないのでスペース的に苦労しましたが、、

ETCも搭載している事を考えるとかなりスッキリしたかと。

フェンダー前にゴチャゴチャしていた配線も、アースケーブルとテールの配線のみになり

これでもう電圧ドロップは解消、レギュレーターも交換してバッチリと思いましたが

どうにもエンジンかからず、、

点火時期も確認、火は飛んでるしキャブもおかしくない。

さらに検証していくとイグニッションをONにすると

電圧が0.1Vずつカウントダウンのように落ちていく事がわかりまして。

これはダイナSが逝っちゃってるっぽいですね。

と、いう事でダイナSも新品に交換しましたらキック1発始動。

結果的にはハーネスの漏電による電圧ドロップとレギュレーター配線のショートで

レギュレーターとダイナSがパンクしたというものでした。

私はカスタムバイクのハーネス製作時には結構気を遣っていて

使用する配線の太さやアースポイント、分岐の方法や被覆処理

後々の拡張性やトラブルシューティングのし易さなども考慮して作業しています。

いやそこまでは必要ねーだろと言えばそうかもしれません。

短期的には適当にハーネス繋いでも大した問題なくバイクは動きます。

一定期間は。

とりあえずバイクを動かすなら点火系に電気行ってればエンジンかかって動いちゃうワケですから。

それが度重なる振動や経年劣化でダメになってくるんですが

そういうところで違いが出てきます。

参考までに私の1号機は、よく壊れると言われているコイルもレギュレーターもステーターコイルもダイナSも

1度も交換する事なく元気に走っています。

バッテリーですら9年間交換していませんでした。

なんかよくわからないけど時々調子悪くなって

この辺のパーツを頻繁に交換されているようであれば

今一度、ハーネス自体を見直してみてください。

安くはないですが補機類の寿命は圧倒的に長くなりますので

長いスパンで見ればバランスシートは差し引きプラスになりますよ。


ついでに(私はついでという言葉が大嫌いですが)シフトノブ交換にあたり

ネジ山が全然違うので新しいスレッドをシフターに溶接して作業完了です。

※本来のご依頼作業はコレでした


試乗チェックして失火もせず各電装品の動作を確認してお渡しです。

ミッションオイルだだ漏れ修理からのNSG組み込みからの各部修理と

随分と時間と費用がかかってきましたが

さすがにもう悪くところは無くなったかなと。

オーナー自身によるセッティングも完成の域に達しているので

あとはひたすら楽しく乗ってもらいたいですね。


ではの!