2023年12月4日月曜日

マグナの足回りメンテ。

 みなさまごきげんよう🎶

さて前回↓の続きでマグナです。

http://radjalopy.blogspot.com/2023/12/v-twin.html

発注していたパーツがドカドカ届いたので作業スタート。

まずは前後タイヤが邪魔なので(笑

大物から片付けていきたいと思います。


フォークオイルこそ漏れていませんがダストシールがボロボロ。

とりあえずコレは新品交換します。

コストの問題もありますので、あと6,000kmほど乗ってもらって

その際にシール関係も交換って感じでいこうかと。


長期不動車はとにかくインナーチューブが錆びるんですよね。

ちょっとした飛び石傷なんかがあったりすると特に酷く錆びます。

欲を言えばインナーチューブ交換なんですがコス(以下略

何とか頑張ってみましょう。


ブレーキは案の定死亡。

車検毎に清掃してればずっと綺麗な状態を保てるんですけどね。

車検が無いってのは強制的に点検される機会が無いって事ですので

250cc以下のバイクはホント気をつけましょう。


パッドが減った状態での放置=ダストがこびり付いたキャリパーピストンが沢山出っ放し。

ヘタにピストン戻すとキャリパーシール死亡です。

長期不動車を触る時はパワープレー禁物。

優しく、やんわりと手を入れていかないと要らぬ所が壊れますよ。

何でもガツガツ新品に交換!

なんて事してたら凄くコスト高になっちゃいますからね。


私の優しさが通じたのか、素手で触れるレベルに復活。

パッドはデイトナのゴールデンパッドχで。

まぁハードブレーキングが連続するようなヘビー級の使い方でない限り

ローターに優しくコントローラブルで非常に良いパッドです。

赤パッドは嫌いですけどね。金は良いですよ。


キャリパーの綺麗さである程度メンテ頻度が読み取れるんですよね。

中古車見る時はこういう所ですよ。


フルードの劣化具合も中々、、

車検が無いってのは(以下略

スカッとフルード全抜き交換です。


お次はタイヤ 。

漏れてはいませんが間違いなくそのうち漏れるエアバルブを交換しつつ


タイヤはD404に交換。

いやー、ホイールが綺麗ですねぇ。

磨きましたからねぇ。。


ダストシールを交換してインナーチューブも狂ったように磨きました。

アウターチューブやアンダーブラケットも磨きました。


とにかくバラす度にひたすら磨いていきます。

作業工数って新車状態で決めてますから磨きとか清掃の時間は入ってないんですよ。

だから手を入れる人間によっては最低限の清掃しかしない。

だって磨きに2時間かかりましたつって2時間分の時間工賃請求できないですからね。

でも綺麗にしておくと次に自分が触るときに楽ですし

何よりもオーナー様に喜んでもらえる。

この2点でペイすると私は思っています。


フェンダーやヘッドライトも磨いたので見違えるようなフロントまわりになりました。

かなりバリッとしたのが写真でもおわかりいただけるかと。


お次はリアタイヤ交換ですが、こちらも磨き作業。

エンケイ製のこのホイール、虹色に光っている事からも判りますがダイヤモンドカット。

ですから乱暴な磨きを行うと輝きを失いますし

酷い腐食を伴うと綺麗な修復は不可能です。

いや、可能ですがコストが結構かかります。


幸いな事に酷い腐食は無く、非常に綺麗な状態に持っていけたかと。

たかがホイールですが、開発の意図とか製造における工法なんかを知っていると

粗末に扱いたくないというか愛しさが増すというか

そういうのも所有感に繋がると思いますし

自身のバイクがどういうモノなのか

そういう事を知っていると何も考えていない人より幸せになれます。


フロントと同じくD404に交換完了。

もちろんですがホイールベアリングもチェック、まだまだ大丈夫です。


んでとにかく放置期間中に錆が出たメッキ類が曲者で

何か疲れた感を醸し出しまくるので


可能な限り錆を落として磨いていきます。

どうしても新品みたいにはならないんですけどね、、

愛情表現と言うか。

チェーンはとりあえずこのまま調整と注油のみにして時期が来たら交換かなと。


マグナの特徴のひとつである攻めた形状のマフラーは

ダブルショットガンマフラーと名付けられています。

ショートマフラーとしたのはライダーに積極的に排気音を聴かせるという意図があります。

排気音のチューニングは現行車では当たり前に行われていて

心地よいサウンドとエンジンフィールを伴いつつ規制にも対応させるという

非常に手間とコストがかかったマフラーが与えられています。

特に250の2気筒なんて枝みたいに細いエキパイなワケで

限りあるトルクを絞り出して頑張ってるんですよ。

私個人としては400ccまでの国産クルーザーは

しょうもないドラッグパイプでサイレンサーを抜いたモンキーみたいな

ポコポコサウンドを奏でて去勢を張るより

高級な排気システムで良い音させながらトルクで走らせるのがお勧めです。

と、まぁ嫌われ者的な事を言ってますが

ウチに来る人たちはその辺よくわかっていらっしゃいますし

SNSのフォロワーが減ろうが知ったこっちゃねーw

ってなノリで言いたい事言わせていただきますポイズン。

ってなワケで次回はキャブまわりの作業をブチかましていきたいと思います。


ではさらば!











2023年12月3日日曜日

V-TWINマグナ。

みなさまごきげんよう( ´∀`)

12月でございますな。

現時点で年内お預かり予定車両受付終了です。

ご予約は承りますが、お預かりは年明けになりますのでご承知おきください。

尚、レスキューやレッカー での緊急入庫はこの限りではありません。


で、今回のお預かりはMC29つまりV-TWINマグナです。

最近ウチで流行りの長期不動車起こしですね。

納屋に居たようでかなり埃っぽいですが、、

あとシッシーバーが逆向きですが、、

走行14,000kmで変な改造も無く、芯はしっかりしてそうですね。

車体番号からして2005年式、AIが付いた最終型です。


14,000kmの間オイル交換以外のメンテは受けていない様子です。

新車時のままのタイヤは摩耗限度でひび割れだらけです。

ダストの積層具合からブレーキ関係もノーメンテでしょう。


VT250からの名機MC15Eエンジン。

ご自慢のクロームはかなり燻んでしまってます。

まぁエンジンとしては超頑丈なので基本メンテで調子は取り戻すでしょう。

キャブやったけど坂道登らなかったとの事ですので

キャブはOHして同調とってあげます。


スプロケはOK、チェーンが微妙かなぁ。

この燻んだディッシュホイール。

実はバランスウェイトが貼れない事からボツになりかけたところ

デザイン的に絶対譲れず、バランスウェイトが要らない超高精度なホイールを製造するという

情熱もコストもかかった凄いホイールです。

さすがエンケイだなぁ。


自賠責が平成31年で切れているので、少なくとも6年は動いてません。

小学校入学から卒業までの期間です。


リアタイヤも中々、、、


水冷なので水回りがとにかく心配です。

冷却経路は洗浄必須ですね。


インナーチューブはちょっと見過ごせないサビが。

何とか磨いて綺麗にしたいところですね。


とりあえずシッシーバーの向きを直して(笑

装着されていなかったパーツを装着して鬼洗車をかましました。

おおー!正直当時は眼中無かったんですが

マグナってカッコいいじゃねーか!

最近よく入庫してくる90年代半ばの

つまりストリートバイクブームのあの頃の車両達。

改めてよく見ると、どれも良いんですよね。

今こういうのにサラッと乗ってるのはオシャレだと思います。

もう純正状態維持している車両も少ないですしね。

大事に乗ってもらえるようメンテナンスしていきましょう。

では次回に続く!





2023年11月30日木曜日

XL883とXL883R。

 みまさまごきげんよす。

まぁスッカリ寒くなっちゃって全然ゴキゲンじゃないんですが。

あんましゴキゲンじゃないと言えば2年に一回の車検もですね。

ユーザー車検で通したりディーラー車検だったり民間だったり

選択肢は色々ですが、

そんな色々な中からウチごときにご依頼いただきありがとうございます。


2年前に構造変更したXL883。

途中でオイル交換とタイヤ交換を挟んで今回継続検査です。

ユーザー車検にチャレンジされたのですが、前検だったせいか不合格。

限定自動車検査証と共に入庫です。

指摘された不合格箇所を修正しつつ各部点検。


プラグのターミナルが随分と錆びていました。


ちとメイン薄いですね。

プラグは交換っと。


ブレーキフルードは走行距離少なくても毎年交換しても良いくらいです。


DOT5は紫色なので変化がわかりやすいですね。

と、いうかDOT5のブレーキフルードが物凄く高くなっています。


今まで点検交換費用にフルード代を含めていましたが

今後はフルード代別途ご請求になりますのでご承知おきくださいませ。


公認取得時に寸法も記載して通っていたウインカーの幅がバツ。

バツにされちゃうともう直すしかありません。


その他諸々、直すとこは直し交換するとこは交換し

エンジンオイル、プライマリーオイルとエレメント交換して

サクッと検査通してお渡しでした。


んで郵政点検の15台前後タイヤ交換と点検整備をこなしつつ

4年ぶりお車検の06XL883R。

前回車検は「通すだけ車検」を受けられたそうですが、ちょっと調子悪いですね。


年間走行距離1,000kmほどの車両ですが、4年4,000kmでフルードはこんな色になります。


ちなみに自身の車両はブレーキ酷使する事もあってフルード毎年交換しております。


DOT5もDOT4も劣化してくると黄色、茶色と色が変わります。

ちなみにマスターが傷んでいると黒っぽく汚れてきますです。


ブリーダープラグの状態悪し、、


キャリパーも洗浄してコンディション維持に努めます。

ダストは少なめでピストンも比較的綺麗ですが、、


キャリパーひとつから4年分でこれだけの汚れが出てきます。


キャブはバックファイヤーがかなり激しく、クシャミなんてレベルではありません。

以前のオーバーホールが6年前ですので、良い頃合いです。


マニホールド シールとキャブの内部パーツは全て交換。

特に忘れられがちな加速ポンプまわり、CVではココかなり重要です。


きっちりオーバーホールしたのに何だか変だと思って観察していると

燃料コックがエンジンと干渉した痕跡が、、

この車両、コイルと純正メーターがサイドマウントされているのですが

それらが邪魔でコックレバーが操作できず

コックを回転させて逃げてあったのですが。

ラバーマウントのエンジンが激しく揺れてコックに当たるようになっちゃってます。


その結果コックの組み立てビスがユルユルに、、

負圧コックだからココから2次エアー吸ってるんじゃないかと推測しまして。


全てのビスを締め直したら調子が戻りました。

元々純正メーターやコイルのサイドマウント嫌いなんですが

やっぱ改悪やな。


↑は修理前のキャブの様子です。

で、こんな調子のキャブでも車検通っちゃうんですよ。

つまりよっぽどのポンコツでない限りは車検くらいどうとでもなっちゃうんです。

検査項目はあくまで定められた基準値や保安基準に適合しているかであって

調子の良し悪しを検査しているわけではありませんので。


こちらはオーバーホール後のご様子。

全然違いますね🎶

そしてメーターとコイルの位置を元に戻してほしいと追加のご依頼を頂きまして。


まずメーターですが、883Rは本来板モノのメーターマウントですが

XL883Nのライザークランプ一体型としてちょっと質感アップしてみました。

リンクル塗装が美しいっす。


当然ですが視認性もバッチリ。

純正メーターはコレが1番スマートだと思います。

48mmメーターはフォーククランプがスッキリしてて視認性良くてオススメですよ。

もうひとつ、サイドに純正メーターやコイルを持ってくると

キャブの後ろ側に配線がトグロを巻くので

曲がり方や熱的にもあんまりよろしくねーです。


個人的にはこちらサイドがスッキリしていてエンジンがよく見えるのが好きです。

こちら側に移設されていたキーシリンダーも元の右側に戻しましたので、

クラッチ握ったままエンジン切ったり普通に便利になりました。

トラブル時だけでなくニュートラルに上手く入れられない時なんか

右にメインスイッチがあると助かりますよね。

コイルも元の位置ですが、ラバスポの場合よっぽど外装をスッキリさせない限りは

スッキリ感よりギッシリ感を重視した方がまとまり良いかと。


エンジンオイルとエレメント、プライマリーオイルと

定番のオイルドレンホース交換して絶好調を確認したらお渡しです。

2年に一度の車検ですが、形式上の検査というよりは

コンディションの確認の機会ですので悪いもんではないですね。

そんなわけでさらば!