2021年7月29日木曜日

サベトルーパー


 みなさまごきげんよう( ´∀`)

イヤー暑いっす。

最近の作業場の気温は大体39.5度をマークしてまして

仕事自体が軽くエクササイズです。


そんな事はさておき、サベトルーパー。

とっくに完成してるんじゃねぇの?という話ですが

オーナー様の別な所有車両との車検時期をズラすという目的で車検を受けておらず

この度無事に改造車検をクリアしまして。


それにしても遅れが出ているのは弁解の余地もなく

いざ車検となった際に

ベルト駆動からチェーン化した事をすっかり忘れていまして


そのままシレッと車検受けても博打になりますし

今後の事も考えて一旦継続検査をキャンセルしまして


改めて動力伝達方式の変更に伴う書類を作成して改造車検を受けまして

晴れて公認車両として公道デビューする事ができました。

珍しい車両な事もあって四苦八苦しつつ1ヶ月以上かかってしまいましたが

サベージのチェーン化公認については確かなノウハウが蓄積できまして。

まぁそうそう行う作業では無いので今後あるかはわかりませんけどね( ´∀`)


当然、改造車検では新規登録と同じく重量を計測しますが

私はこれが密かな楽しみでして。

如何に軽量化できたかが実測でわかるチャンスですから楽しいです。


ノーマルのサベージ650はカタログ値で172kg(前74後98)ですが

サベトルーパーは前軸60の後軸90で150kg。

純正サイレンサーの重さを考えると150kg切りで

22kgの軽量化になりました( ´∀`)


150kgという重さは他のバイクで言うとNSR250(MC21)とほぼ同じで

そこに650ccのビッグシングルを積んで、S&SのEキャブ燃料をうつわけですから

いやはやHot Rodです。

私は改造時に如何に軽く造るかを非常に重要視しています。

軽量化は動力性能だけでなく操作性、特にブレーキングにはかなり効きますからね。


ディメンションとしては当然リア荷重なのでケツからクルクル回りまして

ハンドリングも素晴らしいです。


トルクフルな650ccエンジンは意外にもスムーズで

1号機のような暴力的な振る舞いはありませんが、回せば回しただけトルクが出て

そりゃ2019年までアメリカで売られてたワケだと納得できます。

減速比をいじってる関係で5速は本当のオーバートップで

4速と3速をメインに走り回る感じですね。


大幅に作り直しているけど純正然とした構成なので

サベージオーナーにしかわからないw


オイル漏れしていた腰上はバラして組み直しましたが

まさかカムシャフトが割れているとは思いませんでしたね。

カムシャフトが36,000円もするのにはビビりましたがw


ヘッドカバーはテンプター用のフィンドカバー。

徹底的にアライメントを出して最小限の加工でオートデコンプを取り出しています。


サベージ650はデコンプをタイマーとソレノイドで行うので

コントロールユニットやタイマーは全て電装ボックスにビルトイン。


普通にくっついているサイドカバーもセクショニングしてフレームの傾斜に合わせ

電装類は全てシート下にまとめる事で

フレームにのたうつ配線を極力減らしたメインハーネスレス仕様。


ちょっと埃かぶっちゃってますが

純正風バッテリーケースも新造した物です。

スターターボタンはシート下。


ものすごい幅広なスイングアームは

もう一つスイングアームを買ってきて2コイチする事で極限までナロード。

この楕円断面のスイングアームはサベージのアイデンティティですから

安易に丸パイプや角パイプ化するのは勿体ないですね。


フロントは19インチで星キャスト。

ローターを探すのがホント大変でした。

フォークはヤマハ35に秘密のインナーを組んでロング化。


ブレーキは初期SRのものでパッドはSBS。

タイヤはダンロップのF24。


リアは16インチのドラムブレーキ仕様な星キャストで、パネルはサベージ。

タイヤはK327で細身大径にしてヒラヒラ感。シューはベスラですね。

もうこんな純正流用の嵐になると消耗品も何頼んで良いかわからなくなるので

ちゃんと記録しておかないと後で困りますw


キャブは当初ケーヒンバタフライでしたが

ジェットの選択肢が無さすぎて諦めまして。

予定を変更してS&SのスーパーEに。

お陰でクリアランスがよりギリギリになりまして。

ホントにギリギリですw


メーターはおなじみのコレで、ちゃんとラバーマウントなので全く揺れません。

サベージはミッションからメーターをドライブしているので

減速比やリアホイールを変えると辻褄合わせが困難ですが

電気式にする事で如何なるタイヤサイズでも減速比でも

極めて正確な速度と距離を表示できるようになっています。


サイレンサーはジャマーの当時物テーパードで

サムライチョップショップさんに譲ってもらいました( ´ ▽ ` )

コレがまた歯切れの良いイイ音するんですよ。


サイドスタンドは猫脚(*´∀`*)


裏側には爪まで彫ったんですが、メッキの際のバフで消えちゃいました。

こちらの猫脚はオーナー様の愛猫の左手(で、いいのかな)をイメージして彫りました。

名づけてトロ脚です。

ちなみにスタンドは純正のステッププレートからだとものすごく長くなるのと

全くスマートじゃないので位置変更してSTEED400のものを装着しています。


ヘッドライトはエレクトロラインレプリカ。

しかしコイツのビビり音がかなり気になるというか唯一の異音で気持ち悪いので

後ほど対策します。


グリップはおなじみ神戸グリップ。

ハンドルスイッチはホンダ純正。


テールとウインカー、ブレーキは一体型。

もちろん車検対応策です。


フロントの小さなウインカーも車検対応策です。


もういろんな事やり過ぎてて言葉では言い表せませんが。


これからもっと走り込んで完成の域に達してから納車させて頂きます。


日本ではあまり売れなかったサベージですが世界的に見ればロングセラーの名車です。

見た目地味ですが、あらゆる面でここまでやってるサベージはまず居ないと思います。

自分で言うのもナンですが、良いバイクになりました。

反面、時間をかけ過ぎたのも揺るぎない事実です。

オーダーフルカスタムをもうやらないと決めたのもその為なのですが

次も誰かに愛してもらえるフルカスタム車両を製作しようと思っておりますので

適当にご期待ください( ´∀`)

それではひとまずさらばだ!





2021年7月13日火曜日

フェンダーの固定と厚み。

 

みなさまごきげんよう( ´∀`)


81FXSフェンダーを固定していきます。

元は所謂ワンオフという手法でボブフェンダーが装着されていましたが

ペラペラのステーでフェンダーのセンターにM6ビス2本と、オイルタンク底に

同じくM6ビス1本の3点固定というかブラ下がっていまして

そんな固定方法では振動の多いショベルというかオートバイには適さないので

新しい(錆びてますがね)フェンダーをしっかり固定していきます。


こういったブラケット類は最低でも6mmは厚みのある部材で固定すべきです。

如何にフェンダーの外板に振動を与えないかを考慮して、まずブラケットを頑強に。

フェンダー側も6mm厚のステーと肉厚のボスを溶接しまして。

フェンダーは厚みが0.8mmしかないので板厚の異なる部材同士の溶接で

そうなると溶接際からのクラックが心配されるので捨てビードを引いておきまして

固定する方向も上下で向きを変えて

上側はブラケットから吊り、下側はせん断応力をボルトで受ける向きにして

各々違った方向からフェンダーを受け止めるようにしておきます。

ボルトはナンバーの固定ビスwに替えて5/16の細目ボルトを使用します。

フェンダーの板厚が薄いのは悪い事ではなく、軽量になるので

振動対策としてはむしろ有利なのですが

溶接がちょっと難しいのと、固定方法を誤るとフェンダー側が割れてしまうので

ペラいフェンダーを使う際はちょっと注意が必要です。

ちなみに、こういった社外品のフェンダーの厚さ表示は

折り返し部分とかの最も厚い部分での寸法だったりして

特にプレス整形の必要がある造形のフェンダーは薄板な事が多いです。

その点、フラットフェンダーは形状が単純なので1.6mmくらいの厚さのものが多く

加工性も良いのでそりゃ好まれますよね。


で、ペラペラで軽量なのは良い事ですが、切断面も当然ペラペラで

まず見た目がペラペラです。

あと、バイクを拭いたりする際にエッジが立っているとウエスが引っかかったり

手を怪我したりしてしまいます。

さらに、あってはならないのですがフェンダーを落っことしたりした場合

端部が鋭利だとそのまま刃物になってしまって危険です。

タイヤを切ってしまったり、当たった相手に重大なダメージを与えてしまいます。

オートバイで転倒時に手脚を切断っていうのはよく聞く話ですが

ガードレールのエッジで腕や脚なんて簡単に切断されちゃうんですよ。

これは他の外装部品、特にシッシーバーなんかも同じで

シッシーバーの角が立っていたりすると

転倒時はバイクが手裏剣と化して襲い掛かってきます。

自動車のバンパーが樹脂とリーインフォースメントという構成になったのもその為で

その昔鉄バンパーのランクル40に斜めに突っ込まれた乗用車は

バンパーでドアが突き破られて貫通していました。

危険な乗り物だからこそ、そういうことまで考えておく必要があるんです。

世の中バイクで死ねれば本望という人も居ると思いますが

私はバイクで死にたくないし、誰かを怪我させたくないと考えています。

真面目かよ!

って?

うん、真面目に超生きたいっす( ´∀`)

そいで何をしているかと言うと、0.8mmしかない鋭利なエッジを

4.0mmまで厚みを増やすべく溶接しております。


溶接が終わったら手ヤスリでエッジを丸く整形していきまして。

手前のペラペラと比べるとかなり質感が違うと思います。

いや、違いますw


こういう処理をする手法はいくつもあって

エッジを折り返したりビードを盛っていったり別部材を溶接したりと色々ですが

今回は費用をおさえるべくパテを使いたくないので

無垢材をエッジに溶接して削ってフルメタルワークで整形しています。

パテってアラ隠しのお気軽な手段に思われがちですが

実はすごくコストがかかるんですよ余談ですが。


写真ですとペラペラ感が無くなったのはわかりにくいかもしれませんが。

当然、縁が4.0mmになっていますのでペラペラのフェンダーも補強されています。

ただし、前後に関しては泥や水が溜まるので解放にしています。


私の嗜好をよくご存知の方にとっては随分エンドを上げたよねと思われるかもしれませんが

重量級のオーナーが跨るにはこのくらいのクリアランスが必要なのと


ボブフェンダーのココにITテールを入れたかったからです( ´∀`)

ITテールは軽いので振動対策としてもバッチリですし

私の中でFXってボブフェンダーでこの位置にテールっていうのがあってですね。

今回折角ベースがFXなので、この位置関係でいきたかったんです。

こういう跳ね上がったテールの下にランプっていう構成は

初めてZ1とか750RSを見た時のあのカッコ良さがベースにあるのは私だけでないはずです

え?違うの?

まぁ何にせよワンオフはせずに低コストでいくと言った舌が乾かぬままにやっておりますが

どうせチョッパーを造るならカッコいい方がイイだろ?理論で

作業を進めていきたいと思います。

いや、進めていきます。


ではひとまずさらば!





2021年7月7日水曜日

こだわり。

 みなさまごきげんよう。

雨続きで全然走れないのはアレですが、お仕事集中モードです。


さて81年のFXSですが公道復帰に向けて作業を。

固定されていないミッションを固定しまして。

ミッションプレートの前側、そしてサイドの固定ボルトも無く。

サイドはともかくミッションプレートのボルトは緩んでもそうそう落ちる物では無いのですが

後ろ側のボルトもスプリングワッシャーの破断、ボルト緩みが見られましたので

ボルトやワッシャーを交換してきちんと締め付けておきます。


ダルンダルンだったベルトをアライメント出しながら張りまして

ベルトに接触していたキックスタンドも手直し。

要らんところにドングリナットを入れているのでめんどくさい。

そんなトコに拘ってても機能がダメならカッコ悪いですよね。


オイルタンクはスラッジが溜まっているので取り外して洗浄します。

配線も引き直しですねこりゃ。

サーキットブレーカーがメインのみっていうのは不安ですしね。

色んなモノが邪魔でバッテリーすら取り出せないので、それも対策しましょう。


フィッシュテールが被せてあっただけのマフラーはトランペットに交換して

サイレンサーを入れられるように。

車検の事もありますが、住宅地でエンジンをかけられるように。

エキパイはカチ上げになっていますが、エキパイを加工する作業を省いて

左出し用のサイレンサーを逆向きに装着して角度調整です。

付属のクランプは頼りないのできちんとした物に交換。

今回は費用をおさえるべく、なるたけボルトオンの部品を使って

作り物を減らす作戦です。


フレームにステーで固定されていたキーシリンダーはこっちに移設します。

ちなみに私は走りながらオフできる右側にキーシリンダーを配置する派です( ´∀`)

それにしても溶接されているステーがポロポロ取れるのは如何なものでしょうかね。


そして外装もちょこっと変更しまして。

シートは中古のラペラに、フェンダーは錆びていますが新品ストックしていたコレを。

塗装はブラックにして落ち着いた単車にします。

オーナーの年齢的にも、周囲の反応的にも外装は大事です。

特に理解者であって頂きたいご家族には好印象を与えておきたいですからね( ´∀`)


ヘッドライトも普通のヤツでステーも普通のヤツ。

明るい5.5インチです。

うーんハンドル変えたいなぁ。。

ところでこのハンドル、配線を中通ししてあるんですが

ブレーキの油圧スイッチの配線がマスターから伸びてるんですよね。

配線中通しするならこの線も無くさないと意味無いと思うんですが。

要らん事言うなって?

だってそう思うんだもん( ´∀`)


んでリアショックは11インチにしてリアの車高下げてこんな感じで。

折角のサス付きなので機能は生かして、干渉の無いように色々計算しとるわけですね。

今回はボルトオンパーツや中古品を活用していますが

最優先事項はきちんと走れる事、そしてカッコ良い事です。

費用をおさえつつカッコ良くするには要らんこだわりを捨てる事と

カネを突っ込む部分にはきちんと突っ込む事が大事です。

いくらステーやブラケットや小物におカネかけてこだわっても

パッと見てバイクがカッコ悪ければ意味無いですしね( ´∀`)


ではさらば!