2023年1月28日土曜日

ドラッグスター400クラシック整備と大雪。

 みなさまごきげんよう。

最強寒波なんてただの脅しだぜと思っていましたが

マジでしたね。

道路交通含めたライフラインの麻痺っぷりを目の当たりにすると、

やはりしっかり脅しとく必要があるんだよなと。


私は必要以上にビビりなので、逆にアクシデント時にあまり困らなかったりします。

ほらヤッパリね、、っていう具合ですね。

車に関して言えば仕事柄常に工具やラダーは積んでいますし

ジャッキ当て用の角材や牽引ロープ、シャックルやブースターケーブルは常備しています。


特にラダーとスコップには助けられる事が多くて

スタック時にはタイヤの下を掘り下げてラダーを挿入すればトラクションかかりますし

脱輪時もジャッキアップしてラダーを側溝に渡せば地面が復活します。

んなデカいモン積めるか!って人は

それぞれ折り畳み式で嵩張らないブツもあります。

高価なアウトドアグッズよりは全然安価ですしね。

アウトドアブームの昨今だからこそです。

まぁ大規模な状況では自分だけ助かっても仕方ないんですが( ´∀`)

要は嫌な状況になる事を前提にしつつ

嫌な目にあったら都度対策をしておくと良いって事ですね。

まぁ逆に言うと私はこれまでどんだけ嫌な目にあってきたんだって話ですがw


さてこちらはお車検でお預かりのドラッグスター400クラシック。

メインは車検ですが年末に走り納めしようとエンジン始動したところ

燃料漏れで走り納めが叶わなかったという不具合があるので

こちらを修理していきます。


ドラッグスター400はタンク下にダウンドラフトのキャブを2機据えているので

ココがばっちくなっている事が多いですが

このように綺麗だと作業性が抜群に良く

不具合も見つけやすいです。


そして燃料漏れはオーバーフローではなく

リアバンクのフロートチャンバーガスケットから。

いやまぁ燃料が溢れているので厳密にはオーバーフローなんですが。。


サクサクとキャブを外して燃料を通しながら検分していきまして。

フロートチャンバーガスケットは硬化と痩せが見られるので交換するとして

以前に清掃しているはずなのに細かいゴミが流入していまして

ニードルバルブシートまわりからも若干滲みがみられましたので

消耗品関係を交換していきます。


タイミング的に大雪の影響をモロに受けてしまいました。

それでも1日遅れでちゃんと届くんだから凄いです。


このようにニードルバルブシートが別部品になっているのは親切ですが

ニードルバルブが正常でも

Oリングの劣化でジワジワと縁からオーバーフローするので注意は必要です。

あとはいつまで部品が供給されるかですよね。


さらに燃料フィルターとそのハンガー、燃料配管も交換しておきます。

このように車種別に曲がったホースは

通常のストレートな物に置き換える際にはかなり長さをとって折れ曲がりのRを稼がないと

ホースが折れて燃料が供給されない事態に陥ります。

ので、専用品が手に入る間はザクザク交換しておくのが良いです。

つまり

納車時に全部交換しておけばこういった不具合は無かったわけで

ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。


組み上げたら同調とってキャブ調整すれば作業完了です。

ちょこちょこあるんですが、「キャブが調子悪いんですが車検通りますかね?

というご質問。

基本、調子悪かったら通りません( ´∀`)

そもそもそんなんじゃ乗ってて楽しくなくないですか?

確かに、キャブまわりそれもマルチエンジンなんかだと

修理にも調整にもお金もかかりますが

個人的にはキャブをバシッとキメてある状態の気持ちよさは

代金を支払う価値が十分にあると思います。

この調律された回り方ってわかる人はすぐわかるんですよね。

逆にわからない人には全くわからないので

ぜひ実体験してもらいたいです。

そういう事を知っているかどうかっていうのはインスタではバエません

ライディングでは猛烈にバエます

足回りも同様です。

まぁイチ改造屋ごときがナニを言ってるんだって話ですが( ´∀`)


んでもってエンジンオイルも交換。

MOTUL 7100の10W-40です。

最初はハーレーとか油冷に最適って事で20W-50を在庫していましたが

最近国産車も多いので10W-40も常時在庫しています。

高回転ブン回してオイルに熱を入れまくる人はもちろんですが

年間走行距離が少ない人にとっても油膜保持性能が高いので

ドライスタート対策にもよろしいですよ。

あと色が綺麗な赤色なのと良い匂いがするのでプラシーボ効果も高いです。

何だそりゃw


あとは各部点検して検査の予約を入れるとします。

走り納めできなかった分

気持ちよく走り初めできるようにしてお渡ししたいと思います。


ではさらば!











2023年1月24日火曜日

フェンダーブラケット製作中。

 みなさまごきげんよう。

大寒波とやらが襲ってきますね。

しかし毎度毎度10年に一度とか最強とか言われていますが

つまり年々パワーアップしてるんですかね。

注意喚起としては良いかもしれませんけどね。


さて作業は84ショベリジでフェンダーマウントを製作していきます。


元々のボブフェンダーに対して


Rも断面形状も深さも違うリブフェンダーへの換装ですが

それゆえにマウントタブは位置から角度から何から何まで全然違いまして。

通常、フェンダーに合わせてフレーム側にマウントタブを設けるのが

位置決めも楽で作業性も良いのですが

今回の車両はパールホワイトというタッチアップが困難な塗色なうえに

パテも入っていますし職権打刻も同じメンバー上にあるので

これらを温存したままにして

フレームありきでフェンダーに合わせていく事としまして。


車体とフェンダーの隙間と角度を変換するブラケットを製作。


元のボブフェンダーの形状から上下同寸とはいきませんので

フェンダーの位置を決めたら後は空中戦です。


下側は通常フレームの中心にタブがあって1点留めが多いのですが

こちらの車両はその位置にミッションマウントからタンデムステップを出してあるので

オイルタンク裏から固定する事にして


このような感じで隙間埋めブラケットのベースが完成しまして。

しかしこのままでは上下バラバラのブラケットを

それぞれの隙間に入れていく形になり、フェンダーの脱着が面倒になるのと

フェンダーに固定用の穴を開けるにもまた空中戦になるので

上下のブラケットを連結して一つの部材として完成させていきます。

そうしておけばフェンダー脱着はフレーム側のボルトを緩めるだけで可能になりますし

後にフェンダー交換する際にも有利です。

まぁ飽きの来ないように製作するのでそうそうフェンダー交換は無いと思いますが

こういったワンオフカスタム車の場合

何かひとつを変えようとすると全て変わってしまう場合が殆どです。

元の車両の何を尊重して何を削ぎ落とし、何を変えていくか

こういった事を考えるのも私自身は大好きです。

いや、でも本当に四六時中色々考えに考え抜いてやり方を決めているので

そういう事がチャチャッと出来るセンスがあれば良いのですが

私はそういうセンスが希薄なので

いかんせん時間がかかってしまい申し訳ございません的な気分ではあります( ´ ▽ ` )


ってなワケで他の作業とも並行しながら進めていきますので

今しばらくお待ちくださいませ。


ではさらばです。



2023年1月21日土曜日

ドラッグスター400とクルーザーというカテゴリー。

 みなさまご機嫌麗しゅう。

なんか暖かくなってきた?と思ったら寒波襲来ですよ。

寒波=不必要に撒かれる塩カル

詰んでます。

まぁ仕事に集中しろって事なのですが

ウチはハーレー以外ではヤマハの入庫率が比較的高めです。


スズキとカワサキどーした


で、車検でお預かりのドラッグスター400クラシックと

新入庫のドラッグスター。

2003年式で走行距離12000kmチョイという低走行車なんですが

我ながらよく低走行の素ノーマル車を探してくるもんですホント。

私ドラッグスター400何気に好きなんです。

空冷Vツインですし国内専用車だけあって日本人好みのハンドリングとポジション

あと完成されたスタイルね。

ドラッグスター400の場合、新しくなればなるほど洗練度が増していきます

基本性能は全然変わらないし外観も大して変わってないのですが

最終のインジェクション車だと中古で80超え、場合によっては100超えですよ奥さん。

なので個人的には価格的にも2000年以降の4TRからVH01Jに変わったあたりがオススメです。

それでも20年前のバイクなんですよね既に。


4TRからVH01Jへのモデルチェンジではメーターが電気式になったり

それに伴って燃料計が装備されたりシート表皮が変わったり

ハンドルが変更されたり排ガス規制に対応したり

ディスクローターが変更されたり馬力が1馬力落ちたり

タンク容量が1L減ったりシート高が10mm上がったり

途中からイモビライザーが装着されたりしましたが

1番デカい変更点がヘッドライトなんすよ。


前に飛び出したカスタムちっくなトンガリデザインのシェルに奥目なリム。

ボリューム感とか高級感みたいな感じでの採用なのかもしれませんが

所詮プラッチックの成形物ですからそんなのいらねー!

私ぁヘッドライトはギュッとしてシュッとしてるのが好みです。


なのでヘッドライトのみ4TRのシンプルなヤツに交換しました( ´∀`)

多分誰も気づかないし気にもしない純正流用改ですね。


んで光軸調整しようと思ったら調整ネジが片方全く効いていませんで。

コレはありがちな樹脂ナットの崩壊かと思ったら

既に崩壊済みだったようでフランジナットに入れ替わっており

コイツが共周りしていました。


なので純正部品を取り寄せて普通に調整できるようにしました。

この樹脂ナット、古い車両では2輪4輪関係なく結構破損していて

車検時に困ったりする事があります。

ゴムに次いで樹脂部品も経年劣化が激しいので

部品が出るうちにしっかり交換しておくと良いですよ。


っつーか出目金奥目ライト(もはや意味不明)より断然こっちのがカッケー!

いや誰も気づかんけども。

ちなみにこちらの車両すでにSOLDなのですが

私の独断で勝手に作業しております。

自腹で。


しかしこうして素モデルとクラシックを並べると上手くキャラクター設定したもんだなと。

ハーレーで言うとFXとFLの関係性なんですが

ハーレーの場合FL(ツーリングモデル)があってFX(カスタムモデル)が派生しましたが

ドラッグスターの場合ツーリングモデルであるクラシックの方が派生モデルです。

ヤマハが何に重きを置いていたかがよくわかりますよね。

こういうところがハンドリングのヤマハなんだよなぁ。

ちなみに

ホンダはシャドウ400出してからカスタムモデルとしてスラッシャーを後出ししました。

スズキは倒立フォークをブチ込んだり常に変態路線ですし

カワサキはドラッガー造ってたかと思えばバルカン(ちゃんとクラシックもあった)

で不人気路線まっしぐらでした。

まぁバルカン400はFXWGみたいな雰囲気を醸し出してて良い感じなんですが

それゆえにイミテーション感が大きくなっちゃったんじゃないかと。

400ccガラパゴスクルーザーで売れたのがスティードとその牙城を崩したドラッグスター。

やっぱ基本的にスタイルなんですよね。

そこにハンドリングも加わったからドラッグスターは強かった。


そもそもこのカテゴリーを「アメリカン」って呼んだからいけなかったんですよね。

日本製のアメリカンって一体何やねんw

偽物ちっくな呼び名のせいでユーザーの本物嗜好が削がれちゃった。

クルーザーとして見ればこのカテゴリーは各メーカー個性が出てて面白いんですよ。

おかげさまでこのカテゴリーは現在絶滅危惧種で

モノホンのアメリカンでありクルーザーであるハーレーの方が幅をきかせてる。

何とももったいない事です。

だから私はこのクラスを好きで乗ってる人は好きです。

プアマンズとか妥協案としてじゃなくてこのカテゴリーが確立されていれば

現代の各メーカーのラインナップも変わっていたでしょうね。

ここ数年ずっと売れ続けているレブル250が

最初はロードスポーツを名乗っていたのに今はクルーザーに変わってるわけで

案外とクルーザー需要って高い気がするんですけどねぇ。

と、いう偏見に満ちた考察でございました。



ではさらば!














2023年1月18日水曜日

オフセット分割ライザー進捗。

 みなさまごきげんやす。

てめー単車乗ってねぇでちゃんと仕事しろ!

ってなところですが実際SNSに投稿されるのは24時間のうちのほんの少しであり

その断片のみでその人の生活をこうと決めつけるのは早計でございまして

率直に申しますと意外と仕事しております。

と、言うか定休日も仕事しております。

いや、やってますアピール甚だしいですな。


こちらもものすごくお待たせしておりますオフセット分割ライザーです。

で、何をそんな時間かけてるのかと言うとですね、

オフセットライザーは純正の分割ライザーに対して質量が増えるわけです。

これは致し方ありません。

ただ、重たく見えてしまう言い訳としては不適切です。


質量は増しているのにいかに軽く見せるかというのが

今回の課題であり私のやりたい事なんです。

つまり足した分はしっかり引き算で差し引きプラス、いやマイナスレベルまでいきたい。

ほんと毎回ワガママで申し訳ありません。

溶接しては削り、削っては溶接してを繰り返しまして。

何なら足の部分は一度切り落として全部やり直して

ベースの形が出来上がってきまして。

お次は2型同様に上面を横切るリブの形成ですが

前回はこの部分はパテで整形していました。

しかしそれは足し算じゃないかと大いに悩みまして。


盛るのではなく削り落とす事でディテールを作る事にしまして。

ひたすら手ヤスリにてリブを形成していきまして。


どんどん丸い部分が無くなっていきますです。

こういう作業はホント手ヤスリが強いですね。

ストロークのひとつひとつが愛おしいと言うか

モノを作っている感が非常に高まると言うか

自分の何かをすり減らして

それを部品に注入していくような気分です。


そしてまた溶接肉盛りが続く。

最終仕上げはパテワークの予定ですが、ごく薄くなるはずです。


この2型から4年、最初の原型から数えれば7年。

2型は完成形だと思っていました。

でもやり直す機会がある以上は前を向きたい。

今まで自分が立ち止まっていたんじゃなく、前に進んできたのだと

どうしても証明したい。

ご期待ください。


それでは。




2023年1月17日火曜日

スベる話。

 みなさまごきげんよう( ´∀`)

今年は暖冬ですかね、雪が非常に少なくて何だか峠も走れそうな雰囲気です。


アシが全然決まっていないXB9Rですが、とりあえずの調整を行ったので

いつものコースへ出向いてみましたが、、

雪こそ無いものの大量の塩カル(塩化カルシウム)散布によって

全くダメでした( ´∀`)


まぁサスは大体セッティング出来たので、塩カルが無くなってから

フォークもちゃんとオーバーホールして最終セッティングするとします。

で、この凍結防止剤あるいは融氷剤である塩カルは、当然スベらない為のものですが

コイツがその能力を遺憾なく発揮した状態というのは結構スベるものです。


さて皆さんはこの3つのマルで囲んだポイントのうち

何処がいちばんスベるかおわかりでしょうか?


黄色○は、粒状のままの塩カルが思いっきりぶち撒けられている塩ゾーン。
交差点や停止線前、コーナー外側によく見られます。


赤○は、砕かれた塩カルがアスファルトに散った、ドライだけど真っ白な状態。
塩カルが撒かれた路面で雨でなければ基本コレです。


青○は、雨も降ってねぇのになぜか濡れていて黒々としている状態。
周りが白いのでパッと見、普通の黒いアスファルトと変わらないように見えます。


で、勿体ぶらずに言いますれば青○が一番スベります。

黄色○はモロに粒子状の物質があるので目に見えてスベりそうですが

塩カルはタイヤで潰されて粉々になりますので、塩を踏んだ程度。

その粉々になった塩カルが満遍なく散らかったのが赤○です。

双方とも本来の路面に対して粒状のものが表面を覆っているので

当然スベります。

問題の青○はですね、空気中の水分であるとか結露だとか雪溶け水だとかで

塩カルと水分が反応している部分です。

この塩カルというヤツは水分と強烈に結びつくのですが

迷惑な事にその結果としてヌメるんです。


ゴム底の靴でこの路面を擦ってみるとよくわかるんですが

凍結していなくて塩カルが撒かれた状態の路面が黒々と湿っていると

確実に通常路面よりスベります。

特に二輪は左右にバンクしますし荷重移動も多いですから

進入のブレーキングでも立ち上がりのスロットルオンでも

この湿りヌメり塩カルによる路面低μ化の影響をモロに受けます。

温度依存性の低いスポルテックM7の性能をもってしてもスベります。

いやいや、そんなスベるんじゃ塩カル意味ないやん

ってトコですが、路面凍結時のμの方が圧倒的に低いので

ツルッツルよりツルツルの方がマシでしょうってなノリです。

で、そもそも論ですが

塩カルが撒かれている道路でも

調子に乗らなければそうそうスベらないってな話で

南国から来られたツーリングライダーの皆様におかれましては

塩カルの気配を感じたらとにかくスピードもバンク角も控えめに

要は普通に、いや普通以上に安全運転して頂けますれば

足元をすくわれるような転倒は防げます。

写真のようにタイヤの端5cmくらい残す乗り方であればまず大丈夫ですので

必要以上にビビらず、路面状況を読んでご安全にツーリングして頂きたく思います。

そいではさらば!



2023年1月16日月曜日

頑丈神話。

 みなさまごきげんようでございます。

色々な作業と並行して渋滞しているブッ壊れた郵政車両を修理しております。

スーパーカブのエンジンは頑丈と言われ続けてきましたが

そもそも基本的にレシプロエンジンって頑丈なんですよね。

サラダ油でも走るとか言われますが

カブに限らずどんなエンジンもサラダ油でとりあえずは動きます

オイルが無くても動くと言ってもオイルが切れたらどんなエンジンもぶっ壊れます。

して何故にカブのエンジンが頑丈という神話が生まれたのかと言うと

よく売れた車両である事とシビアコンディションで使われる事が多く

ぶっ壊れる寸前まで追い込まれる機会が多かったからじゃないかと。

私が一番よく直しているJA10は脆弱になったとも言われますが

それでもとんでもない状態でとりあえず動いちゃってます。

実際焼き付いて始動不能になるケースの原因は殆どがオイル切れで

ビロビロに伸びたカムチェーンでバルタイ狂いまくりでもなんとか動いています。


で、焼き付くケースはカムチェーンがビロビロになって

シリンダーを削って穴が開く事によるオイル切れと

もう一つ多いのがこのカムチェーンでオイルポンプを駆動する為のスプロケットの

軸部と歯車部が剥離してしまいオイル供給が止まるパターン。

このパターンは何の前触れもなく起こりますしダメージも深大になります。

この車両は剥離寸前、ギリギリセーフでした。


しかしカムチェーンテンショナーはプッシュロッドがアームを突き上げて

プッシュロッドによってテンショナーアームが削られている状態。

プッシュロッドの頭にはゴム製のダンパーがくっついていますが

それが摩滅して金属同士が接触すると

強度の弱いテンショナーアームがどんどん削られていきます。


当然、カムチェーンにはテンションがかからないのでカムチェーンは暴れ

ガイドローラーなんかを無駄に壊しながらカムチェーントンネルを切削します。

とにかくカムチェーンの音が気になるレベルになったら

プッシュロッドヘッドの交換だとかで誤魔化そうとせず

面倒で費用もかかりますが適切な分解整備を行わないと

壊滅的にエンジンを壊してしまう結果に繋がります。


そしてカムチェーンの音が酷い=カムチェーントンネル工事が進んでいる車両は

その削り粉が遠心フィルターにてんこ盛りに溜まって

コイツが鉄とアルミの混じった粘土でこれまた悪さをします。

この車両はまだマシかな、、


本当はこのくらい綺麗でないといけません。

と、言うかここも定期的に清掃しておいた方がよろしいです。

この遠心式のオイルフィルターというのはよく考えられていて、

オイルフィルターとしてはかなり強力なもので

身近なところではランドローバーのTD5エンジンにも取り付けられています。

しかしこの遠心式オイルフィルターというヤツは存在を知られる事が少ないので

通常のフィルターやストレーナーと併用されている場合などは

新車から全く交換や清掃を行われていなかったりして

要はそういう事をよく知っているところで整備しないとオイル交換も無駄になります。

まぁカブ系エンジンの車両に乗られている皆さんはよく知っていると思いますが。


ストレーナーとフィルターローターのカバー。

ローターカバーにはガスケットがありますが、

コレの隙間にもスラッジがビッシリ溜まりますので

ガスケットは必ず交換しましょう。


これだけのアルミと鉄の粉がオイルに混じっているわけですから

オイル通路とクランクケース底部に溜まった汚れも流す必要があります。

で、そんなオイルを一生懸命送っていたオイルポンプも当然傷んでいます。

ので、カムチェーン周りをメンテする際は

カムチェーンスプロケットとオイルポンプは必ず交換するようにしましょう。

左右ともクランクケースカバーを開けないといけないので手間は増えますが

これらを行わないで目に見えてダメな部品だけを交換すると

とりあえず異音は直りますが寿命は半分くらいになり

下手するとオイルポンプが止まって焼き付くハメになります。

エンジンってのはとんでもない状態まで追い込まれても

ぶっ壊れるまで健気に動き続けているカワイイ奴です。

たっぷり愛でてあげようではないですか。



ではさらば!




2023年1月14日土曜日

ブレーキスイッチ。

 みなさまごきげんよふ。

毎度毎度言い訳ちっくに言いますれば、ほんと皆様お待たせして申し訳ございません。

一体どうしちゃったのか1日が瞬く間に終わってしまい

やりたい事どころかやるべき事も全然進みませんですハイ。


して先日は神戸まで構造変更に行ってきまして。

私のホームグラウンドは姫路検査登録事務所なのですが

神戸へ行くときは六甲山を経由するのがプチ楽しみです。

検査自体は無事合格して良かったのですが


検査前日にフロントブレーキスイッチが作動しなくなりまして。

このショベルの純正スイッチ用のリプレイス品が、以前からよく壊れる印象です。

そもそもグリメカマスターに流用する場合

スイッチ部の突き出し量が多いのでシムリングで調整していましたが

それでもまだ突き出し量が多いのと

どうもバネのレートが低くて奥で引っ掛かっちゃうみたいです。


とりあえずはホンダ純正部品を使って応急的にブレーキスイッチを復活させました。

いやはやヒヤヒヤしましたです。


で、以前も何度か壊れた経験からいい加減嫌気がさしてきて

今回の修理から別なスイッチを採用する事にしました。

こちらは突き出し量が小さく、尚且つリターンのバネも強いタイプで

まだテスト段階なので無償修理とさせて頂き

これで耐久性が証明されれば常時ストック品としたいと思います。

1/4-32ですからグリメカだけでなくマグラやベルリンガーにも使えますね。

マスター側のネジ穴の深さに応じてシムリングを入れてあげる必要はありますが

故障回数が減ってくれれば嬉しいです。



ってなわけでさらば!