2024年9月11日水曜日

97XLHハーネス引き直し①


みなさまごきげんよっす!

相変わらずのサボりBlog、サボった分写真多め文章ソコソコ

インスタで既出の内容を改めて垂れ流す

でもまだしぶとくBlogはやめない私です。

全国数百人のマイノリティのみなさま今後ともよろしく哀愁でよろしくです。


さて本日は97XLHさんハーネス引き直し。

長いこと乗っておられる車両ですが

雨の日に電源落ちたりダイナSがパンクしたりと電装系トラブルが多く

もうこれじゃ安心して乗れないということで入庫。

パッと見て過去に配線のハンドル中通しなどの作業と

私がメーター交換した際にメーター照明の電源を取り出した作業

そしてそれから一度散らかったハーネスを纏める的な作業と

まぁ3回ほど電気系をいじられていますが

根本原因はソコでしょう。

と、いうことでハーネスをバラして検証していきます。
 

割と最近に交換したというイグニッションスイッチ。


バッテリープラス配線が端子ごと回ります。

こういうHD純正タイプのイグニッションスイッチは安物が出回っていますが。


同年代の純正と比べれば防水性はじめカシメの状態や

配線の太さ、結線の方法は雲泥の差です。

オートバイの修理に限らずですが、まずちゃんとしたモノをセレクトする事。

それがスタートラインです。

毎度同じ事を言いますが、オートバイの部品で安くて良いものは経験上見たことが無い。

良いものって安くする必要が無いというより

安く作れないんですよ。

まぁね、高くて悪いものもあるから困りものなんですが。


そのイグニッションスイッチの結線も銅線を捻ってビニールテープを巻いただけ。

簡単にスッポ抜けますよ。

そんなもん繋がってるんだからイイじゃん重箱の隅つついて目くじら立てんなよバカ!

と思うアナタは

バッテリーのプラス端子を少し緩めて乗ってみてください。

セルボタン押したらバチッ!といって電源入らなくなったり

走行中に突然電源OFFになったりしますから。

電源線においてはその経路全てで同じことが起こります。


他の配線の接続部も同様に捻ってビニテ被覆。

配線の継ぎ接ぎは悪いことではなく、純正でも当たり前に分岐がありますが

HDの場合90年代になると分岐部分は防水性の収縮チューブです。

被覆も簡単にはバラせないレベルで強固に保護されています。

こういう配慮のお陰でHDのハーネスはとても長持ちします。

ところが今回のように後から適当な作業が加わると長持ちしない。

パッケージを少し破れば簡単に裸にできるのと理屈は同じです。


大電流が流れるオルタネーターからレギュレーターのカプラーは排気管と近接。

というか接触。

純正はこういう危うい位置関係にならないようになってます。

メーカー出荷状態の車両を観察すれば容易に理解できますが

「熱」がどれだけ嫌われているか。

それを考えればこんな所にカプラーがあってはいけません。


青い線はHDの法則ではヘッドライトライト系のイグニッション +配線。

それが切りっぱなし。


エレクトロタップでETC電源取り出し。

テールランプ配線のギボシ端子は雄雌が逆。


ハンドル中通しの配線はトップブリッジの後ろをのたうちまわり。

ハンドルまわりをスッキリさせる目的でハンドルの中に配線を通すワケですが

ここにこんな線が這い回ってたらぜんぜスッキリしていない。

純正の配線の方がよっぽどスッキリしてます。

私はハンドルの配線中通しが嫌いです。

整備性もそうですが、ハンドルに大きな穴を開けて剛性をオトす。

配線を通す穴の面取りが微妙ならショートや断線のリスクもある。

ハンドルまわりをシンプルにするなら

フロントブレーキレス

インナースロットル

インナーもしくはフットクラッチ

スイッチは他所に移設

これでスッキリです。

まぁ利便性もありますから、その辺の選択は自由です。

ただ限られた範囲内できちんと結果は出さないといけないでしょう。


このビニテで巻き巻きされた(アラを隠蔽された)太いメインハーネスが

どれだけスリムになるかが見どころですね。


一先ずハーネスは全摘出。

ちなみにこの作業もかなり大変ですからDIYでは覚悟してください。

この年代のハーレーはハーネスを摘出する事は考えていないです。

いじってくれなければ結構長持ちするからよ!

的な造りなんです。


ハーネスがなくなったら目立つ積年の汚れ。

手前にブラ下がっているのがテールランプの配線です。

ギボシ接続の場合は車体側をメスにしましょうな。


こんな機会でもないと綺麗にするのは困難なので汚れを落としておきましょう。


この辺も油コテコテ。

なぜかと言うとブリーザーをここまで延長して大気解放していたから。

目立たない所に出す

つまり掃除しにくいところが汚れる。

ブリーザーは取り回し変更します。


銀色の面積が大幅に拡大。

なしてそこまで掃除するのかと言われれば、手が汚れるからです。

まぁ掃除で手は汚れるんですが。

新しいハーネス引くのに汚いところは通せませんので。


この辺も新車から一度も清掃されていない雰囲気ですね。

チェーンドライブ車はメンテでココ開けますが

ベルトですからね。


ココもギンギンに銀色にしておきます。


普段は洗車できないややこしい部分が綺麗になりましたので、

これからどのようなハーネスにするか

ルーティングや省く電装などの設計を行なって実作業へ移ります。


ではさらば!







2024年8月24日土曜日

79CBX1000リフレッシュ作業。

 みなさまごきげんよう!

本日は久しぶりに入庫の1台。

約7年ぶりです。


そうですCBXです。

以前手を入れさせてもらってからもう7年。。


今回はちょっとしたリフレッシュ作業でお預かり。


こんな綺麗なバイクの何処をリフレッシュするのかって?

定期的にリフレッシュされているからこそ

この状態維持できているワケです。


で、スペースの空きを待って前後スタンドにかけて浮かせまして。


チェーンルブが飛散して汚れている

スイングアーム内側なんかを綺麗にしまして。


スプロケも綺麗にしてチェーンの当たりをみておきます。

足回り換装車にありがちな

チェーンラインの狂いもなくしっかり作業されていますな。


そしてフォークオイルも交換しておきます。

綺麗なもんですねぇ。

今回前回から少し味付けを変えました。

走らせてダメなら元に戻さなきゃですが。


まぁ色々やっていますが、車体を浮かせている本当の理由は

ホイールの塗り替えでして。

遠目には綺麗ですが確かに傷剥がれが見られます。


車体から外してタイヤも抜いてみて気づきましたが

この金色、単体で見るとかなり赤みが強いんですね。

車体色のキャンディーレッドに合わせて

車体に装着した時に

落ち着いた金色になるように調色されていると思われ

こういうことができるのがウレタン塗装の良いところです。

まぁペインターのセンスあってこそですが。

今回はパウダーコートでちょっと違う金に。


そして出来上がったのがコチラ。

私的にピンストライプやブレンボ、オーリンズの金と

6本出しマフラーで増加したクロームの面積を考慮して

3分ほど悩んで決めましたが


おお、イイ感じじゃないか🎶


でもタイヤはめて車体に装着するまではまだわからない。


はやる気持ちおさえつ

ベアリングを圧入してローターを取り付けて

バランス取って、、、

ちなみにローターボルトはちゃんと新品です。


おお、やっぱイイ感じ🎶


前回はフロントのホイールベアリングを交換しましたが

今回はさらにリアも交換。

スプロケットハブのベアリングとスペーサー、オイルシールも新品に。

重量車はこういうトコロ大事です。


そして組み上がったのがコチラ。

私的には狙い通りで

以前のシックな感じから一転して

なんかヤル気っぽい雰囲気になりまして。


ちょっと派手な気もしなくもありませんが

オーナー氏は華のある人なので

むしろこっちの方が似合うかなと。

ちなみに華のない私は大抵黒に塗ります。


陽にあたってなければ結構落ち着いたホンダっぽい感じ。


iPhoneで撮るとバキバキ感が無くなるなぁ。


カメラの描写力って難しいですね。

iPhoneでも良い時は良いんですけどね。

と、オーナー様にもOKもらったところで

お次はキャブをOHしていきます。

だったら組んじゃわなければ良かったのにって?

いやー、そこはやっぱ早く組んで見てみたいじゃないですか。

こういうのは無駄とはいわないのだ!

それにしても、エンジンをお辞儀させなきゃキャブが外れないとか

まったくとんでもねーバイクですね。

しかしこういうのも無駄とはいわないのだ!

これまたスペースをかなり要するので

入庫車両の都合と合わせて作業進めていきます。

ではさらば!



2024年8月19日月曜日

71XLH電装設置。

みなさまごきげんよう!

世間的にはお盆休みも終わり現実世界に戻ってくる感満点ですね。

私も珍しくちょこっと休みました。

夏休みで子供達が家に居るお陰で

何だか大人の私まで夏休みっぽい特別感を味わっております。

で、相変わらず忙しくてBlog更新おサボり中なわけですが 


本日はヘッドOHを終えた71XLH。

バッテリーを搭載して配線を接続すればOKなところでしたが

この車両はショートなボルトオンハードテールで

定番のフェンダーの前にバッテリーを置くスペースが無く

予定ではアンチグラビティの4セルを使う予定でした。

が、コレが待てど暮らせど入荷しないので

ほぼ同寸の小型リチウムバッテリーを探しに探しまして

ようやく見つけて作業再開できた次第です。


この写真からもスペースの少なさがおわかりいただけるかと。

前後幅だけでなく高さもいっぱいイッパイ。


バッテリー自体の固定もバンド等の簡単な方法では

スペースが足らずに面倒な事になるので

横から取り外しが出来るように固定具を製作。


マイナス端子は外しやすいようにこちら側へ。

車載状態で下手にプラス端子いじると

この狭さですからショートの危険性があるので

ブラケットもプラス端子から極力離してあります。


尚且つ、オイルをドレーンしてもバッテリーにかからないように

超ギリギリ配置で何とかバッテリーを目立たず設置完了。


バッテリーが載ったら配線作業。

元々マグネトー仕様でしたのでキーシリンダーが無いのですが

オーナーのご希望もあってメインスイッチ方式で。

スイッチは私がストックしていたビンテージ品。

確か何かのライトスイッチだったと思うのですが

非常に雰囲気の良い日本製です。

導通チェックもOK。


これまた設置する場所が悩みどころでしたが

フレームに残っているタブを利用する形でシート下に設置できるよう

マウントを製作。


ヤレ具合も車体とマッチしています。

この車両はフレームまで塗装されているので

極力それらは温存してボルトオンで仕上げています。

ホント最近こういう仕事多いな。


新たな配線関係はシート下に配置。

ヒューズはメイン30A、アクセサリー15Aで

分岐はイグニッション系と灯火類の2系統としました。

サイクルエレクトリックの高価なレギュレーター一体型のジェネレーターで助かりました。


元々はフロントにコンデンサーを置いていて

そこに配線関係を集中させていたので

今回はシート下は極力シンプルにして

フロントへ向かって最低限の線を引くことで

何とかシンプルにキメられたかと。


配線はいつも通り12Vの取り出しを1ポート余らせてあるので

後で何か電装品を追加するのに便利です。


バッテリーを搭載しての始動と

電装品の動作チェック

オーナー様の現車確認も完了。

後は継続検査を受けて100kmほど走らせてチェックしたらお渡しです。

ちょっとばかし混みあっていますが

他の車両もどんどん進めていきますので

お待ちいただいている皆さま何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

ではさらば!



2024年7月24日水曜日

57FL仕上げ作業。

 みなさまごきげんよう。

いよいよ梅雨明けですな。

旧いハーレーあたりだと走るべきじゃない時期の到来ですが

わざわざ走るステージを求めて移住してきたコチラ神河町は

山の上にさえ到達してしまえばまだまだ走れます。

姫路や神戸あたりだともう旧車殺しな温度でしょうが、、


で、こちらは67歳と超高齢な57FLさん。

リアブレーキが全然効かない件の改善ですね。

ミッドコントロールにするにあたってペダル関係は作り直されていますが、、


ストロークが深すぎてシューがライニングに噛むまで踏み込めない状態。

確かに2リーディングドラムのフロントで十分に止まれるっちゃ止まれますが

ちと旧いハーレーにとってリアブレーキは肝心要の制動装置ですから

きちんとコントロールできるように改善していきます。


具体的にはレバー比の変更とリターンスプリングの増設です。

この、リターンスプリングは改造車において省かれている事が多いのですが

ペダルにリターンスプリングが無く

ペダルの戻りをシューのスプリングだけに頼っている場合

コントロール性は限りなくゼロに等しいカックンブレーキになりがちです。


繊細な動きができる手で操作するフロントブレーキと違い

足での操作となるリアのドラムブレーキにおいては

ペダルの反力というのがとても大切です。

ペダルの戻り=ブレーキコントロールの幅と思っておいて良いでしょう。

微妙にブレーキングしたい場合に

ペダルがある程度戻ってくれないと良いところに調整できないんですよね。

そういうところまで気を配れないと、オートバイの改造なんてできないんです。

オートバイに携わる誰もがブレーキは大事だと言うと思いますが

その割にこういうコントロール性を左右するモノが省かれていたりする。

それってどうなのよと。


相変わらず要らん事ばっかり言って文章が長くなりつつありますが

実際今回も長いっす。

ブレーキの次は外装で、フェンダーを支えるステーが必要なので製作します。

オーナー様ご希望はドリルドのフラットバーでした。

送っていただいた画像と同じようなフラットバーにドリルドで仕上げたのが↑ですが


それだと強度も足りなければ後ろに置いておきたい質量としても不足なので

コの字断面としまして。

こうなると今度は太すぎるし角度によっては穴も見えませんので重くなる。


ですので側面をテーパー状に削ってスムーズに。

角を徹底的に丸めてあげる事でパンヘッドモーターの質感と合わせていきます。


反対側は元のステーだとチェーン逃げてクランクしていましたが

経験上このクリアランスであれば右と同じくストレートでいけると判断。

日頃は激ナローでギリギリのオーダーが多いですが

今回は後ろ側に構造物を持ってくるのが目的ですので。


後方の比較的低い位置にピリオンパッドやテールランプ

フェンダーブラケットが追加されたことで

以前の前方に物が寄っている状態を解消する狙いです。

特にこういった車両では装着パーツの大きさだとか位置が非常に重要なんですよね。


ヘッドライト横に設置されていたホーンは小型な物をココに。


スイッチはプッシュだけで良いのでシンプルな物を操作しやすい位置に。

車検も安心ですね。


キックペダルは軸がガタガタなうえに90度以上に開いてしまう状態で

非常にキックスタートし難いのと、デザイン的に目指す方向と似合わないものですので


大神戸の2型改に。

意匠としてはWRのペダルをさらに軽量化したようなレーシーなものですので

この車両にはピッタリでしょう。


ミッドコントロールにした場合はFX系の折りたたみペダルでない限り

乗車時はキックペダルを出しっぱなしにしておかないと邪魔なので

このスリムなペダルはそういう点からもベストです。


マフラーは直管で住宅事情的に音がデカ過ぎるとの事で

長いバッフルを挿入。

微妙なターンアウト部分はストレートカットに改めました。


ストレートカットにする事でマフラーの整列感が良くなります。

特にこういう曲線の多いマフラーはエンドが真っ直ぐの方がまとまりますね。

ところで、バッフルを入れるなんて簡単っぽい作業ですが

こちらは肉厚のあるステンレス管。

バッフル固定用の穴あけなんかはご自宅作業では苦戦されるでしょう。

ステンの加工は結構難しいんですよねぇ。


で、制作したライトステーと高さ調整スペーサー

左右フェンダーマウントとシートブラケットをウレタン塗装にて仕上げまして。

パーカとかも良いかと思いましたが

綺麗に塗られているフレームの質感と合わせる事としました。

配線関係も終わらせて、、


元はコレですからね。

だいぶスッキリしたかと。


折角綺麗に仕上げられていたのに不細工な追加作業のせいで

ただの67年前のオートバイに成り下がってしまっていた57FL。


今回の作業でこのようになりました。

黒いシートはペイントの黒と位置関係や面積を合わせる為。

個人的に気に入っているのはリアフェンダーの跳ね上げを失わないどころか

テールランプを設置する事でより強調できたところです(笑

よく見るとしっかり跳ね上がってるでしょう?


部品の大きさ、それらが占める面積や色の散らし方

何を足して何を引くのか


今回はそういう事を沢山考えて作業できたので

正直ものすごく楽しかったですね。


これでカッコ悪いって言われちゃうと大ショックですが。


オーナー様にも、この車両の製作者にも納得していだだけると確信しています。


ロードテストで完成後チェックもばっちりクリア。

エンジン自体はきちんと組みなおされていて

非常に調子の良いパンヘッド モーターです。


ブレーキもこれなら何の問題も無いかと。


うん、フェンダーが跳ねてます(しつこい


まぁね、ああやこうや言っても私がイチから造った車両ではないので

他人のフンドシで相撲とってる感は否めませんが

それはメーカー出荷車両に手を入れるのも同じ。

カッコよくなって乗り手が喜べれば誰が何をしようがOKじゃないかと。

不細工にするのは罪だと思ってますけどね。


週末にオーナー様に見て乗ってもらって、OKであれば納車です。

もちろん、OKじゃなければやり直しですが(笑

胸を張って乗ってもらえたら嬉しいなぁ。

ありがとうございました。


さて現在のお預かり状況ですが作業進行中も含めて8台待ちと

相変わらず混み合っておりまして、最短で8月末くらいからのお預かりです。

毎度のアナウンスですが、作業ご希望のお客様にかれましては

いつも通り早めのご予約でよろしくお願いいたします。


それでは!