2020年7月6日月曜日

メカニカルドラムブレーキ。


みなさまごきげんよう。

本日はブレーキの修理でして。

メカニカルドラムのウィッシュボーンフレームにアイアンのリアブレーキという

ちょっと珍しい構成の車両ですが

ペダルを踏み込んでもダルンダルンで、底付き地点はフットボードへの接触という具合。

つまりシューをドラムに十分に押し付ける為のストロークが異様に深いという事です。


そしてブレーキなのに何故かアクスルユニットの写真ですが

ベアリングがゴロゴロなのは経年劣化と見て良いです。


しかしアクスルカラーは柔らかいアルミ材での削り出しなので肉の薄い箇所は

ご覧のように変形していますし


肉厚なカラーもアクスルの締め上げで圧縮されて変形しています。


そしてディスタンスカラーはアクスルシャフト径よりも大きな内径の切りっぱなしの

早い話が単なるパイプで、ベアリングインナーレースからもはみ出してしまうので

オイルシールを押してしまってベアリングにダメージ。

こういう状況になっていると、アクスルはベアリングのみで支持されているので

本来の一本棒化した状態とは程遠い剛性です。

こういった緩みやガタが積み重なる事で、全体のブワブワ感を醸し出します。


ブレーキペダルのピボットシャフトはご覧のように

意図的に加工したかの如くボッコボコで

ボッコボコのままメッキまでかけてあるのが謎です。


ロッドを引くためのレバー関係も接続部は長穴に。


そして極めつけはクロスオーバーシャフト のブッシュの摩耗によるガタです。


ブッシュは摩滅寸前でフレームのクロスパイプを削ってしまう一歩手前です。

この部分はメカニカルドラムにとってかなり大きな力を受ける部分ですので

その他の部分のガタと合わせてブレーキの剛性感を失わせます。


このクロスオーバーシャフト ブッシュは長い距離の両端にあるので交換は骨が折れます。

まず磨耗してペラペラのブッシュを必死で抜き取りまして

このブッシュ、長さが結構あるので内掛けのプーラーがからなかったり

磨耗しすぎているのでタップを立てて抜くという方法も

フレームパイプに傷を入れてしまうので非常に難儀っす。


ブッシュが抜けたらフレームにのクロスパイプをホーニングしまして。

ブッシュを圧入しましたら、ここはテーパー状になっている事もあり

ブッシュ内径が縮みます。

そうすると今度はブッシュ内径をホーニングするのですが

左右の通りを揃えないとシャフトが挿さりません。

本来であればフレーム単体にして座標を拾ってラインボーリングするべきですが

そうなると車体は全バラ。。。

なので手作業で地道に通りを揃えるという作業を敢行しまして。


失われていたグリスニップルも復元しまして。


アクスル関係はベアリングを全て新品に。

ディスタンスカラーおよびアクスルカラーはSUSで削り出し。


さらに斜めに磨耗してシューの半分も当たっていないライニングを


真円研磨してもらい、シューも張り替えて当たり出し。

素晴らしい精度でシューとライニングがベッタリ当たるように改善して頂きまして。


ホームセンターのバネがリターンスプリングとして何となく付いていましたが

こんな線径の柔らかいスプリングでペダルが戻るはず無く。


強力なスプリングに交換しまして。

このリターンスプリングというのはドラムブレーキにおいてかなり重要で

このバネの強さがコントロール性を左右しますし

効いているという感覚もリターンスプリングの反力によるところも大きいです。

まぁブレーキの話はまた今度書いてみるとして

ボコボコのピボットも交換してブレーキ関連のガタを全て解消してあげます。

結果、以前ブレーキロッドの調整ナットは目一杯締め込まれて

ネジが沢山後方へ余っていましたが

その余り分は25mmも短縮されました。

単純に数字だけの話では無いのですが言い過ぎた言い方をすれば

各部のガタや当たりの悪さが積もり積もって1インチにもなるという事なんです。


せっかく改善作業を行なっているので

以前の蹴り込まなければいけないペダルレイアウトから

フットボードに踵をつけたまま踏める位置関係にペダルを持っていきまして。

しっかり踏み込めて踏力に応じてきちんと効くブレーキになりました。

メカニカルドラムブレーキはメンテナンスを怠らなければ

機構は複雑ですが耐久性が高く、優れたシステムです。

耐久性が高いという事は磨耗してしまうとその度合いが大きいという面もあって

コントロールが油圧化された理由の一つでもありますが

限界を超える前に手を入れて修理してあげれば復元可能です。

アイアンやビッグツインのメカニカルドラムブレーキで効きがイマイチという場合

各リンクやロッド、ブッシュやビボットのガタを先ずチェックですね。

そんなわけで本日はさらばです。

ごきげんよろしゅうm(__)m


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