みなさまごきげんよう。
だいぶ寒くなってきまして雪がチラホラ降ったりしておりますが
お預かり車両をお返しするべく作業を進めております。
今日はハーレー社初のコンピューター設計フレームであるFXRの
エンジンマウント交換のお話でして。
エンジンとミッションがラバーマウントされているという設計ですが
スイングアームもミッションケースに繋がる形で
このスイングアームシャフトの両端とエンジン先端がゴムブッシュ支持になっており
エンジン頂部と前方はロッドで位置決めされる形になっていて結構ヤヤコシイですね。
現車は1983年式ですが恐らくマウント関係の交換は初だと思われ
この奥にありますアイソレーターと、ついでにスイングアームブッシュも交換します。
変な位置にホーンがありますがこれは純正なようで
とにかく狭いところに色々押し込まれていて難儀ですw
ついでに、インナープライマリーにチェーンカバーのマウント跡があって
このFXRが元々FXRTであった事を表しております。
樹脂製のスペーサーは割れていましてシャフトもお疲れ様ですので
シャフト自体も新品交換してスムーズな動きを取り戻したいと思います。
このアイソレーターは本来偏心していて荷重に対して耐えるようになっていますが
長期間重いユニットを支え続けて振動も加わるのでかなり沈んでいます。
スイングアームはブッシュが圧入されていまして、この間にミッションが挟まります。
ここはプレスを使って打ち抜き、圧入しますがきちんとクリアランスを取らないと
ピボットに対してキツ過ぎたり緩くてガタが出たりと意外と気を使う部分です。
積年の油と砂でドロドロになったミッションケース後部を綺麗にしましたら
ようやく組み上げ作業に入りまして
ここは分解時しか見えない部分ですが、それだけに綺麗にしておきたい所ですね。
ちなみにこのピボット部の下側にはオイルフィルターがあり
そこへ向かってホースが繋がっています。
そしてオイルが漏れてミッションケース上に池を作っているのを発見してしまいまして。
これは後で何とかする感じです。
アイソレーターも新品に交換してパリッとしました( ´∀`)
次いでフロント側のエンジンマウントも交換していきます。
ひび割れているのは捻れによるものではなく
エンジンの重さで沈んだ分、ゴムが引き千切られた状態で
実際新品のマウントと比べると7mmくらいも沈んでいまして
一定の速度で走行中にギャップに入るとコンっと音が鳴っていたのは
マウントブッシュ関係のヘタリっぽいです。
これらの交換は結構面倒ですが、設計としては耐用年数が長く
長期に渡って交換不要という考え方なのでしょう。
マウントが緩んだ状態でも乗り味は悪くありませんでしたが
これらがシャキッとした事でフレームの剛性感が取り戻されると思われ
今から試乗が楽しみです( ´∀`)
が、お次はマウントと同じく劣化しまくりのオイルライン交換へと進みます。
それではごきげんよう!
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