2018年7月24日火曜日

ハイドロリックフォーク。


みなさんこんにちは。


今年はとても暑くて、工場内の気温は軽く40度を超えて

贈って頂いた「みはりん坊」がずっと危険を知らせてくれております。

テレビ無しでエアコンも無しという、見る人から見ればキツい生活を続けて

気がつけば1年が経過していましたが、テレビはともかく冷房は欲しいかもと

ついつい思ってしまいますね。

これまでにない暑さっていうのを何度も乗り越えてきて今に至ると思いますが

もしエアコンというツールが無かったとしたら

もしかすると人間はこの気温に対応できるように進化したのかもしれませんね。

まぁそもそも人間が温度上昇を招いたのでしょうけれど( ´∀`)


さて進化といえばオートバイの部品も性能面とコスト面で進化を続けてきたわけですが

ハイドラグライド時代の41mmフォーク、つまりハイドロリックフォークを修理しまして。

33.4mmフォークもそうですが、とにかくこの辺の年式のテレスコピックフォークは

水の浸入による機能不全というか不具合が圧倒的に多いです。

シールの能力不足は勿論ですがそれよりも

メンテナンスフリーでないので整備怠った時のダメージが大きいという事ですね。

逆に、メンテナンスを怠らなければ現在でも現役で生けるということでもあります。


してドレンボルトを緩めましたらポロリと外れまして。

穴の先は段付きに加工されているのかと思いましたがそんなはず無く。


折れ残ったボルトはセンターズレた穴を開けられたまま残っていまして。

コイツを綺麗に抜き取るというメンドい作業に陥りまして。

固着ボルトの場合はエキストラクター等を使って緩めよう、外そうという事に囚われず

先ずは固着を解く事に専念した方がよろしいかと思います。


反対側は折れる前に諦めたというよりボルトが壊れたようで。


こちらもフォーク側を温存するようにボルトを壊して抜き取ります。

こういった精密な作業は本来ウチのような設備の整っていない場末の

おまけに工場内温度の高いチョッパー屋ごときではなく然るべきファクトリーにて

しっかり抜いてもらうようにしましょう。

ウチで解決できるのは非常にラッキーなケースに過ぎませんので。


今回はインナーチューブを交換しますが、、ボトムし過ぎたのか

先端が潰れていましてインナーパーツが外せませんし

ダンパーロッドもインナーチューブ内の錆びにより抜けませんので

元のインナーチューブを切り刻んで分解していきます。

33.4mmフォークでも錆色のフォークオイルの成れの果てが出てくる場合

インナーを切断して分解するパターンが多いです。


で、分解していきますが今時のフォークと違い部品点数も多く

製造においてもコストがかかっていた事を伺わせる造りになっていますね。


たとえばダンパーロッドはフォークスライダーの底にスポッとハマるようになっていて

ダンパーロッドホルダーを使わずにスライダーと分離できるようになっていて

つまり専用工具が無くても分解整備できるようになっています。

エンジンやミッションに関してはアホほどSSTが必要なオールドハーレーですが

こういった箇所、つまり一般整備で手を入れる部分においては

ユーザーサイドで楽に整備できるように配慮されていて

その為の製造コストもかかっているなと感じたりします。

感じるだけですが( ´∀`)

そして逆に現代のフォークはというと

コスト面、性能面でちょうど良いところに進化してきてるんだなとも思います。

因みにはこの形式のフォークでは

画像のようにスライダーとの嵌合面が潰れたり変形していると

その隙間からフォークオイルが漏れてしまいますので

シール性の高いワッシャーやシーラーを使用してあげないといけなかったりします。


まぁ機構の古い、新しいに関わらず、製品として流通している以上は絶望的におかしい

なんて事はありませんので年式なりに整備して永く使っていきましょうという感じです。

そして気候は走るだけで自殺行為レベルのクソ暑さですが

人もバイクも熱中症はしっかり予防して熱中していきましょう。

ってな所で暑さで滅びてしまいそうですが皆様何卒ご自愛くださいませ。

ひとまずさらば!






2018年7月13日金曜日

スーサイドブレーキ。


すっかり夏っぽい雰囲気ですが先の豪雨でこちらも少し混乱が生じていました。

我がホームコースである県道8号線も土砂の流出や農道の崩落など

走るには少し注意が必要な状況です。

注意が必要と言えば、結果として作動させるのがブレーキなのですが

そのブレーキが全く効かないアイアンのドラムを分解してみました。


と、言うのもブレーキアームを改造した車体に合わせて下側に向けてありまして。

写真の状態でアームは右から左へ引かれてブレーキカムを作動させる事で

シューがライニングに押し付けられるように開くという当たり前な動きなワケですが。

この組み方ではブレーキカムの直角部分、つまり反対側を使ってシューを押し拡げるので

初期では全くシューが拡がらず、その先で急にブレーキがロックする事になります。


そういう無理なというか設計外の動きを強いているのでシューにはクラックが。


そしてライニングにもシューがきちんと当たっていませんで。

この状態でブレーキが効くはずもなく

というか積極的にブレーキを効かないようにしてあるのと同じでして。


さらには固定ボルトのうちの一本は緩んでいたりと早い話が死ねますね。

そしてドラムのありえないところが綺麗に光っているのも気になりますが

これは切削加工を行ったものである事がわかります。


と、いうのもシューが干渉しないように削ってありますし

シューには擦過痕がありませんので。

で、どうして削ってあるのかと言うと干渉するからなワケですが。

3つ前の画像でホイールベアリングが随分と沈んでいるのが写っていまして


速い話がこの図で言う8Aのスペーサーが入っておらず

バックプレートが内側へ寄ってしまう為です。

正しくは8Aのスペーサーの厚みでバックプレートを適正な位置へ戻してあげるって事で

それを行っていないとプレートはアクスル内でフローティングマウント状態でして

ペダルを踏み込んだ際にドラムプレートが動くというアイアンにお乗りの方は

是非ともここを要チェックして頂きたいと思います。


ドラム、シューを交換してホイールベアリングの位置を戻し

リンクをフレームギリギリ通るように修正した上でアームの向きを正しく直しましたら

当たり前ですがきちんと初期制動からフルブレーキまで効くようになりまして

そもそもスポーツモデルであるXLのブレーキが効かないはずないという感じです。

というか基本的に効かないブレーキなどあるはずもなく。

ドラムブレーキだからと言う人がたまにいますが

タッチやコントロール性、ブレーキが効く向き等ディスクより不利な面はありますが

拘束力としてはむしろディスクより強いくらいなのがドラムブレーキでして

多くの車両のパーキングブレーキやセンターブレーキはドラムでした。

ドラムである事を言い訳にするのはカッコ悪ぃと思います。


ドラムついでにこちらは全く効かないメカドラム。

チェーンラインが狂っているように見えますが


バッキングプレートの回りどめがフレームに噛まないままアクスルを締め上げてあり。


当たり前ですが前方は奥に入ってしまっていまして


後方は浮いている状態で

当然バッキングプレートは歪んでしまい、簡単に言うとオシャカです。

ブレーキが効かない、フィーリングが悪いという方は

ナニもウチに持ってきてくれと言うわけではありません

ブレーキ形式に罪を被せて自分とバイクを誤魔化さずに

システムとして適正な状態にあるかどうか。

ここのところを今一度見つめ直して頂きたいと強く想う次第です。

バイクで怪我をしない為に。

バイクで命を落とさない為に。

そして何よりバイクと楽しく走る為に。






2018年7月10日火曜日

A-DAY 18TH #Last




いい感じのエボ♪

ストラットの残し具合とかおさえた色味とか、匙加減がよろしい雰囲気ですね。


タンクはぐっと詰められてる感じで底はブロックヘッドを大きく逃げてる。

ピンストのフレイムスは擦れたところを描き足してるのかな。


タンクの割れ目にはアルミのカバーがあつらえてありますが。


隙間隠しというよりも角パイプのフレームが露出する部分を上手く隠してる感じで

厚みのあるシートとの段差も解消するように作ってあるのが見て取れますね。

と、相変わらず勝手に思っているだけですが( ´∀`)


ブレーキホースの分岐がグッドリッジ。

コレ、幅があってバンジョーも使えるから変にホースをクネクネさせずに取り回せる。

ストローク時のたるみも持たせやすいし結構具合の良いパーツだと思います。


マフラーも綺麗なラインで寄せてるし、オールドテイストで上手にまとまった車両で

私個人的にこういう攻め方大好きです。



ワイグラでカチ上げですがこの旧型の41は良いですねぇ♪


分割ライザーは下駄を履いてる。


定番といえば定番ですが定番だから何か?って感じで、シンプルでいいですよねぇ。


ダダダっと乗りやすそうな姿勢で走る姿が想像できる感じです( ´∀`)



おお!初期4速スポーツ♪

私は4速スポーツを愛して止まないというか病むほどに愛しておりますが

このダビッドソンと数字だけのシンプルな純正外装は特にラブです。

オタク的にはウインカーがとかミラーがってなるのかもしれませんが

生活感って言うんですかね、こういう実用されつつ走ってる感じも良いではないですか。


カバーがスクリーミンって事は裏手にあるバタキャブがどうなってるか気になる。

黒いバンスの2in1もよろしいですねぇ。


リアマスターには自作のカバーを付けてヒールガードにしていると思われます。


アイアンのフェンダーなんですが

カタログ写真みたいなのでコレがついてるのを見た覚えがあります。

と、こちらの4速スポーツを拝見しているうちにどうもムズムズしてくる感じで

さりげなく抜け駆けして、その言葉の通りちろっとバイクで駆け出してしまいまして


昨日曇天で叶わなかった富士山とのツーショットを狙いにいきまして

オタク的にはもう意味不明な状態になってしまった4速スポーツで申し訳ありません。

なんて微塵も思う事は当然なくwやっぱりこの辺は走ると超キモチイイです♪


本当はこの先まで行きたかったのですが時間的に苦しいという事で

また来年、ここに来てあそこまで走れたら良いなぁ。


と、いうわけで毎度A-DAY帰りの定番となりました家族風呂でバシャバシャしまして

無事に家まで帰り着き、家族サービスを騙った自己満足行為が終了しました( ´∀`)

それではみなさま

ごきげんようw






2018年7月3日火曜日

A-DAY 18TH #13




佇まいがよろしいエンフィールド。

正直どういうモデルなのかとかは知りませんが色々手を入れてあるんじゃないかと

思ったりしまして。


どこをどう改造してるかとかはよくわからないワケですが

まぁ別にそんな事よくわからなくて良いわけで

早い話がいい感じだなと思った次第です。


いい感じなブレーキも付いてますしね。

これまた何の何というブレーキかは知りませんが2リーディングでスクープ付き

って事だけはわかりますw

それにしてもアクスルのクランプは随分ゴツい作りでナットも凝ってますね。


執念深くドリルドされてる。

私は大雑把すぎる性格ゆえにドリルドは苦手でして

多分3個目くらいの穴で失敗してそのまま終わるでしょうね。


キックペダルも。

双方とも軽め穴と言うよりは滑り止め目的であろう事がわかりますね。


電装ケースはインドっぽい。

こういうお香立てありますよね( ´∀`)

っていう感じを狙っているのかいないのかは当然わかりません。


高級なメーターがついてる。

ブラケットは綺麗なラインで作ってありますね。


レブカウンターはアナログな高級品ですがリプロなのかどうとかより

トップブリッジからメーター周辺まで非常に美しい造形でそっちの方が気になります。


繊細なレンズカット。

マルチリフレクターには絶対に真似できませんな。


手縫いと思しき雰囲気のあるパッド。


デコンプレッションの根元部分にはバネが入ってる。。


こちらは装飾的なドリルドが施されてる。

何かっぽくしたくて頑張ってると言うよりも

このバイクが好きで手を入れてる感じかなと勝手に感じました。


ドカのこれもなんていう名前か知らないドカ。

ドゥカというよりドカなんですよドカは。

そしてどこかワルいレーシー感がビシビシしてまして良いなと思いました。


前後のタイヤもサイドまで使い切りって感じで

デロデロに溶けてるわけじゃないってことは

まんべんなく普段乗りから結構きちっとタイヤ使ってるのかなみたいな。


それにしても凄いフレームですわねぇ。

バッテリーを前の方に抱いてるのに驚きましたが

設計としてはもうアタマ入れてガンガン走っちゃってくださいって感じなんでしょうね。


FCRがチラ見え。


マニホールドというか吸気管長ぇ!


テールはこんな感じに改造されてる。

もう改造って言葉がしっくりきすぎて好きです。

なんて言うんですかね、ドカらしいままに自分らしくいじってあるというか

こういうイジり方って昔から好きです。

こういうのもセンスなんですよね。