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2024年5月25日土曜日

80FXSにNSG組み込みとキャブセッティング。

 はい、みなさまごきげんよう。

ここのところNSG組み込みが続いております。

出張取付などでBlogアップしていない分もありますが。。


本日はこちら、80FXSローライダーさん。

調子を崩してきてキャブや点火系をいろいろやったものの

全く調子が出ずマトモに走れないとの事でお預かり。


確かに吹けも悪いですし実走チェックでも

センサンのショベルとは思えない非力さで

感覚的には400ccくらいのトルク感で控えめに言って

遅いというかタルいです。

オーナー氏はもう叩き売ってしまおうか迷われたそうですが

私が見るに点火燃料で普通に良くなると判断しまして。


現状の点火系はポイント。

この調整幅の狭いベースプレートのキットは

ポン付けでは適切な点火時期になりません。

以前は長穴加工して何とか調整していましたが

ポイント車用に調整しろが多いベースプレートも用意しております。

個人的には同時にダイナSを組むのがオススメですけどね。


ココは潰されちゃってるので交換しときます。


今回はポイントからダイナSへの変更。

ポイントレスによるメンテフリー化と

サージングが起こらない正確なタイミングがメリットです。

言うてもガバナーがダメなら意味ないですし

性能アップとしては前時代的なものですが

ショベルの時代的には合ってると思います。


次いで調子が良くない原因のキャブも

分解清掃とジェッティングを行いまして。


チョークは引き上げ式のノブが付いたものでしたが

タンクの下で操作困難なのでS&Sの純正レバー式に。

ジェッティングはよくある点火時期遅めで燃料濃いめ。

その辺を適切に調整しまして。


3拍子は消えましたが安定したアイドリングと

軽い吹け上がり、気持ち良いレスポンスを手に入れまして。


その他車体各部も一通り点検整備させて頂きまして

ロードテストを行ったらお渡しです。


走りはもちろん1340ccらしいトルクフルなものになりました。

オーナー様にも大変喜んで頂きまして嬉しい限りです。

元々調子が良い車両にNSGを組んでも違いがわかりますが

特に調子の悪い車両はキャブも含めてトータルで仕上げると

本当に驚くほど良くなります。

関西圏ではまだ装着率低め印象ですが

ぜひともNSGをお試しくださいませ。

NSG取付のみの日帰り作業から

車両をお預かりしてトータルセッティングまで

随時受付しておりますのでお問い合わせくださいませ。

ではさらば!







2023年9月6日水曜日

想像以上の点火チューン。

 みなさまごきげんよう。

さて、お待ちかねのタマムラモータース謹製NEWSTANDARDガバナーが届きました。

http://radjalopy.blogspot.com/2023/07/blog-post_25.html


もうこりゃすぐさま装着してテスト!

と、いきたいところですがまずは落ち着いて今の1号機の状態を確認すべく

いつものホームコースを念入りに走り込む事からスタート。


まぁいつも通り調子良いです。

レスポンスもツキも良いし。

コレでガバナー変えて何がどうなるやら??

よっぽど調子悪いなら別ですが、ホンマに体感できるんかいなと。

期待と不安が入り混じりつつ、とりあえずタマモ指定の方法で組み付けまして。

※1号機に関しては元々マニュアル指定とかではなく私なりの点火タイミングになってます


で、組んでみると元々のタイミングプレートのマーク位置は全く変わらず。

これは好都合というか、ホントに変わったところがガバナーだけという

非常に違いがわかりやすい状態です。


元の状態はダイナSに安っすいコイルと安っすいアドバンスユニットで

最初に組んでからだから9年間全く無交換

キャブはコウバチューンのCVで排気はドラッグパイプにローパスバッフル。

小さなブリッピングにもきちんとついてきます。

まぁ無負荷状態ですがw


対してTNSG。

アイドリングが全然違う

だけじゃなく、ブリッピングしても炸裂音が全然違う

これは、、、、


早速テストすべく昨日と同じ、スタンドまでの給油とホームコースという順で走ります。

まず発進。

ここから既に違います。

今まではクラッチ繋ぐ前にバンッとひと吹かししていましたが

そんな事しなくてもスルスルっとクラッチミート。

で、走り出したらすぐに笑っちゃいました。

何だこの澱みない吹け上がりは。。。

パーシャル域での安定感もすごくて、排気音もデロデロデロっとアメリカンVの音

元々ね、街中を他車の流れに乗って流すのが苦手だったんです。

特に4速スポーツは3速と2速を行ったり来たり、3速で粘るにはミッションが、、

みたいな葛藤に襲われるんですが、それが無いよお母ちゃん!

トルクバンドが広くて安定してるから、流して走るのが楽なんですね。

この辺のフルアドバンスまでの過渡特性が絶妙なんだと思いましたが、

スロットル開けるとビックリ、伸びも全然良い

ああ、これ楽で楽しいわ!


ステージがワインディングに移行してもこの特性は当然変わらず。

これまではコーナーに進入時に立ち上がりの準備として

クラッチで誤魔化したりスロットルを煽ったりして

美味しいトラクションを得る準備が必要だったのが不要に。

パーシャル状態の安定感も、ものすごく生きてくる。

クラッチ操作の回数が明らかに減ります

ブレーキングとスロットルワークだけに集中できるのは良いですよね。

外乱による影響が多いバイクは特に。

左手の疲労感がすごく軽減されますよ。

伸びの良さもテキメンにあらわれていて、

タイトコーナーを繋ぐ短いストレートで2速吹け切りで3速まで入らなかったのに

オイオイ、ここで3速に入るかよ!

ロングストレートだとトップまで入る事すらある。

それでいて2速進入のコーナーに3速で入ってそのまま立ち上がれる懐の広さ。

これだけ乗り易くても去勢された感じじゃなくて、

不等間隔爆発のトラクションだけでなく

アメリカンV2の味もしっかり表現されています。

これまではデジタルイグニッションを推奨してきましたが

マップ書き換えも要らないTNSGで全然いけるじゃないかと。

確かにこれはニュースタンダードですね。

しかしコレを装着するならば、乗り方もしっかり合わせた方が良いですね。

早すぎるシフトアップで高めのギアでテケテケやるような乗り方はやめないと

良いものをドブに捨てるようなもんです。

そもそもVツインの「鼓動感」ってしんどそうにドカドカ回すんじゃなく

エンジンのトラクションの事であって、回してトルク絞り出してナンボなんです。

そして場合によってはキャブセッティングが必要になります。

トルクのある大排気量車にありがちですが、

メインジェット領域まで使えていないパターン。

スルスルっと回っちゃうのでメインの番手上げないと追いつかないかも。

この辺、インターミディエイトという独特なジェット設定のS&S

特にジェッティングのアンマッチが起こりやすいと思われます。

普段からきっちり回す乗り方&セッティングだとそのままいけそうですが

その辺は車両の状態によって変わってくるので相談しましょう。

随分とベタ褒めですが、実際良かったので仕方ねーっす( ´∀`)

鈍感な私でも体感できるほどですから

ぜひぜひ皆さんも装着して感動してください。

さて、このNEW STANDARDガバナー
本体価格16,500円
取り付け工賃(点火時期調整込)
ダイナS車11,000円
ポイント車13,000円
上記が基本的なセットになります(いずれも税込)。
デスビ車に関しては製造元での加工装着となります。

加えてキャブセッティングが必要な場合は別途料金となります。
ご自身でセッティングを行われる場合は即日お渡し可能ですが
基本的には1週間程度のお預かりを推奨致します。

ひとつひとつ手作りされている関係上、製造が追いついておりません。
早めのご予約を頂き、お待ち頂く事もありますがその点ご理解お願い申し上げます。

それではみなさまごきげんよっす!






2023年7月25日火曜日

点火チューンと三拍子。

 

みなさまごきげんよう!

さて本日は新規お取り扱い商品についてです。

※長文注意


Instagramの方で主に旧車乗りの間で話題になっている

「タマモ点火チューン」

正確にはNEW STANDARD ガバナーですが

こちらの兵庫県における取付け協力店として加盟させて頂きました。

開発はタマモつまりタマムラモータース。

群馬県でヴィンテージハーレー のエンジンを修理している

「群馬の金ちゃん」です。

https://instagram.com/tamamuramotors?igshid=NTc4MTIwNjQ2YQ==

モノとしてはウェイトの重量とスプリングレートを変更したアドバンスユニットです。

元々、「三拍子撲滅運動」みたいな感じで投稿がよく上がってきてまして。

元々、私はハーレーにおける三拍子というアイドリングに全く興味がなく

ウチのお客様の車両も三拍子が出るようなセットアップはしていないのですが

この点火チューンを見ていて気になったワケです。

このアドバンスユニットの本懐は

三拍子を無くすというよりもフルアドバンスに至るまでの進角カーブの適正化じゃないかと

じゃぁビッグツインとアドバンスユニットを共用できるXL系Egでも試したい。

※メインはショベル以前のポイントやダイナS車用です

まぁそもそもエボXL系は点火時期が95年のUSモデル以外はビッグツインと違うんですよね。


でも同じアドバンスユニットでダイナSを組むワケです。

コレも何気に疑問に思ってたんですが。

まぁそれは一旦置いておいて。

私が思うのは、フルアドバンスに至るまでの特性が非常に良くなる

つまりコーナー立ち上がりでのトラクションが良くなるんじゃないかと。

まぁ発進時とか交差点曲がる時とかに置き換えてもらってOKで

誰でも体感できる領域だから話題なんだと思います。

対象はポイントやダイナSで点火している車両になります。

ちなみに点火方式ですがハーレー界は呼び方が微妙なんですよね。

マグネトー点火そしてポイント点火のそれぞれ進角が手動と自動

その後飛躍的に性能向上してVOESを備えたフルトラになります。

フルトラは全てがトランジスタ制御ですが

セミトラはポイントを点火信号検出用に残して点火をトランジスタが担います。

なのでダイナSは一般的に言うセミトラではなく

ポイントレスのトランジスタ点火で機械式自動進角っていう立ち位置ですね。

あとは制御やセンシング方法の違いでCDIと

最近ではダイレクトイグニッションの独立点火ですかね。

時代は電スロになってECUやIMUが色々やってくれちゃいますが。

んでまぁHD純正モジュールはじめウチでも組む事が多いデジタル点火システム。

コレはかなり性能が良いです。

何なら点火マップも自分で書き換えられたりします。

ただ難点は旧車ならではの雑味が薄れてしまう事で

無いものねだりなワケですが晩年のショベル以降の車両は

ダイナSやポイントにデチューンしてそれを求めるワケです。

ワケですが、

求めているものが旧車のフィーリングではなく三拍子のアイドリング

というケースが多々あり、デチューンをさらにデチューンするわけで

そりゃ調子悪いっすよってな話です。

これがFI車だと緻密に点火マップ作って

きちんと燃やしながらポテトサウンド出せたりするわけですが。。

で、そもそもハーレーにおける三拍子って何なのか

リアバンクの失火が原因という説が有力というか実際失火しています。

私なりに考えてみたんですが

ハーレーの場合45度Vツインで同軸クランクです。

なので点火はクランク回転でいくと405度と315度を繰り返す不等間隔燃焼になります。

これがハーレー独特の排気音(とトラクション)を生むワケですね。

開発時は独立点火なんて無いので同時点火が採用されていますが

同時点火自体はエンジンに悪さするものじゃないんですよね。

だって昔はワコーの同時点火ユニットなんかをわざわざ組んでたんですから。

捨て火を出してコイルに負担をかけているようですが

実際負担がかかっているのは

逆電位による消耗と通常より多い回数の点火に晒されているプラグで

HDのプラグの劣化が早いのもプラグをローテーションすべきなのもこの為です。

で、この不等間隔燃焼だと

フロントバンクが燃焼後にリアバンクのピストンを押し上げるのに315度回せば済むのに対して

リアバンクがフロントバンクのピストンを押し上げるには405度も回さなきゃいけない。

んでも点火タイミングはフロントと変わらないワケで、ココがポイントかなと。

この特性を逆手にとって

点火時期を遅らせてアイドリングを下げる(つまりリアバンクをさらにいじめる)と

負荷に耐えかねたリアバンクで失火が起こって三拍子になる。

この失火やプラグの消耗はコイルへの要求電圧が上がるのでコイルも短命になるでしょう。

熱問題も見過ごせませんよね。

ちゃんとしたセットアップでも1速での発進時に負荷がかかると

排気音が三拍子っぽくなる事があるのもこのせいかと。

で、実際正しいのかわかりませんが1号機で三拍子っぽいのをやってみました。

キャブセットはそのまま、点火時期遅らせてアイドリングを下げたのが↓です。


これ以上アイドリングを下げるのはかわいそうなのでコレで勘弁してもらうとして

もうツキが悪すぎてキャブでどうこうできる感じじゃないですね。

この状況で色んなところに負荷をかけたまま何となく走れるように、、

しても決して調子良いとは言えません。

脚を骨折してるのにモルヒネ打って走らせるみたいなもんです。

↓はいつもの1号機。


レスポンス良いですな。

ってかこんくらいじゃないとマトモに走れないんですが。

キャブも点火も結構煮詰めた結果今に落ち着いています。

ちなみにダイナS本体も安っすいアドバンスユニットもダイナテック製じゃないコイルも

組んで以来一度も交換していません(現時点で10年弱)。

それにしてもこのアドバンスユニット、BTよりXLの方が相性良いのかも。

で、今回の点火チューンは低速かつ低回転で高負荷な状態での点火カーブ改善なので

普段乗りでしっかり体感できると予想され

これまでスロットルやクラッチワークで誤魔化していた部分が楽になり

上までブン回すにしても良い感じじゃないかなと思います。

つまり旧車テイストの気持ち良い乗り味。

こりゃ期待度高いですね。

私としてはXL系にも浸透させたく

それは自車でテストしていく予定です。

よってしばらくはビッグツインの皆さんのみ施工対象とします。

商品は間もなくデリバリーが開始されますが

詳細な案内や装着してのインプレッション等は随時更新していきますので

何卒よろしくお願い申し上げます。


※三拍子云々に関する部分は私なりの解釈ですので、間違っていたらご指摘ください


それでは長文お疲れ様でした!