2022年11月24日木曜日

ようやくお届け。

 

みなさまごきげんにょう。


長期不動車の長期お預かり1988GSX-R1100J

配送のアレンジして頂きましてようやくお渡しです。


オーナー様に順番抜かしを了承頂いたりして

「とりあえず」で検査受けて1年もかかってしまいました。


ある日この車両が送られてきた時は正直マジかよ!と思いました。

お陰で私もGSX-R1100買っちゃったワケですから。

いやーそれにしてもカッコええなぁ。


これまた遠方納車なのでとにかく走らせて不具合を潰す作業に注力して

通常以上の走り込みをさせて頂きまして。

ようやく納得のいく調子になったというところです。


フロントきのブレンボキャリパーはO/Hそしてパッド交換。

ローターボルトも前後全部新品交換。


リアのキャリパーも同様。

オーナーの当時仕様として表側だけ塗装剥離。


クラッチとブレーキのマスターシリンダーはニッシン別体マスターに。


カウルのブレースに干渉する事から

ブサイクに取り付けられている事が多いリザーブタンクは

「ネコしっぽステー」を製作して左右整列させてマウント。

クラッチ側は小型のタンクに交換。


アタシはマスターのタンクを変な角度だったり

エーモンステーみたいなショボい金具で取付けるのが大嫌いです。

ブレーキホース、クラッチホースも交換

クラッチレリーズO/H。


グリップは純正新品に交換。


細かいゴム部品も新品が出る物は交換しまして。


マフラーはBEETのバックファイアⅡでしたが、オーナー当時仕様でKERKERに。

エキパイはBEETのままですが。


レンコンは新品に。

これらはオーナー氏が手配してくれました。

サイレンサーステー製作。


キャブはO/Hと同調、リセッティング。

燃料コックO/H。


外装はとにかく磨き中心で深追いしませんでした。

と、いうのも樹脂の劣化が激しく、どんどん崩壊していくので、、

かなりの箇所を割れ補修しまして。


そういうカウル類のコンディションからポリッシャーは使用せず


ひたすら手磨きで仕上げまして。


変形が酷かったココは支給品を補修して交換。


いい面構えだなぁ。


オーナー製作のエンブレム取付け。

見覚えのあるエンブレムですな。


サイドスタンドはネコの足(トロ足)。

見覚えのあるスタンドですな。


タイヤ交換しようとしたら塗装がパキパキに割れたホイールは

ブラストしてパウダーコートとガンコートで仕上げまして。

タイヤはBSのBT-023でヒゲを飛ばさない程度に皮剥いておきました。


リアも同様。


今回は自分のR1100があって、そちらを基準に作業していったという一面があります。

まぁ私のはステダンもアンチノーズダイブも取っ払って

サスもキャブも私好みに調整しているので

それに対して本来のR1100はどうなのかと。

BT-023というタイヤセレクトも基準になりますね。

っつーか私のR1100より調子良くなっちゃいましたが。


私のクセみたいなのは極力抜いて安定感のある仕様になっていると思いますが

後はオーナー氏に乗ってもらってどのような評価が出るかです。

こういった車両に手を入れていると、ほんと中古車は難しいと思います。

買取や仕入れから販売ってなるとかけられる時間も限られてきますし

どこまでやるかの判断も難しい。

手を入れまくって実走チェックに明け暮れるなんて中々できませんしね。

上級者のオーナーが何故自分自身のところではなく

直接ウチに車両を送ってこられたのかって事です。

まぁオーナーと私の関係もあってこれはレアケースで、私も通常ここまでやりません。

そしてここからはオーナー氏によって煮詰めていってもらいます(´∀`)


大変長らくお待たせ致しました。


そしてありがとうございました。


お楽しみくださいませ!




2022年11月21日月曜日

各社のラインナップを見て驚く。

 

みなさまごきげんよう( ´ ▽ ` )

コウバ長です。

もうね、ここんとこほんとにバイクブームです。

んで免許取ってオートバイに乗り出す人も増えているし

ウチなんかはツーリングスポットなのでオートバイ自体もよく見ます。

中でもよく見かけるのは新型のレブル250ですね。


実際オートバイの新車で1番売れてるらしいです。

って言うか売れていて、4年連続でクラストップの販売台数で

2020年なんて13297台も売れてるんですね。

よく見かける大型トップのZ900RSでも2020年で4000台弱ですから実に3倍以上。

そりゃよく見かけるわって話です。

で、なにゆえにそんなに人気があるのか気になっていたんですが

たまたま国産4社のラインナップを見ていて納得しました。

コレしか選択肢が無いんですね。





クルーザーに至ってはほぼ絶滅していてレブルかバルカンSくらいしかない。

中型となるとレブル一択。

同じく死滅しつつあるのが400ccクラス。

スズキなんてバーグマンしかない。

あぁGBが売れるわけだ。

そしてオフロードはKLXかCRFで後はアドベンチャーか競技車両。

言うても今の人気はアドベンチャーだからKLXやCRFがそんな売れてるワケでもない。

ラインナップの多さを見るとなんやかんや言ってもカワサキは頑張ってる感ありますね。

今の傾向はラインアップが充実してるスポーツバイクや

アウトドアブームなせいかアドベンチャーが人気な感じですが

所謂ネイキッドやクルーザーはホントにもう無い。

レブルだって最初はロードスポーツっていうカテゴリーで売ってましたしね。

50ccの原付一種も絶滅ほぼ確定でしょう。

125cc〜250ccまでのアジア圏で人気のあるクラスが死滅する事は当分無いでしょうが

中古車が高騰しているのも納得できるわって話です。

だって乗りたいバイクを新車から選べないんですから。

ウチは最近修理ばっかりしてるイメージですが

実際のところ古めというか古いオートバイに乗るにあたって

メンテナンスっていうのはかなり重要な項目です。

それに伴って各部の調律も必要になってくる。

今はバイクブームで暇なバイク屋さんなんてどこにも無いと思います。

だからといって良い時代がやってきたとは言い切れません。

むしろユーザーに見限られる機会がやってきたとも言えます。

こうも古めのバイクの流通が活性化すると

そういう車両を仕上げる能力に欠ける店は淘汰されていくでしょうし

ポンコツを高く売りつけるなんてのはそうそういつまでも続きません。

今やオートバイ、それも中古車に乗るっていうのは結構贅沢な趣味になりつつあるというか

既に贅沢な趣味だと思います。

ユーザーにとっても店側そしてメーカーにとってもオートバイ乱世は間違いない。

ここからどれだけ好き者が残るのか

我々は常に篩にかけられているような気がしますね。

















2022年11月17日木曜日

闇。

 みなさまごきげんよう( ´∀`)

ドツボにハマる系というかハマっていて作業遅延中です。

まぁアタシの場合技術不足からドツボにハマりがちというか

いつもハマっているんですが。


さて入庫車両のご予約は年内受付終了状態ですが

事故やトラブルによる緊急入庫やレスキューはいつでも受け付けております。

こちらは85年式SR500で、購入されて数キロ乗ったところで不動化しまして。

今回は丁度入庫車両が入れ替わるタイミングでしたのでそのまま修理してしまいます。

元々当方に持ち込み予定だったそうですが、動かなくなるのが早すぎ。。


症状としては火が飛んでいませんで。

プラグは一体どうやったらこんなになるのかって言うほど汚いというか死んでますね。

こういう死んだプラグを使っているとコイルがヤラれますよ。

末端で元気にスパークしないということは、電気を送っているコイルに負荷がかかります。


そのコイルは抵抗値オーバーしまくりーの。


ハイテンションコードは被覆劣化で漏電しまくりーの。

念のためピックアップ側の抵抗値も測定こちらはOKでした。


バッテリー電圧は端子間で0.84Vしかありません。

フラマグ点火とは言えコレじゃダメでしょう。


そのバッテリーはMFバッテリーですが

レギュレーターが開放型用のままですよ。

SRは93年くらいに開放型からMFバッテリーに変更されましたが

MFバッテリーの場合充電に要求される電流が開放型より小さいので

レギュレーターを対応したものに交換しておかないと

バッテリーが膨らんだり極端に寿命が短くなったり色々不具合が出ます。

どのレギュレーターでも対応するバッテリーもあるのですが

今回はレギュレーターも対応品に交換します。


スプロケットのロックタブ折ってないなぁと思って触ってみましたが、、


手で緩みますね。

SRのココの締め付けトルクは70Nmです。

ココは緩むとですね、メインシャフトのスプラインがガタガタになってですね

クランクケース割ってシャフト交換になります。

ヤバかったですね。


キャブはPWKになっていますが液体パッキンが塗りたくられているので

問答無用で分解決定です。


回転が急に上がったとの事ですが

ケーブルのアウターがガイドからズレているからですね。


とりあえず部品待ちの間にキャブから綺麗にしていきますが

シリコン系ではなくミッションなんかに使う流動性の高いヤツなので

あちこち流れてぐちゃぐちゃです。

そもそもキャブに液体系のパッキンやシール材はご法度です。


しかもコレ、接着力も高いので除去するのが大変です。


っつーかメインボア汚すぎやろ。。


実動車のものとは思えませんね。


綺麗に。


徹底的に。


フロートに余計なモンが付いてたら油面変わります。


特にキャブは汚くてOKな部分は無いです。


スッキリしました。


新品のパッキンを取り寄せて組みます。

そんな面倒な事ですかね。


フロートチャンバーのビスもご覧の有様なので交換。


この辺は全部純正新品に交換です。

言うときますが、電装品も中華なヤツが安くAmazonなんかで売ってますが

全くお勧めしません。

実例も散々見てきましたが

なんで安いのかよーく考えれば誰にでもわかる話です

で、いざ部品交換してみたら、アレレ、、火ぃ飛ばないジャン!


キルスイッチをキャンセルした際に適当に加工されたCDIの線が微妙にアースしていました。

多分私がごちゃごちゃいじったからですかね。

CDIからキーシリンダーまでの配線を不具合無いようにやり直して

無事にエンジン始動できまして。


電圧もマトモになりましたね。

この後は車検時と同等の点検を実施して

ついでに改善希望の箇所を改善しましたらお渡しです。

この車両のオーナーはこうなる事もわかって買っているので問題ないですが

ほんとオートバイの買い方は気をつけてください。

安いのは結構ですが

安く上がった購入費用はメンテナンスに充てるつもりでいないと

下手すれば命に関わります。

なんで安いのかよーく考えれば誰にでもわかる話です(2回目)。

最近こういうのをヤ○オクの闇とかよく言われて騒ぎ立てられがちですが

むしろその闇の方が本質ですよ。

明るいところから見てるから闇なワケでね。

闇の住人から見ればコレが普通です。

っつーかあそこは元々そういう闇の住人の居場所だったワケですよ。

↑こういう事言ってるから嫌われる

だから私はヤフオク大好きです🎶

いや、まぁこれだけ一般化しちゃうと健全な運営は求められて当然ですし

粗悪品やゴミを騙して売りつける輩は排除されるべきだと思います。

ちゃんとした売り手ももちろん沢山いますが

ただ購入する側ももうちょっと心構えが必要かなと。

せっかくなので上手に活用していきたいですね。


ではさらば!












2022年11月7日月曜日

コック移設。

 みなさまごきげんよっす。

コウバ長です。

どういうワケかタンク関係の加工ご依頼がちょこちょこありまして

漏れの修理から形状の変更にコック位置の変更など、、

これらはモノがそう大きくないだけにタンクを送ってもらって

加工してから送り返す感じです。


今回のご依頼はタンク前方にコックが位置する事から

車体の角度的に燃料を最後まで使い切る事ができず

これを改善する為にコック位置を変更してほしいという事で

タンクのみではどの位置にコックを持っていけば良いのかわかりませんので

車載状態の写真やフレームの写真を数点送って頂き

結果、左右のバイパスラインも後方に変更した方が燃料をきちんと使えるので


追加作業にてバイパスラインも移設。

毎度毎度、現車が無いので想像力の勝負で

合わなかったらやり直しなので猛烈に緊張します。


本溶接とリークチェックを終えたらタッチアップペイントですが

こちらのタンクは塗装ではなくセラコートで黒くなっていまして

ウレタンのブラックで艶感を合わせつつタッチアップしましたが

膜厚の違いから少し加工痕が浮き出る感じで申し訳ございません。

傷んでいたホースニップルやホース等交換させて頂き納品となりました。

試着までドキドキしていましたが、ご満足頂けたようでなによりです( ´∀`)

こういった送りでの補修や改造も承りますが

タンクコーティングの有無や塗装の温存度合いによっては作業が難しい場合もあります。

また往復送料はご負担願います事よろしくお願い申し上げます。

↓は過去の加工製作記録の一部です。

形状変更とコック位置、給油口位置変更(送り)





ワンオフ製作(送り)



コック位置変更(実車あり)


ではさらば!