2021年1月27日水曜日

スリーパー。

 


みなさまごきげんよう(´∀`)


さてさてドラッグスター400は継続検査と名義変更を終えまして。

タイヤも新品を履いている事ですし、ちょっと皮剥きがてらテスト走行へ行ってきました。

テストコースはいつもの道ですが

昨日の雨で塩カルも流れていて何とか走れそうなコンディションでした。

何で峠やねん!ってな話ですが、負荷もかかるし色んなステージが複合しているので

車両の状態を見たりタイヤの皮を剥くには丁度良いんですよ。


で、元来私はこういうクルーザータイプの単車には興味が全くありませんで

まぁゆったりと景色を楽しみつつツーリングするバイクでしょという解釈でしたが

このリア15インチでフロント16インチで車体もデカいドラッグスター400クラシック。

めちゃくちゃ面白いバイクですw


大柄な車体ですが、重量はエボスポーツと同じぐらいで重さは感じない。

ポジションは一応ステップボード付きのフォワードコントロールですが

足を投げ出す感じではなくてミッドに近くてニーグリップできる配置。

ハンドル幅は広めだけど肘が適度に曲がるくらいで乗車姿勢は意外とコンパクトです。

まぁそれは身長1800mmの私だからかもしれませんが、

一般的な人には無理のないポジション設定です。

走り出して驚くのは切り返しの軽さとハンドルの安定感ですね。

セルフステアが素直で急な切れ込みとか重さの変化が無くて

決まったバンク角でしっかり安定していて不安感が無い。

フルにバンクすると右はステップボードが、左はサイドスタンドが地面に当たりますが

想定されているバンク角内では物凄い安定感と軽さで正直楽しいです( ´∀`)

リアタイヤは端まで使う感じですがフロントはたっぷり余っていて

いかにフロントタイヤをいじめていないかがよくわかります。

コレ、比フロントからスリップダウンするというリスクが低いって事です。


空冷70度Vツインも図太い低速トルクこそ無いけどフラットトルクで扱い易い。

しかも結構回りますw

ので、デカい車体のくせに振り回せちゃいます。

このバイク、峠道になるとシケインの如くチンタラ走ってそうな風体ですが

ナメてかかると泣かされるかもしれません。

いやはや私自身ビックリしたと言うか

ヘルメットの中で「こりゃ面白いやん」と言わされた一台でした。

ドラッグスター400としてはあるまじきインプレですが

さすがハンドリングのヤマハと言うか

イメージをぶっ飛ばす良いバイクだということを記しておきたいと思います( ´∀`)

こいつは立派なスリーパーだと。


ではさらば!




2021年1月26日火曜日

ファーストバイク。

 

みなさまごきげんよう( ´∀`)


さて、普通二輪免許を取って初めてのバイクとして

ボチボチと整備を進めておりますドラッグスター400クラシックです。

もうすぐ免許取得!という事でタイヤを用意しまして。

元々ついていたタイヤは山はタップリあるのですが

製造年がフロント2002年、リア2003年と強烈に古くて、ゴムも硬化していて

オゾンクラックも見られますので車検には通らなくはないですが

タイヤとしてはクソなので新品に交換するというワケです。


セレクトしたのは前後ともダンロップのD404。

走行距離とタイヤを交換された時期からして、最初の数年で

現在の走行距離である16700kmを殆ど走った感じで、

それ以降は不遇の扱いを受けていた感じですね。


所謂長期放置の不動車は走行距離だけで判断せずに

不動期間を考慮した初期整備が必要になりますので

ある意味過走行でもしっかり手を入れられている車両の方がしっかりしていたりします。

ちなみに純正装着タイヤはBSのエクセドラかDLのD404ですが、

個人的好みにてダンロップです。


そしてキャブまわりはオーバーホールしてバッチリなのですがまたバラしていきまして

どうも操作感が気持ち良くなくていけません。

ちなみにフレーム周りも可能な限り磨いております。


スロットルケーブル2本とクラッチケーブル、スパークプラグを新品に交換しまして。

スロットルやクラッチの操作感に無頓着な人が多いのですが


ケーブル類は外観がマトモでもスパラルチューブが錆びていたり

ワイヤーの伸びやキンクなどスムーズな動きを妨げるトラブルが見進行していたりします。


ちょっと意地悪な角度を与えたりして虐めてあげるとご覧のようにポッキリ。

こういった経年劣化は日常使用では気付かぬうちに進んでいくので

たまにはケーブル類もチェックが必要です。


そしてエアクリーナーボックスが真っ白に劣化していて

見た目的に気持ち良くないので


綺麗にしていきます。

こういう白化した樹脂は樹脂復活剤を使ったりメラミンスポンジで擦ったりと

色々な手法がありますが、基本的には下処理が命です。


黒い部品が自然な感じで黒くなるとやっぱり気持ち良いですね🎶

いやホント細けー事ですが。


さらには長期不動車にありがちな感じでパッシングスイッチとホーンスイッチが反応せず

そうなると断線や補機類の故障、アース不良を疑ってしまいますが

実は接点不良が多いです。

放置車両の場合最初は点灯しなかったウインカーが次第に点灯し出したりする事がありますが

まさにそれですね。

まず電気が来ている事を確認しましたらば

スイッチを分解して接点を清掃し、グリスアップしまして。


やるべき事を考えればそれこそ止めどなく挙げられるのですが

まずは継続検査にきちんと受かって気持ちよく安全に乗れるようにという事で

あとは車検取得と登録を行なってテスト走行しましたらお渡しです。

そんなワケで中古車というのは何かと手を入れなければならない部分が多く

特に長期不動車や放置車両をオコす時はある程度覚悟しておいてください。


走行距離16700kmで比較的状態の良いこのドラッグスター400クラシックですが

少なくとも検査が切れてから4年は放置されており

少なからずDIYでいじられてしまっていた部分もあったので

バッテリー新品交換
スパークプラグ交換
エンジンオイル交換
タイヤ前後新品交換
ブレーキフルード交換
ハンドルグリップ交換
バックミラー交換
テールランプレンズ磨き出し
ウインカーレンズ交換
ウインカー本体分解修理
ヘッドライト分解修理
ディマースイッチ分解清掃
キャブレターオーバーホール
キャブレターボディブラスト処理
キャブレター調整
インテークマニホールド交換
スロットルケーブル交換
クラッチケーブル交換
純正マフラー交換
マフラーステー交換
車体各部清掃ポリッシュ
24ヶ月点検

と、まぁ結構な勢いで手を入れてようやく気持ちよく走れる感じです( ´∀`)


買い取ってきた当初は現状のまま出しちゃえと思っていましたが、、

やっぱり手を入れて良かったなと。

まぁそれも新しいオーナーあってこそのものです。


きっとこれからステップアップしていって買い替える事も当然あると思いますが

最初のバイクっていうのは本当に一台しか無いわけで

そうそう忘れられるものではありませんので

その最初の一台に私ごときが携われる事はとても幸せです。


これからこのバイクとどんな時間を過ごされていくのかとても楽しみであると共に

ちびっと羨ましい気持ちもありつつ全力でサポートさせて頂きたいと思います。


Godspeed you !





2021年1月20日水曜日

乗ってもらうこと。


みなさまごきげんよう( ´∀`)

寒いっすね。 


朝のコウバの気温もマイナス6度に達しており

焼け石に水というか氷に線香の火みたいな感じで

小さいながらストーブを出してきて何とか頑張っておりまして。


この寒さで山水を引いている配管は破裂し


寒さとは関係ありませんがコンプレッサーのタンクの底にピンホールがあいてしまい


タンクをパッチ当て修理したりしています。

水抜きを怠ってタンク内に溜まった水が原因なのですが、これだから中古は大変です。

※圧力容器なのでこういう修理はあまりよろしくありません。


さて少し気温が上がったらお預かり車両の試乗も行っていきますが

クラッチが切れきれておらず1速でクラッチを握っていても僅かに車両が進みます。

ニュートラルは出難いしシフトタッチもカッチカチでおかしいのでチェックです。

ケーブル調整の範囲を超えているのでクラッチランプ側を調整しますが


カバーを開けるとコーヒー牛乳がこぼれてきまして。

所謂オイルの乳化で水分とオイルが攪拌されて混ざってしまう現象です。

これがエンジンオイルであればある程度熱が入る事で水分が蒸発したりしますが

プライマリーケースとなるとそこまで温度が上がらないのでどんどん乳化が進みます。

走行距離や条件にもよりますが、流石に水混じりのオイルは性能も落ちていますので

綺麗さっぱりオイル交換してクラッチも調整しましたらば

クラッチもしっかり切れてシフトタッチも戻り、ニュートラルもスコッと出るようになり

非常に快適になりました。

載っている本人はこういった事に気づかないのか?

と思われる方もおられるかと思いますが、、

いきなりこうなるのではなく、ちょっとずつ悪くなっていっているので案外気づかないもので

不具合ってそんなもんなんです。

とは言え、小さな不具合は潰せるうちに潰しておかないと重大なトラブルに発展するので

自分以外の人に乗ってもらう事で違った目線で愛車を見るというのも大事です。

春はもうすぐそこ(だと思いたい)ですのでメンテナンスに励みましょう🎶

ってなワケでさらば!





2021年1月14日木曜日

ドレンボルト。


みなさまごきげんよう( ´∀`)

冬場はバイクに乗れない分、メンテナンスに丁度良い機会ともいえますが


ここ最近距離を重ねた車両で頻発しているのがオイルドレンボルトのネジ山破損でして。

締め付け時にネジ山を潰してしまい、次回のオイル交換時に

ドレンボルトがクルクル回るだけで外れない!

というパターンです。

ご覧のようにアルミのワッシャーが裏返るほど潰れていてオーバートルクを物語っています。

この車両の場合走行距離が約70000kmで、

新車点検の1000km以降3000km毎にオイル交換されているので、オイル交換回数は24回。

スーパーカブ110の場合、ここの締め付けトルクは24Nmなのですが、

アルミワッシャーがある程度潰れる事で

オーバートルクでの締め付けに対してヒューズになっています。

基本的にオイル交換毎に交換するべきこのワッシャーですが

オイル漏れを防ぐ以外にもこういう側面があるんですね。

何でもかんでもトルク管理しましょうとは言いませんが、

こういう柔らかい素材に対する締め付けにはかなり重要です。

こういう破損を見ていると、ホースをブッ刺すだけというスポーツスターのオイルドレンは

実は結構理にかなっているというかユーザーがオイル交換する前提というか

所謂リスクヘッジなのかなって思いますね。

ホースの劣化はありますが、そりゃ交換すれば良い話ですしね。

何れにせよ、セルフメンテされる場合はトルクレンチ1本は持っておかれる事をお勧めします。

ネジやボルトの締め込み具合を身につけていくのもメンテナンスの楽しみだと思いますし

ぶっ壊しちゃうと大変ですしね( ´∀`)


んではさらば!







2021年1月13日水曜日

アドバンスユニット。

 

みなさまごきげんよう( ´∀`)

と、形式的にはあけましておめでとうございますってなところですね。


年末に駆け込みで入庫して頂いた車両ですが、1年4ヶ月前にダイナSのローターボルトが緩み

アドバンスユニットがガタガタになってしまったので交換しましたが

今度はローターボルトがツーリング先で折れてしまいました。

そしてその際にご友人が持っておられた新品のアドバンスユニットに交換されたのですが

そのアドバンスユニットが今度はダイナSのベースプレートを削っているという状況で

私としても釈然としないので破損したユニット共々預からせて頂いた次第です。

ちなみに写真右が出先で壊れた物で、左はその際に交換されたものです。


まず1年4ヶ月で壊れたこちらのユニットはガバナースプリングが折れ


ガバナーユニットが暴れてカムカバー内を削りまわった挙句、

ローターボルトを折ったと考えられます。


ガバナーウエイトのロールピンの摩滅と


駆動軸の穴はガバガバに広がっていて


ウエイトの裏も削れています。


ピンというピンに穴という穴が広がってしまっていて

回転物が破損するとどれだけダメージが出るかをよく表しています。


位置決めのロールピンも潰れていますが、これはボルトが折れた際に起こった破損ですね。


対して新たに交換されたユニットはガバナーウエイトがベースプレートに接触して

このように削れており、このまま使用していればスプリングが折れる状況です。

ガバナーウエイトのピンに発錆していますが、潤滑不足と

タイマーカバー内の気密が保たれていない事も遠因と考えられます。


このアドバンスユニットは組み付け時にきちんとグリスアップする必要があり

使用過程でも2500マイル、つまり約4000kmごとに分解注油が必要です。

ポイント点火車はポイントのメンテナンスと併せて

アドバンスユニットも同時に整備する機会があると思われますが

ダイナSなどの投入でポイント接点が無くなってメンテナンスフリーになっても

アドバンスユニットはメンテフリーではないので忘れがちです。


そしてガバナーウエイトのベースプレートへの接触ですが

構造上ユニット自体が手前側にせり出してくる事はまず無いのですが

ガバナーウエイトはスラスト方向に大きなガタがあり、

裏返して見るとガバナーウエイトの駆動軸の圧入が甘く

この圧入不足分だけウエイトは手前にせり出してしまい

ベースプレートを削っていたようです。

最初に交換したアドバンスユニットは当方でたまたま在庫していたもので

新たに交換されたものも多少の違いはありますが同等の製品で

所謂、安いヤツです。

私自身も同じものを使っていたりするのですが

そういえば最初に自身の車両に組み付ける際に、

ローターボルトのセンターがズレていて組み付けできず、返品交換してもらった事を

今更ながらに思い出しまして

私の車両では問題なく継続使用できていますが、明らかに製品としての精度は良くなく

このような品質の部品をお客様に提供してしまった事を激しく後悔致しました。

一概に故障の原因を部品のせいにするのは簡単ですが、

価格の安さ、見積もりの安さ、在庫状況に目が眩んで品質を見落としていた

私の責任も大きいと思います。


よって今後はこちらのアメリカンプライム(元リベラプリモ)のユニットを使う事にしまして


本体はステンレス製でガバナーウエイトにはリテーナーも付いていて

スプリングの折損に対して配慮されているようです。

加えて組み付け時のグリスアップだけでなく、

ガバナーウエイトの取り付け精度もしっかりチェック

ローターボルト取り付け穴の精度もチェックしてから組むようにしたいと思います。

尚、ローターボルトは低強度のネジロック剤を塗布したうえで締め付けますが

ここの締め付けトルクは9Nmです。

一先ずアドバンスユニットを交換してエンジンを始動し、進角させてみたりしつつ

サウンドスコープでベースプレートの音を聴いても接触音はありませんが

もう少し車両をお預かりさせて頂いて実走チェックしたいと思います。



それではごきげんよう!