2019年9月9日月曜日

勘違い。



みなさまごきげんよう(´∀`)

今現在お預かりの車両は先日構造変更検査を通した以外は

ひたすらパテパテパテ、、、とかなり粉っぽい作業が続いています。

油っこい作業は郵政車両の保守点検と、農機具や自転車の修理なんかがありますが

時折、下駄がわりに使われているスクーターの作業を承る事がありまして。


今回はこの新し目のAF56、所謂スマートDIOというバイクで

毎日往復1kmの距離にある畑に行くのに使われているという車両です。

オーナーは75歳とご高齢ですが、昔にも2輪に乗っておられたとの事でした。

今回はエンジンのかかりが悪いので100回くらいキックを踏まねばならず

スローを濃いめにして始動性を良くしてほしいというご要望でした。

が、エンジンの特性からして普通にバッテリー交換してセル始動できるようにする方が

コストもかからず確実に改善できますよとご提案差し上げまして修理メニュー決定。

なのですが、色々お話を伺っているとエンジンオイル以外に何かを補充されたようで

会話の中に「2サイクル」という言葉がちらほらと。。

AF56は水冷4サイクルエンジン。

ご自宅に伺いまして実際に入れられた液体の缶を確認しましたらば


混合燃料ですね。

2サイクルオイルと勘違いされたようで、これを何処に入れたのかと言いますと


バッテリー横にあるこの「それっぽい」タンクですが

これはクーラントのリザーバータンクです。


結構タップリと補充されたようですが

ご年齢からしてスクーターといえば2サイクルでオイルは注ぎ足しで

2サイクルといえば混合燃料という事からこのような事態になってしまったと思われます。

高齢化社会ならではの事例といった雰囲気ですが

軽自動車に軽油を入れてしまう若人もいるわけで

高齢化社会というより時代を感じます。


クーラントとガソリンと2サイクルオイルが混ざってしまった訳ですが

幸い水と油ですので水の方が比重が重く、水路まで油は回っていないだろうという事で

リザーバーの経路を分解してタンクとホースを洗浄する事にしまして

排出された液体はまさにスライムでした(´∀`)

水と油の比重についてついでに言いますと

ガソリンタンクの錆取り時に乾燥不足でタンク内に水が残ってしまった場合も

同じ理由から水は底部に集まってきますので

タンク洗浄後キャブのフロート室に水が溜まって不調をきたす事が稀にあります。

ガソリンがいつも入っているタンクの底がよくサビるのも同じ理由で

結露した水分が底に溜まって錆びが発生するので

長期保管時はしっかり燃料を抜くと同時に、結露にも注意ですね。


話が逸れましたが、念のため他の水路も洗浄して綺麗にしましたらば


クーラントを注入しまして無事復活。


ゴミが沢山詰まっていたラジエーターコアも清掃しておき

バッテリー交換とブレーキの調整、タイヤエア圧の規正と点検しておきました。

バイクはご自宅までお届けしましたがご本人はご不在でして

バイクだけ届けて帰ってきたのですが、翌日お代のお支払いに来られた際に

「ブレーキまできちんと調整してもらってありがとうございました」

と。

さすがに2輪乗りだけあってやっぱり乗っただけでお判りになるのだなと

気づいてもらえてちょっと嬉しかったりしました(´∀`)

今回は珍しいトラブルで、クーラントの代わりに混合燃料を入れて油冷化してしまうのは

当然良いことではありませんが

間違えちゃったのはバイクの為を思っての事ですし

車両を購入した販売店は遠方で尚且つ既に廃業されてしまっているとの事で

畑とご自宅の往復が毎日安全にこなせるよう

今後も応援させて頂きたいと思った次第です。


それではみなさまごきげんよう!





2019年9月6日金曜日

TT900GPに交換。



みなさまごきげんよう。


新規導入したボロいVT250スパーダですが

250kmほど走りましてやっぱりタイヤがズルズルなので新品に交換する事にしました。

MC21のガルアームが入っていて、ホイールもNSRなのでラジアルが履けると思いきや

フロントはスパーダの2.50リムのままという事で、

適正幅のラジアルタイヤが存在しない為、ハイグリップバイアスであるTT900GPを

ラジアルを履きたい心を抑えつつ選択しました。


それにしても今時のバイクと言いますか、普通のバイクは整備性がとてもよろしく

タイヤを始め部品交換がサクサクっと進んで非常に楽チンです。

特にNSRあたりはサーキット野郎のことも考えてか、かなりタイヤ交換が楽ですね。

この辺がレーサーとなるともっと考えられていて、

キャリパーサポートなんかがきちんとスイングアームに残るようになってたりします。


ちなみにこちらは指定リム幅を無視して110のタイヤを押し込んだ状態のGPR-300で

プロファイルが丸まってしまう事で、タイヤの端の方が大きくラウンドしていて

そのせいでバンク角が深くなった時にズルッといっている痕跡が見えるかと思います。

ファッション的にはタイヤのサイズ感は幅やハイト、パターンを

格好良さ基準で選んでも構わないとは思いますが

タイヤメーカー指定の規定リムサイズは、当然タイヤの形状を考慮して決めてあります。

ので、安全面からきちんと決められた設計の範囲内でタイヤを選ぶべきだと思います。


こちらは皮むきを終えて約100km、所謂「ならし」を終えた状態のTT900GPです。

ちょっとフロントタイヤに負担がかかっている感じでトレッドが荒れていますね。


こちらは同じくリアの様子で、フロントに対してサラッとしています。

コンパウンドの配合が前後で違うこともありますが、この辺は足回りで改善を図ります。

ちなみにタイヤは端まで使わなきゃダサい信者の人が結構居ますが

別にそんなことはなくむしろ少ないバンク角でスムーズに走れればそれで良いですし

タイヤをドロドロに溶かしたい信者の人も少なからず居ますが

別にそんなことはなくむしろ公道走行においてはタイヤに負担をかけない方が

安全ですしスムーズだと私は思います。

ただ、タイヤの選択において「別に攻める訳でもないから適当でいいや」というのは

大きな間違いで、走りに合わせてキチンと配慮したタイヤセレクトは

安全に走る上で非常に大切だと思います。

まぁチョッパーに使われるタイヤは限られていますので

タイヤの選択肢は割と少ないのですが、それでも選択の幅はありますし

タイヤに合わせた乗り方というのもまたあります。

要はそのバイクで公道を気持ちよく走ることに思いを馳せて

タイヤを選び、乗り方を考えましょうと私は思っています。


話は戻りましてタイヤ交換に伴うセッティング(と言うほどではありませんが)変更を。

スパーダのフロントフォークは基本的に柔らかく、ブレーキングで沈み込んだフロントが

サッサと戻ってくれずボトムしたままになる事からフロントタイヤに負荷がかかり

結果ブレーキングでタイヤを使いすぎている感じになっています。

ので、フロントにはせめてイニシャルアジャスターを装着したいところですが

とりあえずリアサスペンションのプリロードを少し抜く事でややマシになりました(´∀`)


まぁブレーキが全然効かねぇというのもブレーキング時のタイヤの負担に繋がっていて

つまりはトータルで手を入れていかなければならないのですが

とりあえず以前のタイヤで感じていたスリップダウンの恐怖からは解放されましたので

ボチボチいじっていきたいと思います(´∀`)

もちろん営業時間外に。

備忘録的には

イニシャルアジャスター必要
バックステップ欲しい
ハイスロ組むべき
ブレーキの改善

こんなとこっすね。

まったくバイクってやつはいじるところが多くて大変です(´∀`)