2019年5月30日木曜日

福山自動車時計博物館再訪 #6





1961年式ダットサンフェアレディーSPL213。

Sはスポーツ、Pはパワーアップバージョン、Lは左ハンドルを表すらしいですが

シャシは211という事でサスは四輪ともリーフリジッド。

曲面を多用したボディーは本来塗り分け部分にモールが備わるはずですが

細かい事は抜きにして現存している事自体が貴重ですね(´∀`)



全くスポーティーさのかけらも無いダッシュまわり。


シフターもトラックかよ!みたいな感じです(´∀`)

息をのむような美しさも無ければ飛び抜けた性能も無い自動車ですが

なんつーか「夢」感は溢れていて、そこが魅力ですね。

こういう超希少車は希少というフィルターをかまして贔屓目に見てしまいがちですが

余計な知識はこういう時に邪魔だったりしますな。


トラのTR4も並んでいてどう考えても狙ってる感がハンパねーです。

というのも、先のダットサンとこのTR4は共に1961年の登場で

同じオープンスポーツなワケですが

TR4も新しいボディーに古い(つってもTR3)シャシというのも共通項です。

しかしTR4はミケロッティデザインで排気量も馬力もダットサンの倍以上

販売台数は約80倍と、まぁ対照的な2台であります。

そしてTR4は普通に美しいデザインで、私はトラシリーズではコレが一番好きです。


バルジがカッケー(´∀`)


ウエストラインに抑揚があってスパルタンな雰囲気です。


私は英国車の、というより英国的なセンスは苦手というか性に合わないのですが

こういう気品を見せつけられるとやっぱり魅力的ですね。


エッジと丸みのバランスが凄くよろしいです。


ワイヤーホイールもよく似合っていて渋さを醸し出しています。


個性的な寄り目顔。

毎度思いますが異形のヘッドライトとプラッチックで凝ったデザインを施さずとも

規格品のランプと機能と少しのデザインで十分個性的な顔を作れますよね。


メーターの配置だとかは先のフェアレデーと大して変わらないのに

男の仕事場感が溢れるコックピットでございます。

こういう所が英国車なんですよねぇ。


こちは、おフランスのプジョー203で1954年式。

非常にKUSTOMチックというかスムーズなボディラインで

このままでも改造ベースでもどっちゃでもイケる雰囲気です。


ルーフのラインやピラーの繊細さなんかは特筆ものですね。


かなり完成された造形で、早い話が余計な事をする必要が無いっぽいです。


グリルやバンパーなんかもこの状態で十分にカッコよろしいと思います(´∀`)


リアフェンダーもボテッとしていなくてお尻の絞り込みもシャープ。


この車体、コンパクトですがKUSTOMやローライダーのベースに良さげっす。

言うても一歩間違えればブッサイクになる事もまた必至で

そこら辺は王道のデュースやマーキュリーにも

残念な事にブッサイクな車両が居たりするのと全く同じ理由ですね。

実際にプジョー203の改造車って事でググると残念なの車両が多いのが残念です(´∀`)





2019年5月24日金曜日

カットマン。



みなさまごきげんよう。

さてさてオイルラインを交換しましたショベルFXRですが

ちろっと出戻り作業がございましてオイル漏れの修理です。


プッシュロッドカバーから。。


この汚れ具合からして以前からジワジワ漏れていたようですが

オイルラインが新しくなって血流がよくなったせいか、一気に出血したようです。


プッシュロッドおよびカバーを外して清掃しつつ


シール関係を全て交換しまして、やっぱり元々付いていたシールはボロボロですね。


分解ついでに、リフターも分解清掃しておきます。


前後ともシール交換、タペット周りの洗浄を終えて組み戻しましたら


当たり前ですがオイル漏れは止まりまして(´∀`)


ついでにロッカーアームシャフトのシールも交換。

あと、プライマリー側からもオイルが漏れたので

インスペクションカバー、ダービーカバーにシフターシャフトシールと

とにかくゴム系部品をかなり交換する事になりまして

オイルラインにエンジンマウント関係は以前に交換しましたが

やはりゴム関係は同じように経年劣化しているのでまとめて交換しておきたいですね。

ここら辺は私の判断ミスと言えます。

お恥ずかしながら。。


そしてキャブが突然オーバーフローしたとの事でチェックを入れますが


CVキャブは形状が複雑なのでここまで汚れるとパーツクリーナー程度では綺麗にできず

ちょっとボロい雰囲気なので外観も綺麗にしておきましょうってな具合で


ソーダブラストにて隅々まで綺麗に洗浄(´∀`)


油や埃が溜まるバネ部分や煤で黒く変色するバタフライバルブやインナーボア等

細かくて綺麗にし難い部分がご覧のようにサラッと綺麗になりまして


母材を傷めずソフトに汚れのみを落とせるソーダブラストはおススメです。


キャブおひとつ3000円+税にて施工承ります(脱着工賃別途)。


そしてフォークシールからもオイル噴出でして。

39フォークに装着されている、このダストカバーのカバーですが

基本的に装飾品でありシール効果は全く無く、水やゴミが入れば抜けずに

カバーが内側から錆びる事でシールを傷めたりするだけでなく

ダストカバー等の劣化度合いも確認できませんので不要だと思います。

装飾目的で取り付ける場合は定期的に取り外して内部を確認、清掃しましょう。


んなワケでインナーパーツを全て交換、オーバーホールを進めていく事にしまして


シールだけでなくガイドブッシュ、スライダーブッシュも交換。


シールやブッシュがハマる部分は汚れや腐食を落として軽くホーニングしておく事で

取り付けや今後の分解が確実に楽になります(´∀`)

今回FXRに39フォークを使うにあたって少し手を入れまして

フォークオイルをWAKO’sの#10にして油面チョイ上げと

イニシャルを少し増してあげまして

こうする事で奥での踏ん張り感が増して特にブレーキング時に効果的です。

これはXL系でもフロントダブルディスク車等にオススメの設定で

奥で粘るようになるので頭の入りが随分違ってきます。

ブヨブヨのサスがだらしなく沈むのを

ブレーキが効いてると勘違いしている人が稀におりますが

ブレーキとサスの関係は当たり前ですが大事です(´∀`)


以前はワールドウォークのリアサスにフロントはXL1200Sのアジャスタブルという

割と腰が高めなセットアップでしたが

今回の変更でリアはただのダウンサス、フロントも普通の883R用を2インチ伸ばしとなり

以前はフルバンクでフロントバンクのエキパイが地面と接触していましたが

今度はサイレンサーのエンドとサイドスタンドが地面と干渉するようになりまして

リア下がりでトラクションのかかりも良く

バンク角とタイヤの相性的には今の方が良さそうでもあります。

と、言うのはトラクションがしっかりかかってフレーキもよく踏ん張り

頭の入りが良くなったおかげで早い話が乗っていて楽チンで

低い速度で楽しめると言うよりは

楽しめる速度域の幅が低い方へ広がったという感じです(´∀`)

ハイパフォーマンスなパーツをブッ込んでいくのもひとつですが

そうでなくても楽しめるセットアップは可能だというお話で

バイクや乗り手によっても様々ですので

お気軽にご相談頂けましたら色々ご提案できるかと思います。


ってなワケでさらば!




2019年5月22日水曜日

福山自動車時計博物館再訪 #5





日本陸軍で制式採用されていた九七式側車付自動二輪車で

ベースとしては陸王ながら

車高を上げて側車側の一輪も駆動する二輪駆動として悪路走破性を高めたモデル。

実際中々に大柄です。


側車も駆動するとあって排気量は少し上げてあるらしいです。

細いアンダーフレームに対して固定される舟のブラケットがかなりゴツい。

ブレーキペダルは意外にも綺麗な造形をしていますね。


こちら側のカバーは装着されていないみたいです。

個人的にはこのエンジンのここのカバーは無い方がメカメカしくて好きです(´∀`)


キックは踏み下ろせないようにワイヤーロックしてありますが

乗って触って良い展示だけに

可動部はおもくそいじくり回されるに決まっていますから当然の措置ですね。


基本的にはVLの姿をしています。


ネックの鋳物部分はモールディングをかましたかのようなラインが走ってて面白い。

実際には軽量化の為に肉を抜いていると思われますが

お陰でくびれが生まれて美しくなっていて

こういう造形は勉強になります。


メーターはダイハツのが付いていました。

生産には陸王内燃機だけでなく

日本内燃機(くろがね)や東洋工業(マツダ)、岡本工業(ノーリツ)と

数社が行なっていたようですが、メーターは後年交換されたものなのでしょうか。


シートのヒンジの形状が非常に素晴らしいです。

ピボット部にはきちんとニップルが付いていて当たり前ですが真面目ですね。


トップティーへの繋がりとケーブルの出口。

この辺はリサイズとかRの取り方なんかでかなり化けるディテールですな。


アイビームスプリンガーですが恐らく延長されていると思われ

ワタクシはこのアイビームスプリンガーを愛して止まないので

2号機はナローでロングなアイビームスプリンガーをブチ込みたいと考えております。



こちらは陸王内燃機倒産後の陸王モーターサイクル製の側車付1955年式VFD。


エンジンは1200ccサイドバルブ。


エアクリーナーカバーやコイルにまで陸王のロゴがプレスされていました。


メーターダッシュは簡素でハーレーのような豪華さや重厚さは無い。

シャットオフバルブの位置はこんな所なんですね(´∀`)


薄いプライマリーカバー。


意外にもヘッドのフィンはピンとしてて鋳出しの文字もクッキリ。


緑青を吹いたメッキのアイビームスプリンガー。

やっぱり造形的に大好きだなこのフロントエンドは。