2013年10月22日火曜日

しばかれタンク




SPEED AND CUSTOM SHOWでエボスポ3連ブースに放置されていたバイクの話。

あのバイク、カッコわるかったね。


ああいうとりあえずまとめたみたいな外装を載っけていったらそれは当然。

見えにくいところに置いたものの、まぁ見ればそんなの誰にでもわかっちゃう。

カッコいい、わるいは目に入ってきた瞬間に直感的に感じられてしまうものだから。

こまかいディテールだとか、そういうことは直接的に絶大なものじゃない。

もちろん技術的なことも。


半田を使った板金にしたってウチにはそれしか術が無いからで、それを見せたいからじゃない。


でも今回は出し物的にまとめていったから、そういう見られ方をするのも自分のせい。


そしてバイクがカッコわるいのも自分のせい。




そういう思いをすることを前提で持っていった。

帰ってきてから気に入らないというかそれなりにまとめたタンクを修正してる。

左から、本来の形状に削り戻していって・・・・・



途中でタンクをボコボコに潰してしまった。

ストッパーが壊れてすぐにカタンと落ちてくる溶接面。

ハラリと解けて顔に落ちてくる鬱陶しい髪。

流れ落ちて鉄粉と混ざって眼に入る汗。

そういういろんな細かい苛立ちと、大きな鬱憤がバクハツしちゃったんだな。


イチからやり直そうかとも思ったけれど、タンクが悪くて潰したんじゃないから

ちゃんと修理することにした。

今回は完全に自分に負けた。

次は負けない。

これまでつくりあげてきたハンマーで叩き潰して、そのハンマーでまたつくりなおす。

底まで歪んでしまったから、底も一旦外して。


現状ではここまで直ってきてるけど、まだ想ってる造形とちがうんだ。


人間でいうところの上腕二頭筋の部分は少しパテを盛る。

デコはもう少し削り落とす。



この最後の一手でダメだったら

そのときは

綺麗さっぱり忘れて真っ白にしてイチからやり直そうと思う。


もはや何かに間に合わせようという気持ちは一切ない。




納得できるまでやる。




鑢のワンストロークが重い。




とてつもなく重い。




でも立ち止まっては居られない。




やるしか道は無い。