2023年7月24日月曜日

「らしさ」とは何か。

 みなさまごきげんよす。

いよいよ梅雨明けですよ!

アレですね、世はバイクブームと言われていますが

ほぼほぼバイク欲しい人には車両が行き渡ったんじゃないかなと。

後はあれですな、バイクも人もこの夏の暑さに耐えられるか

単車乗りとしてはちょっとしたハードルですわね。


さて本日は久しぶりのホンダ車、いや正確にはカブ以外のホンダ車かw

ご覧の通りSTEED400です。

しかも若いオーナーのファースト中型バイク。

いんやー、こうしてみるとドラッグスター400もそうですが中々カッコいいですな。


元々はNV400っていう狭角Vツインで、しかも同軸クランクではなく

位相クランクをブチ込んだ44馬力も吐き出すなんちゃってアメリカンを出していたホンダが

そういう変態要素を捨てて

(でもエンジンはNV400SPやBROS、VRXやシャドウまで使い回したけど)

ホンダ・オブ・アメリカ主体でモノホンのアメリカンな外装デザインに

ハーレーで言うソフテイルと似たようなリジッド風スイングアームを採用し

ネックからリアアクスルまで真っ直ぐ繋げて見せる(見せてるだけ)など

おおコレこそ中免で乗れるハーレーっぽいバイクじゃねーかという事で

レーサーレプリカブームの終焉と共に

絶大な人気を誇ったベストセラーかつロングセラーなバイクでございます。

ただ、賞賛すべきはHDをただパクッたんじゃなく

当時のカスタムシーンにあるディテールをふんだんにブチ込んできた事です。

ネックだけでなくサイドカバーからフェンダーまで繋げたモールディングスタイルや

フェンダーの上のテールランプなんかフリスコフェンダーをモロに意識しています。

スリムなティアドロップタンクにハンドルだってティーラーバーですよ。

ホンダめっちゃ尖ってるやん♪


んでこの個体、中古で購入されたって事なんですが強烈に程度が良い。

クランクケースやシリンダーは再塗装してあるしガスケットもピンピン。


ケーブル類もきちんと交換されていてクロームもありえねーくらい綺麗。


多分リアホイールもハブやスポークを新品交換しています。

痕跡を見るに、これは販売車両製作で行われた作業ではなく

前オーナーがひたすらお金をかけてメンテしてきたものです。

普通に中古販売用でココまでしませんからね。

よっぽどスティードが大好きな前オーナーだった事が想像つきます。


???

ハマナンバーやんwww

現オーナー曰く、、「横浜ナンバーがカッコイイと思って横浜で登録しました(自走)」

あー、こりゃ真性の変態です( ´∀`)

世の中、変態と呼ばれたい自称変態な普通の人が

「アタシー人からよく変わってるって言われるんですぅ」ってなノリで溢れかえっていますが

こういう事をサラッとやっちゃう奴ってのが本当の変わりモンですよ。

いやいや横浜ナンバーなんかにしたら構造変更大変やん?

当然そんな事は知らないワケですが、イイ勢いですわ。

個人的には姫路ナンバーとか広島ナンバーがお洒落だと思うんですが。


マフラーも純正かと思ったらトルク出てそうなイイ音がする社外品でした。

個人的には400ccクラスのトルクが細いエンジンに

トルクがさらに痩せまくるドラッグパイプで情けない音でポコポコいわせてるのが

猛烈に好きじゃなくてですね。

わかる、わかるんですよ直管のあの感じね。

わかるんだけどやっぱアレは排気量デカいか4発の集合の話っす。

ポコポコはダサいじゃないですか。しかも遅いっていうね。
↑ホントこういう要らん事言うから嫌われるんですがw

うーん、前オーナーも中々に狂ってますね。


Vツインの間に挟まるキャブやらホース類がこんなに綺麗っていうのは

普通のドバドバ洗車じゃ絶対実現出来ません。


もうめっちゃ部品変えられてます。


勢い余ったのかメーターまで純正新品に交換しちゃったみたいですw

何というか、前オーナーのスティード愛がハンパねー(汁


で、そんな現車を目の当たりにしていまったワケで

ご依頼は「フリスコスタイル」にフルカスタムだったんですが

こりゃ勿体ないというのと

「フリスコ」の解釈がだいぶ捻じ曲がってるなと。

それで言うならスティードってノーマルでも結構フリスコだよ?って事で

別物に変えちゃうんじゃなくて、よりSTEEDらしくしていこうよと。

つまりは、メーカーのデザインスケッチに寄せていくのはどうかとご提案させて頂きまして。

あらゆる乗り物はデザインスケッチがあるもので

車で言っても同じですがデザインスケッチ(レンダリング)の段階では

車高も低くて大径ホイールで、そりゃもうカッコよく描かれていますが

色んなせめぎ合いで市販車の形に落ち着くワケです。

それはスティードも同じ。


んで作業写真は省いて主に車体姿勢の変更でこうなりました。

スティードと聞いて思い浮かべるイメージって改造後の方だと思います。

尚且つ、ノーマルの乗り心地は損っていないところがミソです。

内容はウチでは定番のリアの車高下げとフロントのチョイ上げ

シートをレンダリングに近いVCLのスムースタイプに交換です。


これがノーマル。


改造後


そしてコレがレンダリング。

スイングアームの位置関係、フェンダーの被りやネック角を照らし合わせてみてください。

コレはコレで結構綿密に設定しないと出来ないんですよ。。

誰もわからない。

誰がどう見てもスティード。

だけどノーマルと並べると全然違う。

地味だし誰にも気づかれないかもしれない。

でも本当にスティードが好きな人にはわかる。


その車両のコンセプトをより忠実に具現化する。

これも改造の醍醐味だと思うんですよ。

改造というよりチューニングですね。

せっかくのファーストバイクですから、まず第一段階として

このスティードでどんどん走ってどんどん好きになってもらう。

そこから先はそれからでイイでしょう。

オーナーにとってまだまだたっぷり時間はありますからね。

じっくり時間をかけて付き合っていただこうかなと。

ドラッグスターでもスティードでもイントルーダーでもバルカンでも

どれでもイイや!

ではなく、スティードだからこそ輝く改造を進めていって

それがスティードらしだだけでなく

自分らしさに繋がっていけば良いなと。

そんな事を思いながら駄文を綴っております。

それではとりあえずさらば!