タンクの底面を前方で30mm、後方で10mmとスラントしてストレッチ
トンネルは前側が+5mmと斜めと斜めが交錯する中々複雑な加工のタンクですが。
仕上げの面調整をはじめ細かい整形へと進んでいきます。
写真は省略していますが加工部分は重防食プライマー塗布
タンク内部は再コーティングと見えないところにも抜かり無しです。
こういうのを「こだわり」と言われる事がありますが
私自身の満足のためではなく
バイクが長持ちするように、オーナー様が末永く愛せますようにという感じで
こだわりというよりも愛でございます。
気色悪いw
ですがただでさえ人口が減っているバイク業界ですから
今乗っている人やこれから乗ろうと思う人には、気持ちよくバイクに接してもらいたい
という気持ちです。
良いものを作りたい、提供したいという私自身の気持ちもありますが
作り手、乗り手双方に得るものがキチンとあるというのがイイですね。
で、サフを入れまして面調整の後は細部の修正を入れていきます。
本来このコフィンタンクは高さがそれほどあるわけではないのですが
最大で30mmも下に伸ばしていますので高さが出てきてボッテリとした印象になるので
上面のプレスの折り目を少しエッジーにーしまして
前後方向に走るラインをシャープにする事で、高さが増した分を視覚的に緩和します。
今回はペイントもご依頼頂きまして。
ソリッド単色ですが中研ぎも入れてクリアは一層増し塗りあげていきます。
タンクキャップ前方に薄くプレスラインが入っていたのも
加工により消滅していたので再現しまして。
やんわりとこういう造形を入れるのは実は難しかったりします。
そしてこのペイントではピッカピカすぎて搭載するバイクに似合わないので
ラフめに研いでからこれまたラフにポリッシュしましてくすませておきます。
だったら中研ぎとか要らないのではないかって事ですが
肌を整えておけば後々オーナー様がツヤ感等を調整しやすいですし
バイクの仕上がりによっては研ぎ直しで鏡面仕上げにもできますので
そのためにクリアも一層増してあるという感じです( ´∀`)
加工が複雑なうえにタンク外板が1.0mmという薄板で溶接が難しい案件でしたが
底板、加工部は1.6mm鋼板強化バージョンで製作し
指示書どおりの寸法にてこれにてタンク加工終了です。
現車フィッティング無しでの製作でしたが
綿密な計測のお陰で各部のツラ具合や形状もご満足頂けまして
唯一、後方のタブがフレームの湾曲部分と会わずに浮いてしまったようですが
そちらはフレーム側に台座を製作して対応して頂けると言う事で一安心です。
オーナー様自身は駐輪場でダイナをがっつりプライベートビルドされておりまして
自分で自分のバイクを作るという大切なプロセスをお手伝いさせて頂けまして
非常に嬉しく思います。
ありがとうございました。
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