2018年6月8日金曜日

拝啓20年前の俺。





20年ほど前だろうか。

アルバイトで捻り出したお金でやっと買ったライダース。車や電車に乗る時は勿論、寝る時まで着ていたしコレを着てバイクの乗り方を知っていった。

峠を走る時は脊髄とか肘にシンプソンのプロテクターを入れて、何が何でもこのライダースだった。コレを着て恋をしてみたりもしたし、泣いたり笑ったりゲロ吐いたり道端で寝ていたり自分にとって最強の鎧、というか皮膚だった。


今でも手元に残っているのはコレと、10年前に一目惚れして買ったKADOYAのライダースだけ。

そんなライダース、母屋の長押に吊るしている間にカビだらけになってしまったのだけれど、友達に教えてもらった通りに洗濯機に放り込んで洗ったら、オーバーオイル気味だった事もあってシットリかつサッパリと、早い話が簡単にすごく綺麗になった。

高価なビンテージとかいうわけではないけれど、青春のカタチが今ここに在るではないか。




青春?




人生の長押に吊るしている間にいつの間にか自分自身にカビが生えてしまってるんじゃないのかとふと思う。




拝啓20年前の俺。




今の俺を見てどう思うか教えてくれよ。




あの時よりもさらにカネは無いかもしれないが




未だ単車には乗ってるぜ。