2024年3月11日月曜日

それはあれだ、どこの製?

 みなさまごきげんにゃお。

コウバ長です。

愛車のタイヤ交換をかましたのに全然皮剥き行けてませんで。

なんなら原付以外の単車に乗ってない私です。

でもでも、いよいよ3月になってスキー場も営業終了したので、、、

次の雨で塩カルが流れたら思いっきり走ろうと思いますです。


さて、思いっきり走るには良いのですが、キチンと止まれないのはBADです。

おぉ、ブレンボの4POTにマロッシの大径フローティングローター!

こりゃさぞかし止まるだろうと思いきや、、、

ブレーキ引きずりというかほぼブレーキかかっちゃって止まりすぎの刑。。


最初はピストンの戻り不良だろうと思い清掃で何とかなるかなと思いましたが。

分解してみると片側のピストンが全く出てきていませんで。


キャリパーの割で見てもローター1枚分くらいキャリパーが内に寄っちゃってます。

通常であればキャリパーサポートはシムで調整できるように余裕をもたせるのですが

このサポートは残念ながら逆方向に余裕が無いので

サポート側を切削しないとクリアランスが確保できません。


ので、サポートのキャリパーマウント部を強度を落とさないギリギリの寸法に切削。

本当を言うとあとコンマ5くらい詰めたかったのですが

そうなるとサポート両面を切削せねばならず。

一度製品として完成しちゃったものを追加工するのはコスト高なので

両面を加工しているとものすごく高額になってしまいます。


キャリパーピストンの動きは僅かに左右均等といきませんでしたが

引きずり無くスムーズに動くようになりましたのでこれでお許しください。

元のキャリパーよりピストンがデカくなり油圧レシオが変わっていますので

フィーリングが気に入らなければマスター交換ですね。

キャリパー交換ひとつでも細かい話ですが

センター出しは非常に重要な作業です。

今やラジアルマウントが当たり前でシムで調整なんてしない時代なんですが。

まぁ拘るお店はホイールのローター取り付け面を切削してセンターを出したりしています。

こういうのってスポーツバイクなんかでは当たり前の事なんですが

チョッパーも同じですので

ブレーキに限った事ではありませんがきちんとした設定は大変重要です。


リアブレーキはパッドが限界ギリギリ。

本当はハイギア組む予定だったのですが

ジレラの独特な構造に加えて、強烈な固着でハブが抜けず、、

私もプロとして(赤字出しながら)できる限り作業しましたが

もうハブを壊すしか道がないところまで頑張って、今回は作業見送りとなりました。

それにしてもプーラーが壊れるほどの固着って一体、、、


パッドは元と同じマロッシで。

何かアレですね、マロッシのパッケージってワクワク感があるというか

どことなく洒落てるのはイタリアンだからですかね?

いや、イタリア製だからという先入観がそうさせるのか?

でも実際ジレラとかいじってるとハブもグリメカ製だったりイタリーブランド品が盛り沢山で

いちいち「おお!」って思う私はミーハーですハイ。


ピストン清掃、パッドピン研磨してホイールも綺麗キレイして組み戻し。

ホイールはセンターナットじゃなくてM8ボルト5本締め。

締め付けトルクに非常に気を遣う設定ですな。

イタリアンって情熱的で陽気なイメージしかありませんが

こういうの見ていると実は結構繊細で真面目なのかなって思ったり。

まぁ物造りにおいて私はチェコとかオーストリアの考え方に共鳴するというか

尊敬の念を抱くんですけれどもね。

いろんな生産国の製品に触れてると色々考えさせられて面白いもんです。


ファイナルギアボックスを清掃してギアオイル交換して完了。

あ、オイルはおフランスのMOTULで申し訳ございません。

アジップにすりゃ良かったか(笑


何やかんやで日帰り作業のはずが大幅に時間食ってしまいつつ無事お渡しできました。

それにしてもこの車両、オーナーが不動状態からここまで仕上げたんですが

この度外装も綺麗に塗り直してもらって良い感じですね。

中身はレーシングクランクと今回断念したハイギア以外はマロッシフルチューン。

オーナーが弄りジャンキーな事もありますが

こういう情熱のこもった車両は私もやっぱ頑張っちゃいますね。

まぁわざわざウチに持って来てくれる人ってのは基本的に情熱ある人たちなので

つまり私は常に頑張らなきゃならないのですが

頑張らせて頂いている事に深く感謝しなければですね。

さて、3月というバイクにおけるハイシーズンを迎えた事で

陸運局は例年の如くダダ混み、入庫車両も増えてきますので

ご用事あります場合は早めのご予約よろしくお願い申し上げますってな

毎度の締めくくりでさらば!