2024年3月13日水曜日

2号機進捗。

 みなさまごきげんよう。

さてさて我が2号機、正直言うと非常にゆっくりペースで進んでおります。

まぁ納期があるわけでもどっかのShowに間に合わせるわけでもないので

手が空いている時とか、あるのか無いのかわからない定休日なんかにコツコツやっていまして

作業的にはまだまだ地味な下ごしらえ状態で劇的なものは無い。

だけれども1号機に2年もかけていた10年前とは違って

手探りまさぐりで無駄な事をせずに、正しい事を確実に進めていきたいと思います。


バイクを作るうえで重大な要素としてのタイヤ/ホイールのサイズですが

それらが決まればアクスル内部の構成部品を一通り組んでみて

チェーンラインも含めてフレーム幅をどこまで詰められるかを精査していきます。

特に私はアホなので寸法関係はしっかり決めとかなきゃイカンですよ。


キャリパーは1号機と同じAPロッキードのCP2696でパッドはメタリカの予定ですが

タイヤがタイヤなのでデイトナの金あたりでバランスを取るか?

この辺はフロントブレーキの出来でどれだけリアブレーキの負担を減らせるかにもよる。

もっとも、ガッツリ止めれるフロントブレーキにする予定は無くて補助的なものですが

少しだけでもフロントが使えれば、リアの耐フェード性に寄与するかと。

いくら強烈なブレーキを奢っても、タイヤが食わなきゃ意味無いので難しいところですね。


XL系で残念なのは車体右側にスプロケが来ちゃう事なんだよなぁ。

アイアンドラムや油圧ドラム入れたところでスッキリするのは左側。

シンプルを極めるにはアレですが、まぁそこはわかったうえでの4カムモーター。

右にスプロケが来ようが好きなんだからしょーがねーっす。


リアに対してフロントは19インチで1.60のDID鉄Hリム。

タイヤはAVONスピードマスター3.00で1号機と同じ。

と、言うか33ナロー組むとこのセットアップになる。

ALLSTATEで2.75-19が出てるんですけどね。

あんまり細いのもね、ゆっくりとはいえ峠道しか走らないので。


問題はこのリムが綺麗にリクロームできるかだなぁ。

1号機はパーカライズドだからサビの痘痕もきにならないんですが

今度は綺麗目なバイクにするからリムのコンディションは重要です。

リムと言えば10年前は普通に買えてたはずの15インチ40穴リムも

めっきり見かけなくなっちゃってて困ったもんです。


下ごしらえ作業は続いてネックへ。

ネックから元のフレームのパイプを丁寧に抜き取りまして。

それにしてもボロい首だな。。

これまた1号機と同じかよ!

という突っ込みが入りそうですが、ハイ同じですよっと。

鋳物という構造体で、尚且つ造形もボリューム感も丁度良い大好きなパーツです。

そもそもこのネックをわざわざエボスポに使ってるアホは多分私くらいだと思います。

だってこんな超めんどくさい事誰もしませんて。

私がお客様にもよく言う事なんですが、「誰もやってない事」って理由があるんですよね。

理由は2つで格好悪いからかクソ面倒くさいからか。

そもそも多くの人が「誰もやってない」って大好きな言葉だと思うんですが

大事なのは誰がやってるかとかじゃなくて

格好良いかどうかなワケです。

そりゃ格好良いものをパクってドヤ顔するのはどうかと思いますけども。

胸を張れないのは誰かと同じだからではなく、確固たる理由なく何となくやってるからで

私ぁたとえ誰かとカブろうが自分の信じる道を胸張って進みますよ。


んで、私のこの首は70年代の右側にVINナンバーを刻印する台座が設けられたヤツで

ただでさえ不細工なこの平面を、さらに不細工かつ乱暴に車体番号が削られていて

バイクの顔たる右側、今時の言い方であればA面がこんなボロボロでは話にならん。


と、いう事でネチネチと怨念込めて溶接肉盛りして形状を復元というか

反対側と同じように仕上げまして。

不要な造形もスムージングしていきます。

以前はこういう細かい事は後でイイヤという考えでしたが

こういう細かい事は部品単体のうちにやっておくほうが作業性も仕上がりも良いので

早る気持ちを抑えつつ砂鉄を大量生産しております。


そりゃ全体を占める面積とかいう面で後ろ側の補強なんかは後でやりますが。

もうしばらく、ネックの細かい造形作業を続けていきます。

具体的には一番好きな横面のフィンの高さを上げてシャープにしつつ

上側にもフィンを繋げていく予定。

今回はかなりモールディングするんですが、ある程度は鉄で作っておく作戦なんですな。

造形的に生き物のような躍動感、そして機械としての金属感。

どう説明してよいのかわからないんですが、そういうテイストにもっていきたい。

なぜに「いのち」と「機械」を絡め合わせたいという意識なのかは

うーん、機会があれば記述するかもしれません。


フレームの構成部品としてはリアのアクスルプレートも何とかしたいところ。

個人的にはこの三つ葉プレートがあんまり好きじゃないんですよね。

黒塗装ならまだしも、色を入れると形状が主張し過ぎてしまう。

まぁ何が嫌いとか言うと、それが好きな人からは嫌われるんですけれども

私は好きな理由そして嫌いな理由がハッキリしていれば

他人が何を好んで何を嫌おうが自由でいいじゃんと思うんですがね。

他人の嗜好ベースにその人を自分の中でどんな立ち位置にするか決めるなんて

価値基準や判断基準が狭すぎやしねーかと。


また話がズレていっていますが、アクスルプレート部分は

ソフテイルのコレをベースに改造していきます。

求めている形状に1番近いのと、強度的にもしっかりしているのが決め手ですね。

そりゃビッグツインのアクスルプレートも大好きな造形なのですが

あれは結構肉が薄いのでBUELLモーターの高トルクに耐えられるか不安なのと

エンジンがEVOですからテイスト的にちょっと違うんですよね。

だったらイチから作れや馬鹿野郎!ですと!?

いや、私は単なる改造屋であって創造者ではなく

そもそも何かを創造するような知識も経験もスキルも持ち合わせていないボンクラなので

手に入れたものや好きなものをもっと好きになれるように改造していきますよ。

私はビルダーでもアーティストでもなく、ただの改造屋。

2号機に関しては色々考えた事の答え合わせであり

この10年で自分が何を見て何を得てきたかの確認作業だと。

そう思っております。


ではの!