みなさまごきげんよう^ ^
さて本日はまた81FXSさんです。
週末に「今日行っていいですか?」との事で
「どこか具合悪いですか?」とお尋ねしましたら
「いやむしろ絶好調です」との事。
よきかなよきかな。
と、思っていましたが道中で突然失火し始めたとの事で
その際メーターの電源が入ったり切れたり、、
こういうトラブルは大抵
①バッテリーターミナルの緩み
②サーキットブレーカーターミナルの緩み
③コイルの電源線の緩みや圧着不良
④点火系電源線の電圧ドロップ
⑤レギュレーターコネクターの接触不良
あたりが相場です。
で、実際にエンジン始動してもらうと
バッテリー端子間電圧が10V、、9V、、と急降下。
スロットルを煽っても電圧上がらず
イグニッションON状態でヘッドライトもメーターも消灯してしまうような状態でした。
まずどう考えても充電されていないのですが、レギュレーターとダイナSは昨年交換されたとの事。
そうなるとステーターが怪しいですが、計測するとステーターは発電している模様。
そうこうしているうちに全くエンジンが始動不能になりまして
そのままお泊まり保育となりました。
ここからは長い長いトラブルシュートです。
バッテリー電圧が激しく降下していく事から、どこかで盛大に漏電しているはずで
とりあえず2ヶ月ほど前に交換されたバッテリーを充電してみます。
ところが一晩充電してもLOWのままで全然充電してくれませんで、、
車体から外してバッテリー単体で充電するときっちりフル充電。
つまり車載状態だと充電が追いつかないくらい漏電しているという事ですね。
ちなみに1ヶ月ほど前にコイルも新品交換されていて
過去に何度もコイルを交換されているとの事で
電装品が次々と短期間で死んでいくという症状。
これは中々根が深そうです。
シート下の配線を全てチェックしていきますが
このように芯線が数本切れていたり
沢山のツギハギ箇所や
被覆剥けに芯線切れ
これはメイン電源線。
繋がっている線は2/3くらいかな?
メインスイッチ平端子のサイズ違いで端子スッポ抜け。
被覆の劣化
見えない所でも銅線の露出や
レギュレーターからのB+配線のショート。
これは思いっきりスパーク起きてました。
ハイテンションコードの端子変形による接触不良に
コイルおよびダイナSへの電源線の不具合と
疑わしき箇所がいくつも発見されましたので
シート下のハーネスを全て引き直す事としまして。
全ての端子はカシメだけでなく半田でしかり固定
ツギハギ箇所はなるべく少なくしつつ
転がしてあった15Aのブレーカーは
メインの30Aを追加してブラケットを製作、分岐はターミナルブロックで
アース線はAWG4のぶっとい線でマフラーアース。
元々がそういう作りになっていないのでスペース的に苦労しましたが、、
ETCも搭載している事を考えるとかなりスッキリしたかと。
フェンダー前にゴチャゴチャしていた配線も、アースケーブルとテールの配線のみになり
これでもう電圧ドロップは解消、レギュレーターも交換してバッチリと思いましたが
どうにもエンジンかからず、、
点火時期も確認、火は飛んでるしキャブもおかしくない。
さらに検証していくとイグニッションをONにすると
電圧が0.1Vずつカウントダウンのように落ちていく事がわかりまして。
これはダイナSが逝っちゃってるっぽいですね。
と、いう事でダイナSも新品に交換しましたらキック1発始動。
結果的にはハーネスの漏電による電圧ドロップとレギュレーター配線のショートで
レギュレーターとダイナSがパンクしたというものでした。
私はカスタムバイクのハーネス製作時には結構気を遣っていて
使用する配線の太さやアースポイント、分岐の方法や被覆処理
後々の拡張性やトラブルシューティングのし易さなども考慮して作業しています。
いやそこまでは必要ねーだろと言えばそうかもしれません。
短期的には適当にハーネス繋いでも大した問題なくバイクは動きます。
一定期間は。
とりあえずバイクを動かすなら点火系に電気行ってればエンジンかかって動いちゃうワケですから。
それが度重なる振動や経年劣化でダメになってくるんですが
そういうところで違いが出てきます。
参考までに私の1号機は、よく壊れると言われているコイルもレギュレーターもステーターコイルもダイナSも
1度も交換する事なく元気に走っています。
バッテリーですら9年間交換していませんでした。
なんかよくわからないけど時々調子悪くなって
この辺のパーツを頻繁に交換されているようであれば
今一度、ハーネス自体を見直してみてください。
安くはないですが補機類の寿命は圧倒的に長くなりますので
長いスパンで見ればバランスシートは差し引きプラスになりますよ。
ついでに(私はついでという言葉が大嫌いですが)シフトノブ交換にあたり
ネジ山が全然違うので新しいスレッドをシフターに溶接して作業完了です。
※本来のご依頼作業はコレでした
試乗チェックして失火もせず各電装品の動作を確認してお渡しです。
ミッションオイルだだ漏れ修理からのNSG組み込みからの各部修理と
随分と時間と費用がかかってきましたが
さすがにもう悪くところは無くなったかなと。
オーナー自身によるセッティングも完成の域に達しているので
あとはひたすら楽しく乗ってもらいたいですね。
ではの!
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