2019年5月22日水曜日

福山自動車時計博物館再訪 #5





日本陸軍で制式採用されていた九七式側車付自動二輪車で

ベースとしては陸王ながら

車高を上げて側車側の一輪も駆動する二輪駆動として悪路走破性を高めたモデル。

実際中々に大柄です。


側車も駆動するとあって排気量は少し上げてあるらしいです。

細いアンダーフレームに対して固定される舟のブラケットがかなりゴツい。

ブレーキペダルは意外にも綺麗な造形をしていますね。


こちら側のカバーは装着されていないみたいです。

個人的にはこのエンジンのここのカバーは無い方がメカメカしくて好きです(´∀`)


キックは踏み下ろせないようにワイヤーロックしてありますが

乗って触って良い展示だけに

可動部はおもくそいじくり回されるに決まっていますから当然の措置ですね。


基本的にはVLの姿をしています。


ネックの鋳物部分はモールディングをかましたかのようなラインが走ってて面白い。

実際には軽量化の為に肉を抜いていると思われますが

お陰でくびれが生まれて美しくなっていて

こういう造形は勉強になります。


メーターはダイハツのが付いていました。

生産には陸王内燃機だけでなく

日本内燃機(くろがね)や東洋工業(マツダ)、岡本工業(ノーリツ)と

数社が行なっていたようですが、メーターは後年交換されたものなのでしょうか。


シートのヒンジの形状が非常に素晴らしいです。

ピボット部にはきちんとニップルが付いていて当たり前ですが真面目ですね。


トップティーへの繋がりとケーブルの出口。

この辺はリサイズとかRの取り方なんかでかなり化けるディテールですな。


アイビームスプリンガーですが恐らく延長されていると思われ

ワタクシはこのアイビームスプリンガーを愛して止まないので

2号機はナローでロングなアイビームスプリンガーをブチ込みたいと考えております。



こちらは陸王内燃機倒産後の陸王モーターサイクル製の側車付1955年式VFD。


エンジンは1200ccサイドバルブ。


エアクリーナーカバーやコイルにまで陸王のロゴがプレスされていました。


メーターダッシュは簡素でハーレーのような豪華さや重厚さは無い。

シャットオフバルブの位置はこんな所なんですね(´∀`)


薄いプライマリーカバー。


意外にもヘッドのフィンはピンとしてて鋳出しの文字もクッキリ。


緑青を吹いたメッキのアイビームスプリンガー。

やっぱり造形的に大好きだなこのフロントエンドは。