2018年8月28日火曜日

興味が無いと一蹴すればそれで終わり。


みなさまごきげんよう。

この夏は子供たちが高熱を出したり台風が直撃したりと

全くどこにもお出かけさせてあげられませんで

それではあまりにも可愛そうなので少し時間を作ってお出かけしてきました。

と、いうのは表向きの大義でありまして

うちの近所のヨーデルの森という施設では毎年、はたらく車が展示されるのですが

今年は自衛隊車両が日限定で展示されるとのことで

早い話がお父さんの満足度をマックスに持っていく為に出かけてきましたw


展示車両はコチラ、通称パジェロとされていますがその実中身は2代目パジェロの

1/2トン小型トラック。

当初はコレも73式と呼ばれていましたが近年改められまして

そもそも◯◯式というのは制式化された年を表すものですので当然ですね。


コレは最新型でボンネットにインタークーラーのダクトが無くなり、フラットなフードで

フォグランプもバンパー上から埋め込みになったモデルです。


前置きになったインタークーラーはグリル下へガードを伴って移動していますね。

ペラペラのパンバーですが鉄バンパーなだけマシな感じで

独立懸架の前足なんかを守るアンダーガードも一応装着されていますし

牽引フックは左右に、ワイヤーやフックの外れ止めのプレートが溶接されていて

ソコソコちゃんとしています。


規格の丸2灯式のヘッドライトと、そのベゼルに設けられたスリットですが

これはパジェロの伝統で溶けた雪や泥の排出口だったりします。

ウインカーレンズに防水、防塵の為の透明な樹脂カバーが付くのは73式の伝統。


ジープと同じく独立したフェンダーを持っていますが

ジープではココとリアのタイヤハウスに載っける形で

車両を縦に重ねて積載するという役割があったものです。

確か。


それが為にウインドシールドも倒れるようになっていたりしますが

民生用幌モデルの多くがジープを手本にしていたのでコレを踏襲しましたね。

ジムニーがジープのコピーとして有名ですが、ランクルのご先祖様は

その名も「トヨタジープ」でした( ´∀`)

内容は単なるジープっぽいトラックでしたがw


熱抜きのスリットにいくつもあるフットマンループ、電源の取り出し。

これらに対してアンマッチなサイドマーカー。


リアのB.Oランプにも丁寧な透明樹脂カバー付き。

マウントボルトが左右にあることから強度のある部分に装着して守っていますね。


コンビネーションランプはL系パジェロそのものでガード付き。

トレーラー牽引用のレセプタクルもボディー埋め込み処理。


リアのメンバーにはちゃんとピントルフックが付いていますが

今やこういう本当の牽引具を装着できるファイナルメンバーを持った車両は僅かですね。

ジープはこの為にリアメンバーに筋交いが入っていたりしました。


ホイールはパジェロJトップと同じ18インチですが専用の鉄ホイールで

最低地上高を少しでも上げていますがタイヤの選択肢はほぼ無し。

ハブはオートハブなんていう不安な部品は付いていない。

ホイールナットのキーペンが泣かせますね。


排気はデパーチャーアングル内に収めるように配慮されていますが

泥や水が常にかかる場所でもありますし、エンドは地面と水平カットにしたいですが

まぁ安全面とかそういう絡みもあるのでしょうね( ´∀`)

リアのサスはコイルではなくリーフリジッドになっていますが

1/2トンの積載が前提ですので当然ですね。


剥き出しのヒンジでシンプルな構成。


泥や雪なんかが溜まりにくいようになっていると思われるボディー裾の処理。


サイドステップ兼用の泥落としがサイドシルに設置してある。


幌は沢山のストラップでテンションをかける方式で


初期の頃よりも張りもあってしっかりしている印象ですし

生地も当然良いものを使っていますね。


テールゲートは乗降口でもあり、つまりこのホイールベースにして6人乗りです。


室内には後部座席のアシストグリップとシートベルトのアンカーを兼ねた

それなりにマトモなロールバーが入っています。


シートベルトはELR式。

年式が年式なので保安基準をきちんと満たすように当然なっています。


5人目と6人目はこの狭いオーバーハングの折り畳み椅子に座りますが

「輸送」ですので文句は言えませんね( ´∀`)

言うてもRVブームの頃の3列目シートも民生用ながら似たようなもんでしたが

そもそも乗車定員で売れるか売れないかが決まったりした時代です。


シートは表皮がオリーブドラブのビニール張りで

キモいモケットや似非レザーなんかでなくコレで良いですね♪

ジープの頃は明らかに民生用よりクッションの良いシートでしたが

これはどうなんでしょう。


シンプルな鉄板ダッシュボードはマグネットがひっつきます。


そしてエアコンも装備。

スマホ(?)のホルダーは現代では必需品。

開発された頃には影も形もありませんでしたからねぇスマホなんて。

因みに登場は1996年ですのでジムニーのフルモデルチェンジが98年でしたから

ライフが長いとされたJB23よりコチラのパジェロの方が古くなってしまいました。


そしてミッションはオートマチックでトランスファーはスーパーセレクト4WDという

ビスカスカップリングを用いたフルタイムとパートタイムを併せ持つシステム。

まぁオペレーターには優しい仕様と言えるでしょう。


災害時の情報収集の為にかラジオも装備されてます。

無造作に小物入れに突っ込まれたETC車載器は当然三菱製w


外板がペラペラのドアにはサイドインパクトビームが入り

側突安全性を確保しつつ、ドア内のスペースに銃のホルダーを設けてある。


灯火類は昔ながらのロータリースイッチを使って灯火管制時に備えている。

上側の突起は間接照明でジープ時代から変わらないわけですが、

明るいことが有り難く無いシチュエーションが想定されているって事です。


スライド式の窓はこのフックで固定しますが

ウェザーストリップがこの部分を避けていたりと意外と凝った作り。


消化器も自車、そして他車の為きちんと装備。


ここ(Aピラー)にアシストグリップが有るのは悪路では特に有難いんですよね。


そして助手席の傍にも悪路走行時に有効なアシストグリップが有る。

ジープや古いジムニーと同じく飲み物の保持は懐かしいカップホルダーで

ショートや細身のロング缶コーヒーはカタカタ暴れて仕方ないアレです。


J4からJ54A、J20系という自衛隊のジープの流れがコレに変わった時は

何ともひ弱な車両を制式採用したものだと悲劇に感じたものですが

マトモな4輪駆動車が消え失せてSUVばかりとなった今見ると

このパジェロのパッケージというかシンプルさは結構好ましく思いますね。

勿論、走破性は大した事ありませんが、必要十分ですし


新型ジムニーが大変な人気で、

ここ最近、モデルチェンジした新車の発表でこれだけ話題を呼ぶ車は珍しいですが

実際、新しいジムニーはかなり良いと思いますが多くの方々は走破性よりも

あのキャラクターに魅力を感じているんだと思います。

三菱さんもこの1/2トントラックを「余計な事せずに」売り出したら

きっとよく売れるんじゃあないかなと。

ジムニーは大人気ですし本家ジープのJKラングラーも好調ですしね。

或いは同じようなコンセプトでパジェロミニっていうのも良いかもしれません。

そうすれば初代パジェロをリリースしてRVブームを牽引したあの頃のように

またヒーローになれるんじゃないかと思いますね。

激しく。


因みに隣にあったのが同じくパジェロですがジープの後継としての役割からすれば

隣の鉄板剥き出しで国防色に塗られた質素な車両の方が正常進化と言えるでしょう。

まぁ何とも皮肉な並びを演出してくれていますがw

メーカーが思ってる、売れそうなモノと

ユーザーが求めているモノっていうのは必ずしも一致するとは限らないもので。

そういった事を外野的に見るには丁度良い機会だったなと。


何を貫くかで


終末までの全てが決まるんでしょうね( ´∀`)



そして我々も興味を抱く事を忘れてはいけないと思いました。



ではさらば!