2014年1月11日土曜日

ぶよぶよタンクその2


みなさまごきげんよう!

というか一週間も放ったらかしててごきげんようというよりおひさしブリでございます。

今日はぶよぶよタンクの続き。


これですね。

エンブレムのネジ穴を保持するためのブラケットがスポット4点留め。

隙間に水が侵入して錆びるというパターン。


スポットを揉んで外す。

別にスポットカッターなんか無くても、サンダーで執念深く削りとっていけばいい。

鉄板が薄くなって焼けて色が変わる辺りを目安にすればタンクの鋼板を傷めない。

工夫と丁寧さでどうにでもなる。


例の部材を外すとやっぱり穴だらけですね。


このレベルだと、半田ごてを使った補修は厳しいものがある。


残留フラックスのことも考える(残渣という)。




まず下地の絶対条件として、腐食が完全に除去されていなければならない。


このように。


どんなに深い痘痕でも、隅々まで根こそぎ執念深く錆を取らねばならない。


そしてこの痘痕が、半田ごてによる補修と合わさってまた後々悪さをするのです。

ピンポイントでフラックスを使用して穴を埋めていった場合、

複雑な痘痕の小さな窪みなどにフラックスが残留することになる。

残渣は地金だけでなく半田自体も腐食させるのです。


そして残った痘痕はパテの下で不純物を含み増幅する。

レストア車が長くは保たないというのはそういった辺りも関係している。


完全な錆の除去と、しっかりとした脱脂、足付け。


そして適切な処置で寿命は変わってくるでしょう。


今回はこの部分を全て埋めます。



施工範囲を決めてしっかりと半田メッキの後に埋めます。

下地に関しても、不十分であれば半田が剥離を起こします。

痘痕の隅々までしっかり洗浄できて、プライマーの上から隙間なくパテを打てるのであれば

もちろんピンポイント補修+パテでも大丈夫です。

しかし痘痕を残してピンポイントな半田補修の後に直接パテを盛るようなことをした場合。

万一パテと痘痕の間に空気が入っていたら。

残渣があれば。

そこが再び腐食するでしょう。


そういった面から、全面半田盛りを選択します。



ハンダ部分が見えやすいように光を当てて撮影。

半田による修理はオートバイのタンクなどではDIYでも比較的一般的です。


フラックスの洗浄は適切か。

施工範囲がキャパシティを超えていないか。

鉛と錫の配合率はいくつのものを使っているか。

穴を埋めることが目的なのか。

その車両を残すことが目的なのか。


そういったポイントが、あるものを大きく左右する。



エンブレムは両面テープで貼ればよいでしょう。

ネジ穴はどうする?

ネジが入っているように見せかけて貼り付ければよい話。

ネジ穴を残したばっかりに、また穴が開くなんてイヤですよね。


修理をした以上、新品を超えるということは中々無い。


修理済みな時点で新品には及ばないのです。


だからネガな部分、腐る原因になる部分は徹底的に潰しておく。



この部分にネジ穴が在るか無いかなんて、世間の誰一人として気にしてはいない。


つまり自己満足なんだろう?


だったらネジ穴を温存するよりも、その車両自体を保てる手法を選んだほうがベターだと。




ただそう思うのです。




半田を使った板金なんて、言ってみれば’50マーキュリーの屋根をチョップしていた時代の手法。

今現代で残っていないのはパテの性能が上がったわけで、絶対的に半田である必要はない。

ただ。

特別な設備や技術が要らないからと安易な気持ちでやってほしくないという気持ちもある。




その実、半田ごてで修理されたこのタンクは広範囲に錆びていました。



半田ごてを使った補修が悪いっていうハナシじゃありませんよ。



ウチでも使っていますから。



そういうことじゃないですよね。




修理の必要がない修理をしていきたいものです。


因みにこういった補修は随時受け付け中ですのでご雑談くださいマセ。





それではアディ押忍!