2024年5月28日火曜日

CBR250R点検整備。

 みなさまご機嫌ナウ。

まぁ今日はスゲー雨だし脚の怪我は2週間もすりゃ治るっぺと思いきや

筋肉がヤラれちゃってるらしくて全治1ヶ月、、

ロキソニンパワーで何とか動いていますが、ヤクが切れると激痛に悶え

何よりマトモにバイクに乗れないのが怪我より痛い今日この頃です。


さて本日はこちらの2013年式MC41CBR250R。

600台限定のスペシャルエディション、レプソルカラーが眩しいっす。

と、言うかMC41はこのカラーが1番カッコいいと個人的には思いますです。

んが、CBRと名付けられているのに単気筒ってどうなのよ?

的な素朴な疑問は取り敢えず置いておいて

今回は免許取得して中古で手に入れてから2年間5,000kmほど走った段階で

オイル交換ついでに全体的に点検してほしいとのご要望です。


まずタイヤですが、新車装着のIRCのRX-01がそのまんま。

溝こそありますがオゾンクラックやコンパウンドの硬化により

本来の性能を発揮できるはずがない状態。


フロントも同様ですね。

12年前製造のタイヤですので迷わず交換しましょう。

まだ残ってるタイヤがもったいないという印象を受ける方もおられますが

ちゃんとしたタイヤでキチンと走らない方がもったいないんですよ。


ブレーキ周りはハードに使われた様子もなく変なパッドも入っておらずひと安心。

ドライブチェーンは新車時から1mmもアジャスターが動いた形跡無し。

オイル交換以外乗りっぱなしの12,000kmですね。

これ以上距離を重ねていってしまうと要らぬダメージが蓄積していきます。


そしてオーナー様曰く、何度か立ちゴケしたせいか、

前オーナーが激しめに転倒したせいなのか、何かおかしいんですと。

もしかして足回りとかフレームが曲がってるんじゃないかと心配されていまして。

その答えはこの曲がったハンドルとレバーですね。

大きな転倒時にハンドルは後方に曲がり

立ちゴケでレバーは前方に曲がったので

ブレーキレバーがものすごく遠くなっていて小さな手では握りにくいのと

手首の曲がりが左右で変わってしまうので違和感も感じます。


ヒトのセンサーは優秀で、こういう左右の違いは本能的に補正しようとするものですが

その不必要な補正作業っていうのが違和感とか疲労感として現れます。

例えば視力矯正もそうですね。

裸眼ではハッキリ見えないけど眼鏡をかければ見える。

でもきちんと測定して度数もフレームも自分に合わせた眼鏡じゃないと

目が疲れたり肩が凝ったりするアレと同じです。


まぁコレ、修理に出して「直りました」と言って返されたらしいですが。

こんだけ曲がってると取り回しでも違和感ありますよ。

ハンドルはスチールのセパレートでインナーウェイトも仕込まれた丁寧なものです。

しかも昔と違ってラバーマウントでインナーウェイト交換可能な親切な設計。

取り外しはちょっと面倒ですけどね。

まだ部品が出ますので潔く新品交換です。


レバーも純正新品っと。

まぁ純正と言ってもそんなクオリティ高いもんではありませんが

今の段階ならサクサクお安く交換できる純正レバーで良いですね。

純正レバーでコントロールを覚えるのが1番だと個人的には思うですよ。


グリップとレバーの距離はぐんと縮まって

スロットルケーブルガイドとレバーの干渉も無くなったので

正しい操作ができる状態に戻りました。


タイヤはRX-01の後継というかアップグレード版のRX-02に。

ウェット性能が10%もアップしてるらしいっすよ。


リアは耐摩耗性が20%アップらしい。

スポーツバイアスってほんとオールマイティで丁度良いカテゴリーなんですよね。

17インチだからそんなに高価じゃないし選択肢も多い。

隙間なサイズでタイヤの選択肢が少ない車両ばっかり所有してると羨ましいっす。


ちょい早めですがエアクリーナーエレメントも交換しておきます。

単体で見るとまだ緑色で綺麗な印象ですが

新品と比べると汚れ具合がよくわかりますね。


色って劣化の判断材料としては非常にわかりやすい反面

正常な色を知らないと正しい判断ができないんですよね。


ブレーキフルードも然り。

恐らく新車から1度も交換されていません。


点検に出せば絶対に交換されるお色です。

色と合わせてレベルもよく覚えておくとパッドの摩耗も液量から推測できます。

ぶっちゃけブレーキフルードは相当交換していなくてもブレーキはかかりますが

ブレーキがかかるのとブレーキが効くというのは別物で

きちんとコントロールできて、いざという時にこそ最大限に能力を発揮しなければ意味無し。

特にビギナーの間は意図せずブレーキを酷使して追い込んでしまう事がありますから尚更です。


ちなみにこの車両はコンバインドABS搭載モデルで

一定速度以上でリアブレーキをかけると

フロントの片押し3ポットキャリパーの真ん中のピストンが作動して

フロントにもやんわりブレーキをかけるというシステムが搭載されています。

ので、フロントキャリパーにはリアマスターからもホースが繋がっており2系統です。

よってリアのフルード交換およびエア抜き作業ではフロントも忘れずに実施しましょう。


これが正しい色ですね。

レベルは今のパッド残り量を考慮しておきます。

でないと例えばDIYでパッドだけ交換した際にパンパンになっちゃいますから。


フロントも同様に。

このレベルの劣化であれば交換してもこれと言ってフィーリングは変わりませんが

それは手遅れじゃなかったという証です。

劇的に調子が良くなった!と喜んでもらうのはとっても嬉しいんですが

チューニングでもしない限りは「普通」に戻っただけなんです。


同じく新車から交換されていないであろう冷却水も交換。

こちらは劣化した様子はありませんでしたが、通常メンテナンスです。

クーラントもほんとロングライフなんですけどね。

250ccクラスのバイクは定期点検に出される事も少ないですから、

機会があればその時に交換しちゃうのが良いです。


レベルが下限値しか入っていなかったオイルとついでにエレメント、パッキン類も交換。

オイルはMOTUL7100。

この水冷単気筒エンジン、ビッグボアでショートストロークで

しかもローラーロッカーアームのDOHCというハイメカエンジンで

普通に10,000回転以上ブン回るスゴいヤツですから

あんまりワケのわからんオイルはよろしくないです。


その他、曲がったブレーキペダルを修正したりと全ての作業を終えて

仕上げにタイヤの皮も剥いておきます。

まぁ、最近のタイヤって皮なんて剥かなくてもそれなりに大丈夫ですし

実走しなくても皮は剥けるんですが

そこはまぁアレです。走って確認しないと気が済まないんです。

で、単気筒のCBRですが、単気筒でもちゃんとCBRでした。

6,000rpm以下では眠たいエンジンはパワーバンドに入れば猛然とトルクを絞り出し

フロントがフワフワで大丈夫かコレ?と思われたフロントサスも

コンバインドブレーキの恩恵かノーズダイブも起きずビシッと安定。

当然、登りより下りで本領発揮ですが、なるほどオーナー様が

カーブで速度が落ちすぎて上手く走れないと悩んでおられたのも納得です。

オーナー様が思っているよりもっと回さないといけないんですね。

最初はスロットルを思いきりよく捻るのは勇気が要りますが

その勇気の見返りが本当のCBRの姿。

そこは人間がバイクに合わせていくところですね。

私も協力するので、ちょっとずつCBRを知っていきましょう。

それにしても

ホンダとしては謳い文句どおりスポーツバイクとしてMC41を真面目に開発したのがよくわかり

その昔スポーツシングルを渇望した自分としては非常に嬉しくなりましたね。


一通り実走チェックしたら最後に汚れをきっちり落としておきます。

整備前も洗車していますが、パッドカスとかチェーンルブなんかが飛び散りますしね。


あとこういうホイールの凹んだところとか、

オーナー様が綺麗にしにくい箇所を重点的に。


ちなみに水を使うのは下回りのみで、外装は基本ドライクリーニングです。


12,000km分の汚れも落ちて狂っている箇所も直ってシャキッとしました。

これまでの5,000kmは少し微妙な状態で過ごしちゃいましたが

これからがCBRと紡いでいく本当の距離なのかなと。

そうやってバイクと付き合っていけるのがやっぱりイイなと。

これからどんどん気持ちよく走れるようになっていってくださいね。

私もお手伝いしていけたら幸いです。

ありがとうございました🎶

ではさらば!