2023年4月20日木曜日

FTR223点検整備の巻。

 みなさまごきげんよう( ´∀`)

本日は非常に状態のよろしい車両の点検でした。

ご友人から中古にて入手されたとの事ですが

乗り出し前に一通り点検してほしいというご要望です。


車両はFTR223。

レーサーレプリカ的なFTR250と違って非常によく売れたストリートバイクですね。

走行距離は17000km弱ですので

そろそろ各部傷んできたり部品交換が必要になってくる頃合いです。

殆ど改造されていない車両なのでお直し的な作業はほぼ無し。


しかしブレーキフルードは黄色を通り越して茶色です。

ちなみにカップやシリンダーが摩耗するレベルになると灰色になります。


エンジンオイルと違ってブレーキフルードは見逃されがちですが

最低でも2年に1回、できれば毎年交換しておきたいですね。


キャリパー清掃とメンテナンスも実施。

パッドはまだ山盛り、ピストンの状態も良好です。

ホイールベアリングも問題無し( ´∀`)


前日にご自身でハンドル交換されたとの事ですが

右にハンドルを切るとアイドリングが下がってエンスする

スロットルが戻らないという状態になってしまったとの事でした。

このようにハーネスとケーブル、ブレーキホースが絡んだ状態ではなく


きちっと整列。

こういうのは見た目スッキリで気持ち良いだけでなく

適切な取り回しを行う事で操作性もアップします。

ブレーキホースやメーターケーブルなんて場合によってはサスの動きを邪魔したり

レーサーなんかとなるとそういう細かい事まで超シビアなんですよ。

ケーブルや配線の取り回し、処理の仕方はどんなバイクでも重要です。


タイコがナナメってるのも良くないですね。

そしてこういうL字にケーブルを取り出すホルダーは

ホルダー内部、内側にスライダーが入っているので

コレの潤滑と装着方法をミスるとスロットルが重くなったり戻らなくなったりします。

ケーブルにも注油して遊び調整を実施し、スルスル軽いスロットルに戻りました。


プラグチェック。

やや白いですがAI装備車ですからあんまりキャブの状態把握にはなりません。

キャブレター調整実施。

エアクリーナーエレメントはまだOKですが

ビスカス式ですので20,000kmで交換です。

ブリーザーは定期的にドレーンしましょうね。


その他ステムや脚周り等、車検のあるバイクと同じ24ヶ月点検を実施したら

猛烈に洗車します。

こびりついたブレーキダストとか埃なんかを徹底的に落としまして。


普段掃除しにくいハブ周りや


スイングアームの奥まった箇所などをビカビカに。

本当は最初にやっとくと良いんですが、ビチョビチョだと整備し難いのと

リターンタイムを短くしたいというのもあります。

あまりに汚い車両は別ですけどね。


国産車のリアドラムブレーキはシューが長持ちしますねぇ。

タイヤは空気圧調整のみ。

製造年が古く山も少なめでオゾンクラックも出ていますので

早めの交換をご案内しておきました。


サスペンション周りも問題無しでした。

フォークはそろそろオイル交換かなという感じですね。


水切りと動作確認の為10kmほど試乗してお渡しOKとなりました。

20,000km時に部品交換含めてもうちょっとメンテしましょうってな感じです。

この状態ならこれからのメンテナンス次第で永く付き合える事間違いなしです。

ところでFTR223ってエンジンは250と違って大人しいんですが

ディメンションとしてはよく出来ていて

腰を使いつつ肩からコーナーへ入っていくのがキマる

スポーツスターとも似たライディングフィールで好感度高いですね。

こういう素直な特性は街乗りでも生きてくるんですよ。

つまりはストリートバイクとしては非常に優れています。

ホンダも上手いことやったもんです。

このエンジンだってSLやらXRにまで使い回したわけですしね。

んー何だかスズキっぽいぞw

GNからボルティ、グラストラッカーの流れね。

まぁ実際のところストリートバイク=カッコいい実用車ですから

やたらブン回って30馬力くらい吐き出しちゃうけどカムベアリング が砕けるとか

そういうハイリスクハイリターンは望まれてないんですよねぇ。

つまり250ccクラスにおいてはコレが正解なんだな。

なんつー事を思いつつ、製作関係をガシガシ進めていきましょう。

んなワケでさらばだ!