2020年12月13日日曜日

改造とは。

 

みなさまごきげんよう(´∀`)

いよいよ年末がやってきますが

私としてはお渡し可能な車両はどんどんお返しして

楽しい年末を送って頂きたいと思っておりますが、中々上手くいかないもので。


お渡し予定の車両を試乗中にフロントのホイールベアリングが粉砕しまして。

トップギアにシフトして加速中でしたので正直非常に怖かったです。


インナーベアリングレースがシャフトに絡み付いていますが

この車体右側のベアリングに相当な負荷がかかった事がわかります。

その理由も分解してみれば明らかで


こちらがハブの内部構成パーツですが

アルミ製のカラーや内径の合っていないディスタンスカラーが色々組み合わせてありまして

見るからに怪しいです。

ちなみに社外のホイールに純正のグライドドラムという組み合わせですが

この車両はリアも同じような作りだった事から、フロントも疑ってかかるべきでした。


実際ハブ内ではこのように組み合わされていて


まずこれらのパーツの計測を行いまして実寸を見てから

実際のハブとドラム、アクスル長を計測して比較してみるワケですね。

因みに図では部品を詰めて書いていますが、実際は隙間だらけです。

この図からして一発で判るのは、左側はシャフトの太い部分の長さが足りておらず

左ドラムのベアリングはただくっついているだけでフリー状態。


こういう状態ですね。


正しい計測結果はこのようになり

元の状態は内部パーツの寸法が9.2mm足りず

シャフト長は22.5mm足りないという結果です。

破損に至った原因はアクスル内部のパーツ寸法が足りておらず

右ベアリングに負荷が集中した事と、アクスルの規定トルクでの締め付けにより

ベアリングインナーレースが押されてしまいスラスト方向にズレた事によるものです。

アクスル内部はご存知の通り、ベアリングやホイールカラーやディスタンスカラーという

構成パーツが一本棒になることで剛性の確保や負荷の分散を行っています。

改造とは、改めて造るという書いて字の如しですが

改めて造るからこそ計測や設計は綿密に行う必要があります。

オートバイの基本から逸脱した改造は命に関わる事ですから

とりあえず付いていればよし、チョッパーだからよしというのは許されないと思います。

きちんと走れてナンボですよバイクは。

そんなわけで、計測に基づいた構成パーツで組み直していきたいと思います( ´∀`)



ではさらば。