2019年11月7日木曜日

物作りの裏と表を行き来する。



みなさまごきげんよう。


私はエンジン式のエアーコンプレッサーを愛用していて

これは1981年式のまぁまぁ古いコンプレッサーですが、

サンドブラストおよび重曹ブラストの際にはこのくらいの馬力が必要でして

無くては非常に困るマシーンなのですがエンジンブローしてしまいました(´∀`)

もうエンジンはブローさせないと心に誓ったはずなのですが

まさかコンプレッサーのサイドバルブエンジンでまたもやヤッてしまうとは。。


で、どうやらバルブスプリングが折れたっぽく

元々積んでいた三菱メイキエンジンG500Pは絶版機種で、部品も出るか微妙、、

ってなわけで中古のロビンエンジンを探してきてスワップしました。

物の修理としては、壊れたエンジンを直すべきなんですが、

いかんせんただでさえ時間が無いので作業を止めるわけにもいきませんで

耐久消費財としてお手軽に修理してしまったわけです。

物作りの側面にある割り切りを見たような気がして複雑な気持ちになりますが

壊れたエンジンは欲しい人に譲りましたので、

そちらで直してもらってまた元気に動くのでしょう。


そんなわけでサベージの部品群をどんどんブラストしていきます。

塗装の下地としてはブラストがベストと言われていますが、

何故にというと錆や油分の除去は勿論ですが、塗装の密着性に尽きます。


ブラストした後のワークを放置しておくと猛烈な勢いで錆びていきますが

つまりそれだけ空気に触れる面積が増えているという事ですので

同じ理由で塗料が食い付く面積が増えているわけですね。

所謂「足付け」なわけですが、鉄という硬いものに対して足を付けていくのは

大変ですし不十分な箇所がどうしても出てきてしまいますし


入り組んだ細かい箇所まで錆や塗膜を除去出来て、しっかり足付けも出来る。

そりゃ素晴らしいでしょうってな事です。

ネックは設備で、今でこそプライベーターにもブラストキャビネットが普及していますが

フレームなどの大物はキャビネットに入りませんし

野吹きするにとしてもメディアを大量に消費してしまいます。

私も以前は外注に出していたのですが、輸送コストが上がってしまって

採算が取れなくなってしまいましたので自分のとこでやってるワケです。

まぁ早い話がカネが無ぇんですw

ブラストに使ってるマシンなんてポンコツのエンジンコンプレッサーと

消化器を改造した自作のサンドブラスターですから(´∀`)

ちなみに今から20年ほど前、カフェレーサーに乗っていた時の私のハンドルネームは

その名も『カネネーサー』で

みなさんからは「カネやん」とか「ネーサー」と呼ばれていました。

うわー懐かしい(´∀`)


で、ブラストをあてるとすぐさま錆びてくるので急いで脱脂してプライマーを塗ります。

このブラストから塗装までの時間は当然短い方が良く

外注をやめたのはここでの時短もひとつの理由です。


正直、私の1号機はここまでやってません。

メーカーも同じく、特にフレームまわりはプライマーはおろかサフすら入れず

パウダーコートなりペイントなりが施されているのがザラです。

まぁ最近のカラフルなトラスフレームとかそういうのは別だと思いますが。

実際のところ、それでも10年やそこらはどうという事ありませんし

オートバイのモデルサイクルを考えても妥当で、メーカーが悪いわけではありません。


それでも車齢30年も超えてくるとミミズが走ったような錆が出てきたり

塗装が浮き上がって下地は腐食していたりと、相応にヤレてきます。

さらに車齢が進むとフレームを交換しなければならないくらいに腐食が進みます。

手入れにもよりますけれどね。

で、私が改造しているフレームは唯一無二ですので、後に交換なんてできないわけで

私は生きる為にバイクを作っていますが

残す、という事も重要なファクターで

折角生きた証を残そうとしているのにそれが短命ではダメだというのが本音です。

勿論、それがオーナー様にとっても同じ事だと信じてやまないわけで

だから出来ることはやっておきたいし、そういう仕事をしたいんですよね。

我儘なんですけどね。


そんなワケでフレームや小物類の下処理が終わりましたので

フレームは少しパテワークを

スイングアームも錆の痘痕なんかがあるので修正していき

横浜を目指したいと思います。


さらば。