みなさんこんにちは。
今年はとても暑くて、工場内の気温は軽く40度を超えて
贈って頂いた「みはりん坊」がずっと危険を知らせてくれております。
テレビ無しでエアコンも無しという、見る人から見ればキツい生活を続けて
気がつけば1年が経過していましたが、テレビはともかく冷房は欲しいかもと
ついつい思ってしまいますね。
これまでにない暑さっていうのを何度も乗り越えてきて今に至ると思いますが
もしエアコンというツールが無かったとしたら
もしかすると人間はこの気温に対応できるように進化したのかもしれませんね。
まぁそもそも人間が温度上昇を招いたのでしょうけれど( ´∀`)
さて進化といえばオートバイの部品も性能面とコスト面で進化を続けてきたわけですが
ハイドラグライド時代の41mmフォーク、つまりハイドロリックフォークを修理しまして。
33.4mmフォークもそうですが、とにかくこの辺の年式のテレスコピックフォークは
水の浸入による機能不全というか不具合が圧倒的に多いです。
シールの能力不足は勿論ですがそれよりも
メンテナンスフリーでないので整備怠った時のダメージが大きいという事ですね。
逆に、メンテナンスを怠らなければ現在でも現役で生けるということでもあります。
してドレンボルトを緩めましたらポロリと外れまして。
穴の先は段付きに加工されているのかと思いましたがそんなはず無く。
折れ残ったボルトはセンターズレた穴を開けられたまま残っていまして。
コイツを綺麗に抜き取るというメンドい作業に陥りまして。
固着ボルトの場合はエキストラクター等を使って緩めよう、外そうという事に囚われず
先ずは固着を解く事に専念した方がよろしいかと思います。
反対側は折れる前に諦めたというよりボルトが壊れたようで。
こちらもフォーク側を温存するようにボルトを壊して抜き取ります。
こういった精密な作業は本来ウチのような設備の整っていない場末の
おまけに工場内温度の高いチョッパー屋ごときではなく然るべきファクトリーにて
しっかり抜いてもらうようにしましょう。
ウチで解決できるのは非常にラッキーなケースに過ぎませんので。
今回はインナーチューブを交換しますが、、ボトムし過ぎたのか
先端が潰れていましてインナーパーツが外せませんし
ダンパーロッドもインナーチューブ内の錆びにより抜けませんので
元のインナーチューブを切り刻んで分解していきます。
33.4mmフォークでも錆色のフォークオイルの成れの果てが出てくる場合
インナーを切断して分解するパターンが多いです。
で、分解していきますが今時のフォークと違い部品点数も多く
製造においてもコストがかかっていた事を伺わせる造りになっていますね。
たとえばダンパーロッドはフォークスライダーの底にスポッとハマるようになっていて
ダンパーロッドホルダーを使わずにスライダーと分離できるようになっていて
つまり専用工具が無くても分解整備できるようになっています。
エンジンやミッションに関してはアホほどSSTが必要なオールドハーレーですが
こういった箇所、つまり一般整備で手を入れる部分においては
ユーザーサイドで楽に整備できるように配慮されていて
その為の製造コストもかかっているなと感じたりします。
感じるだけですが( ´∀`)
そして逆に現代のフォークはというと
コスト面、性能面でちょうど良いところに進化してきてるんだなとも思います。
因みにはこの形式のフォークでは
画像のようにスライダーとの嵌合面が潰れたり変形していると
その隙間からフォークオイルが漏れてしまいますので
シール性の高いワッシャーやシーラーを使用してあげないといけなかったりします。