2024年6月13日木曜日

XL1200L完成に至る。

 みなさまごきげんよう!

Blog更新頑張らなきゃと思いつつ6月になってしまいまして。

まぁ今時Blogなんて古いんだとは思います。

実際、私もInstagramにポコポコ投稿してるわけですし。

しかしながら、このBlogは今後も細々と続けていきたい所存ですので

数少ない読者の皆さま今後ともよろしくお願いいたします。


さて本日は4年前から継続して改造させていただいておりますXL1200Lさん。

現在のスタイルになって、最後はタイヤに気合を入れれば完璧ですねと述べておりましたが

今回車検のご依頼でいよいよタイヤ交換となりまして

このルックスですからタイヤは結構選択肢があり

BT46でも良いしコマンダー3やH50をお勧めしたのですが

オーナー様はクラシカルなパターンでできればグリップ するタイヤがいいですと。

うむ。

そうなると私のお気に入りのアレですね。


K300GP。

どうして最初からコレをお勧めしないのかと言いますと

やはり先に述べた3種のタイヤと比べるとライフが短いからなんですが

それと引き換えに得る一昔前のハイグリップバイアスの食い付きは絶大です。

特に元々装着されていたゲジゲジデザインのタイヤと比べれば

もうバイクが別物になっちゃったくらいちゃんと走るようになります。

このゲジゲジパターンのタイヤ、プロファイルこそ丸いですが

強烈に直進性が強く

猛烈にセルフステアを邪魔し

強烈に横方向への耐性がなく

猛烈にウェットグリップ が低くて

まぁ私的には全くお勧めしないタイヤです。

否定はしませんけどね。


リアタイヤはラバスポ純正サイズの150からスポーツスター 標準サイズの130に適正化。

リム幅変わってないですからね、ちゃんと走るなら130でヒラヒラが良い。

旋回性が良くなると、手の内にある感が爆上がりですから。

ホントに楽しくなりますよ。

そもそもタイヤなんて消耗品ですから、色んな銘柄を試してみるのも良いと思います。

私がファッション系タイヤを否定しないのも、どういうタイヤなのかを知ってるからです。

良くないのは、他の物を知りもせずに「これでいい」と勝手に納得する事です。

オートバイを操る楽しさを捨てても得る物がそれを上回るならばアリなんです。

私も2号機のリアタイヤはBFGのシルバータウン入れますから。

でもね、もしマトモなタイヤで一度も走った事がないなら

次のタイヤ交換でマトモなタイヤを入れてみてください。


タイヤひとつで世界が広がる事だけは断言できます。

実際、ウチでファッション系タイヤからマトモ系タイヤに履き替えて

ファッション系タイヤに戻られたお客様は

ゼロです。

ちなみにマトモ系タイヤを履いても意味の無い車体ディメンションの車両に関しては

もちろんマトモ系タイヤはお勧めしておりません。

意味の無い事してもお金と時間の無駄ですから。

ついでに言うと確固たる信念があるのであれば第三者がそれを曲げる必要は無いわけで

私は望まれた仕事を真摯にこなすのみです。


お車検ですので基本的な点検も実施します。

数年前までは所謂「通すだけ車検」も承っておりましたが

現在はきちんとした車検のみ受け付けております。


走行距離にもよりますが、やはり2年間走り回った車両は

それなりにメンテナンスしないといけない事が殆どと言うか

メンテナンスしないなんてあり得ないっていうノリのコンディションになります。

キャリパーだってこんなに汚れるわけですよ。


清掃するだけでもキャリパーシールに優しいですし

パッドの残量やブレーキフルードの状態など

当たり前ですがきちんと確認するのは大事です。


普通、ある日ふと気がついてブレーキ周りメンテしよう!

とはならないですよね。

一般的には変な音がしたりブレーキの効きが悪くなったり、ブレーキ引きずったり

つまりトラブルが出てからの整備になる。

でもそれは整備というより修理なんですよ。

修理しなくてよいように、良いコンディションを保つのが整備だと思うんですね。


プラグの焼けは2年前にリセッティングしただけあってバッチリ。

前回車検から8,000km走られているのでプラグは新品交換です。


そしてこちらの車両、ヘッドライト検査で光量が足りず不合格をもらいました。

よく見るとリフレクターが焼けて劣化しています。


レンズも妙に黄ばんで曇っていまして

そりゃ効率悪いわなってな話ですが


原因はこちらのハイワッテージバルブ。

オーナー様が球切れの際に交換されたそうです。

白っぽく光るので明るく見えますし、実際マトモな状態では明るいです。

しかし4.5インチのヘッドライトユニットにおいては

ハイワッテージバルブはお勧めできません。


カプラーが溶けてますね。

ハイワッテージバルブを組む場合は通常リレーをかましてやるのですが

小さなランプとなるとそれだけでは不十分なんです。


電気的な問題を解消しても、今度は熱の問題が付き纏うんですね。

レンズ内の容積が小さい4.5インチのヘッドライト では

高効率バルブの発熱を逃すに足りないんです。

ですので、ウチで4.5インチのヘッドライトで車検対応仕様にされた車両オーナー様は

バルブ交換の際は元々装着されていた物と同じバルブに交換願います。


で、無事に車検を終えてタイヤの皮剥きに。

実際、皮剥き自体はついでというかメインはロードテストですね。


タイヤ交換の効果は絶大でした。

当然の結果なのですが

やっぱりバイクはこうでないと!


それにしてもK300GP、思った以上にラバスポとの相性が良いです。

まぁ重たいスポーツスターに履いているので

バイアスだけどラジアルっぽく潰れるんでしょうね。

サーッと流して走って前後均等にサイドが余る。

これがリア150だとフロントを酷使しちゃうんですよね。


走りが良くなったのもそうですが

何よりルックスに説得力が伴ったのが喜ばしいです。

何せ今までフリスコスタイルなのにボバー系のタイヤでしたから。

今はフリスコという言葉が暴走してしまっていますが

フリスコって本来は「走り」のスタイルですから

当然タイヤのチョイスも大事になってくるんです。

ですからこういう説得力のあるセットアップにしていると

ホントに好きな人が見れば喜びます。

まぁオーナー様が喜んでくれればそれで良いのですが。


4年前のこの時はゲジゲジタイヤでも別に良かったんですよね。

フェンダーカットのご依頼のはずが大幅なスタイル変更となったワケですが

最初にフェンダーの変更チョイ上げ

メーターまわりのスッキリ化と

次にハンドル含めてフロントまわり

最後にタイヤと

非常に順序よく無駄なく改造を進めて頂きまして

順を追って進める改造のお手本のような賢いやり方ですね。


スタイル走りもバッチリで

今後はもう余計な事をする必要は無く

後はサスを煮詰めてみたりといった走りに関する事くらいですから

どんどんタイヤ減らしてくださいませ。

ありがとうございました。


ではさらば!