みなさまごきげんよう。
毎度毎度いつもの作業で製作した外装に防錆プライマーを吹いてパテ打ちでありまして。
サフェーサーを吹いて下地を均一にしていきます。
基本的にプライマーサフェーサーは防錆剤を含んだものもありますが
主たる目的は素地の均一化で
小さな巣穴を埋めたり吸い込みの違う地肌(防錆プライマー部分とパテ部分)を
全体的に同じ状態に持っていく事です。
よって防錆とは別軸で考えておくのが良いです。
餅は餅や、防錆は防錆剤という事です。
ここまで来て塗装作業の6分くらいで
防錆に関しての気遣いがこの段階でだいぶ楽になってきます。
段取り8分のまだ6というところですが
ここからサフで埋めた巣穴や
微妙な面の歪みをサフ研ぎにて磨き上げると共に修正し
研ぎ落としきれない凹は拾いパテで埋めていきます。
塗装に関して、コストつまり手間を省けるとすればこの部分で
防錆プライマーを省き
サフ入れを最小限におさえ
塗料と研ぎの労力を省いてあげれば工程は半分くらいになります。
「ササッと塗っといて〜」的なご依頼の場合は
そういうこ事をしないとササッと終わるわけなく
それでもそれなりに手間はかかりますので
どうせ手を入れるならしっかりしておいたほうが断然良く
塗ってしまえばわからないのは当然ですが
私は魂を売った代金を皆様に還元して喜んで頂くよりは
喜んでいただける仕事を提供することで喜んで頂く事に重きを置いておりますので
早い話が手を抜く気は全くありません(´∀`)
未熟者ながら。
話は逸れますが、今回サイドスタンドを猫の足にして欲しいというご依頼でして
以前も猫足を作りましたが
今回はもう少し踏み込んでというか
バチッと作ってみたいと思いました。
そもそも猫の足を凝視した事など無いので、ネットで猫の足の写真を見ましたが
中々サイドスタンドに落とし込める要素が見えて来ず
ふと思い至って猫の左手のレントゲン写真を探しまして。
その骨格を写し取ってから、骨格に対して溶接で肉を盛っていくという
まるで彫塑のような作業になりました。
これはとあるシルバー職人さんがもの凄く躍動感のある動物を銀で作られていて
何故そうなるかと言うと、表面的な形状でなく骨格や筋肉を勉強し
そこをベースに形づくっていくと言う事を聞いたのを思い出した事によります。
とはいえ、オートバイの機能部品でありますからある程度はデフォルメ
というかリアルな造形が難しいというのもありますが(´∀`)
ちなみに、この猫の手を作る為に適した形状のサイドスタンドを使用しているので
溶接肉盛りは最小限かつ、削り落とす分と相殺する形で
重量増をおさえております。
重くなりすぎると走行中に下がってきてしまい地面と接触しますので。
可能であれば爪もつけて欲しいと言う事で、可能なので爪もつけました(´∀`)
本来、猫の爪はもっと細く鋭いのですが
ここは敢えて太めで獰猛な感じにしてみました。
中々、、、鉄で作るのは難しいっす(´∀`)
メッキをかけてスミを入れてシルバーっぽく仕上げようと思います。
そしてタンクの方は塗装に入る前に更なる手直しを。
フラッシュマウント化されたブラケットが底面にあることから
そこに目がいってしまいタンクの縁がせり上がって見えてしまうので
意図的に少しだけ垂らすことで視覚的なバランスを取る事にしました。
そして再度サフ入れをしまして
ようやくサフ研ぎに突入です。
それと同時進行でラッカー塗装されて樹脂表面も劣化した
アチェルビスのブリッツライトカウルもリペアしています。
樹脂製品は新品があればそれがベストなのですが
新品がもう無い以上は修理して使うほかありません。
ちなみに修理して使うという方向性はその物の価格にもよりますが
多くの場合新品と同等かそれ以上のコストがかかります。
そこまでするからこそ、「残す」という言葉が重みを帯びてくるように思いますね。
もちろん、コスト面から修理を見送る事も多々あるのですが
まぁコレは自分の部品ですしね(´∀`)
このように別なものをタイミング合わせて同時進行で塗る手法は
ガンの清掃なんかの面では少しは手間が省けます。
が、関連する作業だから「ついでに」と思われてしまいがちですが
「ついでに」というのは本来
何かをする機会を利用して、「直接には関係ない事」を行うという意味の言葉で
つまり本来であれば必要のない手間や時間が余計にかかります。
ついつい気軽に使ってしまう言葉ですが
発する側と受け取る側の解釈が一致していない場合や関連度が低い場合は
どちらかが気分の悪い思いをしてしまったりするので要注意です。
こと仕事に関しては「ついでに」ではなく「追加で」とする方が
お互い要らぬトラブルやストレスを回避できてモアベターだと思います。
話が脱線してきているので本日はこの辺でごきげんよう!
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