みなさまごきげんよう。
いやぁ暑い。
作業場の気温が40℃超えは当たり前な季節になってきました。
空冷でも油冷でも水冷でもない私はもう完全にオーバーヒート状態っす。
さて、本日は08FXSTCさん。
TC96ですね。旧車が多いウチでは2台目じゃないかな。
ノーメンテ車両をご友人から購入されまして
とりあえず乗れるように点検整備のご依頼。
車検が今年の9月なので
細かい修理は走らせてみてからメニュー決めましょうとなりました。
走行距離も6万キロですのでね。
まず見た目も大事なので微妙な位置に取り付けられているアンテナ一体型のETCを
可能な限り邪魔にならない位置に移動。
こういう取り付け方を見ても、色々と無頓着な前オーナーだったのではないかと。
中古車って面白いもので
パッと見て前オーナーが大切にしていたかがわかっちゃうんですよね。
数多くのポンコツを自分で買っている私が言うのもナンですがw
もはや定番の死んだ魚の目ヘッドライト。
綺麗にしておくっと。
さっき記述したオーナーが大切にしているかどうかと同じく
こういうところを見ると車検なんかに携わってきた人のスタンスもわかります。
そりゃヘッドライトの中を掃除するとか非常にめんどくさいですが
綺麗にすればお互い気持ち良いわけで
車検に通すだけが車検じゃないと私は思うんですね。
で、全体の雰囲気からして機関系もかなり怪しそうな雰囲気。
ストローク過大で全然効かないブレーキを見てみますが
泥水やん。
この年式はDOT4指定ですが、、
この色は前回車検で交換していないというレベルではなく
異常なほどのエアの噛み具合からして、数年レベルで交換されていませんね。
ローターは安物クローム、パッドは効かない安物パッドという構成も良くは無いですね。
フロントはちょこちょこ交換されてたかな?
マスターはじめアルミパーツの腐食が酷い。
鉄部もかなりの錆で、ちょっと可哀想なコンディションです。
タイヤは10年モノのコマンダー2でしたので当然交換。
定番のコマンダー3クルーザーに。
それにしてもリアのタイヤ幅は200で
アルコア製のホイールは6インチ幅。
ふた昔前なら超ワイドタイヤですね。
一先ずこれで走れるようになったのでロードテスト。
TC96をきちんと走らせるのは初めてだと思いますが
さすがに1580ccもあるのでものすごいトルクです。
ギアだって6段もある。
車体の特性としては「これハーレー?」って思うくらい倒し込みが軽い。
回頭性が良いわけではないんだけど、
スッと寝てリアのラジアルを自重で潰しながらコーナリングしていく。
バンク角も深くてタイヤサイドを少し残してステップ接地。
危ないゾーンまで入らないようになってます。
そして立ち上がりは猛烈トルクでトラクションモンスターと化すので
結構なペースでワインディングを流せます。
なるほどリアタイヤのラジアル化はかなり恩恵があるなと。
ただ、この猛烈なトルクと多段ギアはビギナーライダーだと持て余すでしょう。
尚且つ、バンクしている時間が長いので
コーナーの曲率とかブレーキングポイントが読めていないと
オーバーランしたり立ち上がりでモタついたり
あるいはコーナリング中に何かしら修正したりせねばならないので
怖い思いをする事になるかな。
恐らく、ハーレーは遅いとかボロクソに言われたりするのは
そういうシーンを見ての事だと思うんですが
そういう事言う人はライダーの腕ではなくバイクを見てモノを言っているワケです。
車種指定で速いや遅いや語ってるっておかしすぎやしませんかね?
そういう視点の人はそもそも「速さ」ってのが全然わかってねーと思いますよ。
その見方でいけば殆どのバイクが遅い認定じゃないですかね。
まぁどうでもイイですが
誰が言ってるか
誰に言ってるか
ちゃんと考えれば
殆どの事が結構な勢いで低いレベルでの話だと思いますので
いちいち気にする必要はないんじゃないかなって思います。
話はそれましたが、FXSTCさんは一旦この状態で乗ってもらって追加メンテとします。
で、こちらも高年式用パーツ。
HD純正のプレミアムライドエマルジョンリアショックロープロファイル(長い
11インチなので、リーズナブルにリアの車高下げるなら現状コレが良いかと。
新車外しが安く手に入りますしね(定価は15万弱)。
883や1200のN純正の極悪な乗り心地もちょいとマシになります。
まぁオーリンズでも36mmピストンのモデルでインチ出てますので
予算があればそちらがお勧めです。
装着車両はこちら、おなじみのXL1200Lさんです。
こないだ完成形と言うたばかりですが(笑
もう少しリア下げた方が良いですよと悪魔的に囁いてしまいまして
新車から装着の純正11.5インチサスもヘタッていましたしね。
オーナー様もタイヤ交換の効果に感激しておられたので
どうせならもうちょっと走りを良くしてみましょうってなところです。
うんうん、良い姿勢になりました。
見た目が純正より太いですが、黒色なのでグッと引いて見えて差し引きゼロかと。
太いのはピストン径の大径化と窒素ガス封入の為でしょうね。
この長さでダンパー効かすとなるとこのくらいの太さが要ったのかなと。
ちなみにSHOWA製です。
このショック、ラバスポであればボルトオンで交換可能ですので
11インチのサスでもうちょい乗り心地改善されたい場合は
一度トライしてみても良いかと思います。
こちらも最近おなじみの80FXSさん。
NSG組み込みとキャブセッティング以降絶好調で楽しく乗ってもらっていますが
フロントのブレーキランプスイッチが壊れちゃったとの事。
どう見ても最近交換されたスイッチですが、この社外のスイッチは良く壊れます。
ので、色々テストしてウチでは左の金色のスイッチを使っています。
ベルリンガーにも使うスイッチですが
ショベルのブレーキランプスイッチは社外品だとストロークに問題があるんですね。
その辺はレバー側に逃げを作ったりストロークを規制してあげる事で解決しますが
社外品は壊れるという認識ではなく
社外品はポン付けだと壊れる可能性が高い
という認識で
部品を良く観察して適切な取り付け方法や
故障する原因を探る習慣をつける事で
旧車としては部品が豊富なハーレーを維持しやすくなると思います。
また、そういうスタンスで向き合う事も
楽しみのひとつになるんじゃないかなと。
何でもダメだダメだで省いていくと何も残らないけど
ダメの度合いを見て
どうしようもなくダメなのか、ダメだけど何とかなるのか
そういう視点で物事を見る事ができれば
これからもしばらくは楽しく旧車に乗れると個人的には思います。
まぁそんな事を宣っている私は80年代後期の
大して旧車じゃないただのポンコツに乗ってるワケですがね(笑
部品の無さでいけばハーレーより無いんじゃないかなぁ。
1号機も乗りたいんだけど、R1100をちょっと煮詰めたいところもあり
クソ暑い中で暇を見て走り込みたいと思っておる次第。
皆さまも暑さに負けず走りましょう
と、言いたいところですが
人にも旧車にも厳しい暑さですので
どうか皆さまご無理をなさらぬようご自愛くださいませ
ってな
ワケで
さらば!
。
。
。