2023年12月11日月曜日

Spirit of The Phoenix.

 みなさまごきげんよう🎶

さて前回↓

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前々回↓

http://radjalopy.blogspot.com/2023/12/v-twin.html

に続いてマグナ250の路上復帰作業です。

まぁ通常はキャブやってエンジンかけてからっていうのが不動車再生の基本です。

他の箇所整備したのにエンジン終わってるとかだと無駄ですからね。

今回は素性がしっかりしているからこその整備順序です。


まずエアクリーナーエレメントは交換。

ビスカス式は濾紙にオイルを染み込ませて汚れを吸着するので基本的に清掃できません。

まぁ洗って乾かしてオイル入れてあげればある程度は再生可能ですが

その時間とコストで新品買えますんで。

で、マグナの場合は社外品が存在しないので必然的に純正になります。

コレもご相談パーツになっちゃうと再生手段考えないとですね。


で待望のキャブはよくある放置車両のキャブですね。

状態としてはむしろマシな方。


この辺が放置と保管の違うところで

保管目的だと燃料も全部抜いてカラカラにしてあるので再生は比較的容易です。

長期放置を長期保管と言って売られるパターンもありますが

ポンコツを購入する際は

保管と放置の意味合いをちゃんと理解して、モノ見て判断する目線が大事です。


がっつり閉塞しているジェット類。

全然マシなコンディションではありますが、この辺も全部交換です。

と、言うのもマグナに限らずですが

ジェットホルダーやニードルが前後バンクで違うんですよね。

それが今までの整備で違う物が取り付けられていたり

前後逆になっていたりするので、要らぬ追加整備を要する事態にならないように

怪しきは罰する方式で進めます。


液体ガスケットの塗布跡を見ると

過去に触った人間のキャブレターオーバーホールに対するスタンスがわかります。


今回と言うか毎回ですが、キースターさんの燃調キットを使ってO/Hしていきます。

ホント、これだけ部品が入っててこの価格で

しかもクオリティ高いですからお値段以上ですよ。

純正で細々と発注する手間も明細の長文化も防げますしね。

キャブ関係は安いリペアキットが色々売られていますが

正直、あんなモン値段なりで使い物にならないです。


ガチガチに硬化したインシュレーターも部品が出るうちに新品交換しておきます。


この辺のゴムパーツは熱が入っていない長期不動車は絶対交換しておくべきです。

不安要素を如何に潰すかは基本中の基本ですね。


まぁモノさえおさえれば普通のキャブO/Hで作業完了です。

まぁ本来のオーバホールだとウェットブラストかけて各パーツも再メッキして

外観も機能も復活させる事を言うんですけどね。

昔、キャブ屋さんにオーバーホールをお願いした時はその仕上がりに感動したもんです。


んでインテークチャンバーとエアクリーナーボックスを繋ぐコネクティングチューブが

バッコリ裂けていてマスキングテープが巻いてありましたが

何とまぁコレご相談パーツ。

しかし裂けてたら当然ダメな部品ですが中古もボロばかりですね。


そんな時はコレ。

ロックタイトの黒ゴム接着剤( ´ ▽ ` )


これまで絶版車をバラしているとコネクティングチューブが接着剤ベトベトな事はよくあり

その接着剤も硬化してパリパリで見た目も不細工というのが当たり前でしたが

この黒ゴム接着剤は硬化後もパキパキにならずゴムの弾力をキープという優れ物です。

モミモミしても割れたりしないのと、補修痕が最小限なのは◎ですね。

靴や鞄の補修にも使えるので、ひとつ持っていればいざと言うときに役立ちます。


各部綺麗にしながら組んでいきます。

チョークケーブルはノブの根本に割れがあったので新品交換。

チョークケーブルも後期用はご相談パーツで、前期用とニコイチしました。

エンジン自体はVT系ですが細かい部分は専用品が多いので

部品供給っていう面では有利なポイントは別に無いですね。


バッテリー装着してエンジン始動、毎度毎度の同調もとっておきます。

後はオイル交換して冷却系メンテすれば機関はOKですね。

作業も佳境に入ってきたかと思いきや、、


オイルフィルターのボルト頭ナメちゃってて緩められませんの刑。。

イヤホントね、ナメちゃうのは仕方ないっす。

問題はその後ね、ちゃんとリカバリーしといてくれないと後で作業する人が

つまり私が苦労するハメになるわけで。


何やら頑張った跡がありますが私じゃありません。

この辺は大したトルクで締まってるワケじゃないのですが

オフセットメガネとかで作業するとレンチのかかりが悪くてナメやすいです。

逆さまボルトは基本六角のソケット。

そして目視。

簡単な事で要らぬ失敗は防げます。


このオイルフィルターカバーを固定するボルト、、

3,000円以上するんですよね。

高くつきますねぇ。

まぁサクッと緩めて部品発注して(その分作業遅れます)作業完了っと。


今回はまぁ基本的な整備ばかりで交換部品は少なめです。

この他にバッテリー、タイヤ前後、細かい欠品ボルトとかホーンみたいなショートパーツで

それでも修理代というか整備費用は結構高額です。

言うても整備済み補償付き中古車を買うより全然安いですし

程度の悪いポンコツを直すより断然安いですが。


整備後、さらに磨きまくってみました( ´∀`)

おおお!良い感じ🎶


写真だと綺麗に見えちゃうんですが、コレは元の状態を知らないとわからないかも。

だいぶシャッキリしました。


ちょっと太陽光が強すぎるので日が暮れてからも撮ってみました。

こっちの方が自然ですね。


元が元だけにミントコンディションというわけではありませんが

他人がパッと見ても綺麗なバイクだと思うと思います。


チェーンは後々交換しましょうね。


マグナってパッと見たイメージから好き嫌いが分かれますが

90度Vツインでよくここまでまとめたよなと。

まぁホンダのMC15E使い回し根性にも驚きますがw

コレはコレで超頑丈なEgですからエントリーモデルにも最適なのは確かで

そこら辺も狙いのうちだったのかと。


自賠責保険に入ってもらって実走行チェックも当然行いましたが

ホントよく出来てるバイクです。

ここのところエリミネーターVやドラッグスター250と

クォータークラスのVツインを連続して整備しましたが


ひたすら優しいドラッグスター250

お前スポーツバイクかよってくらいはやいエリミV

それらに対してマグナは丁度その間に居ますね。

スズキのイントルーダー250はまぁ置いとくとしてw


マグナの話に戻ると、このバイク思っていたテイストと全然違って

とても気持ち良くワインディングを流せる設定になっていて驚きました。

タイヤの端15mm残しでステップ接地。

絶対にタイヤの限界を超えないところに車体が設定されてるんです。

ギア比も街乗りからワインディングまで

特に4速あたりでズボラに流して丁度良い感じになってる。

コレでキンキンのクンクンに攻める奴なんて居ませんからね。


定められた範囲内では絶対の安心感がある。

限界を越えようとしても車体がそれを許さない。

エントリーモデルとしてよく設定されているものだなと。

綺麗に走る事。

ホンダはかなりの本気度でこのマシンを送り出したんですね。


まぁバイクがまだ辛うじてよく売れてた時代だったっていうのもありますが

今になって改めてこのクラスを見てると昔はよかったんだなと。

言うてもアレです、手間と時間とお金が一番かからないのは新車なんですけどね。

今はグローバルモデルのお下がりを頂いているかの如し国内市場ですが

もっと元気を取り戻して意欲作のフルラインナップが実現したらなぁ。


何はともあれ、実走行チェックも終えたので、お渡しOK!

継続して整備しながら気持ちよく楽しく走ってもらえればと思います。


今回の作業内容は

バッテリー交換
エアクリーナーエレメント交換
インテークマニホールド  交換
キャブレターオーバーホール(同調込み)
チョークケーブル交換
コネクティングチューブ補修
冷却水交換
ラジエターキャップ交換
エンジンオイル交換
オイルエレメント交換
オイルエレメントカバーボルト交換
フロントブレーキキャリパー清掃
フロントブレーキパッド交換
ブレーキフルード交換
リアブレーキ清掃
前後タイヤ交換
エアバルブ交換
フロントフォークダストシール交換
インナーチューブ錆取り研磨
フロントブレーキランプスイッチ交換
外装磨き作業
クロームメッキパーツ磨き作業
欠品ボルト類装着
純正ホーン装着
チェーンメンテナンス

コストも考え、必要最低限に絞ってこのくらいの作業量でした。

元々の程度が良かったのが大きいですね。

このような長期不動車復活作業承りますが

ベース車の芯の良さが全てです。

程度良好車が買えちゃうくらい修理代がかかる生粋のポンコツは

費用対効果の問題からお断りさせて頂きますので悪しからず。

それではさらば!