2025年3月10日月曜日

ボルトの強度区分。

みなさまごきげんよう!

そうですサボり野郎ですこんにちは。

溜まりに溜まった下書きを一体どうしたものか。。 


さてこちらはリアに19インチを履いたFLHCさん。

リアブレーキの引きずりを直してから、、

スプロケットスペーサーのボルトが折れましたと

3たびレッカーされてきまして。


リアドライブのメーターギアも粉砕。


ボッキボキですね。

5本全部折損。


スペーサー側も大ダメージ。


そしてよく見るとボルトの強度区分がA2-70(汁

通常、HD純正ではこの辺りはグレード8のボルトですから

ステンレスのキャップボルトを使うのであれば

相当する強度区分はA2-100。


折損の直接的な原因は緩みによるものと思われますし

強度区分と言っても引っ張り強度だけでなく

せん断強度も考えなきゃならんのですが

純正でどういった強度区分のボルトが使われているかが大きなヒントなわけで

それを下回る強度のボルトを使うと

こういう事態を招きます。

今回は緩みどめの処置も一切なく

色々な要素が絡んで最悪の事態に陥ったと言えますが

乗り手に怪我が無かったのは不幸中の幸いでしたね。


まずはホイール側の折れボルト除去。

ネジをM10-1.50に掘り直してありますね。

尚のこと緩みどめが必要でしょう。


そして進行方向左側にアクスルが引っ張られて


スイングアームは左の内側と右の外側が大きく変形し

更に削れてしまっておりまして。


まず板金で潰れを修正してから


削れた箇所は溶接肉盛り後に研磨して復元。


反対側も同様に。

アクスルシャフトをバカ締めしてある車両も

こんな感じでスイングアームにダメージがある事が多く


そういった場合も同じような修理工程になります。


ひと昔前は4速フレームの角スイングアームなんて

捨て値でゴロゴロしてたハズなんですが

今では有っても状態が悪かったり高価だったり、、

もう時代が違うんですねぇ。


つまるに、コストをかけて修復するだけの価値が出ちゃったって事なんですが

そりゃ数は減るうえに二度と生産されないモノですから

しゃーないっちゃしゃーない。


ウレタンで塗装して復元完了。


ブレーキローター側も同じ構成なので

分解して検証しましたらば

こちらも同じ状態なので手直しです。


クロモリの高強度ボルトでしっかり固定。


破損したスプロケ側はスペーサーも新しくして

同じくきちんとした強度のボルトで固定。


粉砕されたメータードライブユニットは廃して

スプロケット固定ボルトからセンシングする電気式に変更。


ドライブユニットが無くなるのでスッキリですね。


元々、メータードライブユニットの駆動に難ありな構造でしたので

これでメーターの不具合完全に解消かと。


機械式→電気式とメーターも新品になりました。

納車からこれまでに走ってきた距離はパーになりますが

ここから刻んでいく距離が本当の実走距離になっていく事でしょう。

ボルトの強度うんたらかんたらは

ボルトの素材や規格によって表記がまちまちで

一般的にはちんぷんかんぷんなところがあろうかと思いますが

国産であれ外車であれ

使われているボルトに刻まれた数字や文字を調べれば

どういった強度のものかすぐにわかります。

ネジ径とピッチが合えばヨシではなく

適材適所でどういったモノをセレクトするのか

高強度のボルトはお値段も高いですが

ホームセンターで売っているレベルのモノを使うと

こんな事になりますよと。

改造屋であればそういう所は特に気を遣うべきというか

知り尽くしているはずなんですが

今一度、使われているボルトの刻印を見てみると

どうすべきなのかは誰にでもわかるので

そういう視点でオートバイ眺めると勉強になると思います。

また、コストを重視して省いちゃいけないコトを省くという考えも無くなるでしょう。

オートバイはそういうモノの塊です。

ヤバいボルトが使われていないか

ヤバいボルトを使っていないか

ちょっと考えてみましょうってなところですね。

それでは。