2024年9月17日火曜日

97XLHハーネス引き直し②

みなさまごきげんよう。

97XLHハーネス引き直しの続きです。 

今回も長文で言いたい事はハッキリ言うスタイルでよろしく!

コレ書くのも楽じゃないんですよ(汁

HDも90年代に入ると比較的一般的なハーネスになり

サーキットブレーカーはメイン30Aのみで残りはヒューズボックスという流れ。

以前は全て旧来のHD同様4系統のサーキットブレーカーという構成で引き直したり

ラバーマウントスポーツとなると上流だけの引き直しとしたりしてきましたが

今回の車両では純正ヒューズボックスを残して不要な配線や改悪になっている配線を除去し

スッキリとまとめていく作戦とします。


具体的にはイグニッションモジュール関係

ターンシグナルモジュール関係と、バンクアングルセンサー

スピードメーターセンサーそしてVOESといった

機能していないけど電気が流れている配線を徹底的に削除し

尚且つ変な改造で切りっぱなしになっていたり継ぎ足しが不十分な

所謂癌の巣窟の切除ですね。

この辺は配線図がある事は元より

普段から触り慣れているスポーツスター ですから

どの色の線がどの仕事をするかが把握出来ているので楽です。

とにかくわからないのが後から追加されている線ですね。

ホンダっぽい色だったりヤマハっぽい色だったり、、

要は適当な線で継いでいるだけなんですが

変に各社の線の色を知っていると大混乱です(笑


で、ポンコツなキーシリンダーもFXタイプの純正に交換しますが

配線がビス留めタイプのキーシリンダーを装着すると

元々純正キーシリンダーを基準に内側に寄せられていたブラケットでは

マニホールドと端子の距離が近くなりすぎる事が判明。

仕方ないのでキーシリンダーを20mm手前に出すべく元のブラケットを延長加工。


まぁチョークケーブルの取り回しからしても、この位置が適切なんですが。

ギリギリのピタピタってイチからそういう風に造らないと

どこかに無理が生じるんですよ。


耐熱塗装してキーシリンダーのブラケットはOK。

今回は元々装着されていた電装系はそのままでという事ですので

インジケーターランプ関係もそのまま。

と、言ってもランプ本体は新しくしていますが。

インジケーター関係のハーネスはメインからの分岐ではなく別系統にして

右側から這わせる事でメインハーネスを細くすると共に

インジケーターのみ切り離せるようにしてあります。

こうしておけばトラブル時に部分的な修理や部品交換が可能ですので。


同様にイグニッションスイッチの太い配線3ぼんもメインとは別系統で右から左に入るように。

そうする事でシート下はこれだけスッキリ片付いています。

十分ごちゃごちゃしているように見えると思いますが

一般的にスポーツスターではサイドバッグか別なポーチに入れざるをえない

ETC車載器がシート下のココにスッポリ収まっているのをご覧いただけば

どれだけ配線がスリムになったかご理解いただけるかと。

尚、バッテリーからのマイナスアースはエンジンブロック以外に

写真真ん中あたりにバッテリー端子から直接ボルト締めのアースポイントを設けてあるので

後々に変なアースを取らずとも

このアースポイントから確実にアースが取れるようにしてあります。


まぁ結果から言いますと、このエンジンハンガーの上を通るぶっとく不細工な配線の束が


このように綺麗にスッキリ収まりまして。


配線中通しにしてハンドル回りをスッキリさせたのに

トップブリッジ後ろにモジャモジャのたうちまわるハンドル回りの配線も


このよう何事もなかったかのようにスッキリ無くなりました。


スイッチの位置関係は変わっていませんが

各スイッチは当然新品に交換しております。


ハンドル回りの配線は折角ヘッドライトケースという有効なスペースがありますので

ヘッドライトケース内で接続。

必要に応じてカプラーで簡単に断絶できるようにしてあります。

以前の配線だとハンドルを外すだけでも線を切らなければなりませんでしたが

今回の引き直して数箇所のカプラーとギボシを抜けば

ハンドルが容易に車体から分離できます。

国産車的な考え方ですが、整備性まで考えておかないとユーザー様の負担になりますから。

もちろん作業者にも負担ですが。


今回は灯火類を変えないという事でしたが

いざウインカーを作動させるとひとつだけ光量が足りない。

こういう水が入って腐食しやすい社外のウインカーなどは本来交換したいところ。

この辺は値段なりの造りですからね。

今回はこのボロサビなウインカーをメンテしてきちんと使えるようにしましたが

ほんと皆さん、今一度部品箱にある純正ウインカーを徹底的にバラしてみてください。

そのコストのかかり方や設計は、確かに値段なりのものです。


純正は高い

格好が好みじゃない

色々ありますが、それらを否定するだけじゃ損するだけです。


サビサビのホーンは新品交換。

こういう保安部品関係はきちんと作動しないと車検の時に泣きますからね。


腹下を這う配線は一切無いのでジャッキアップも気を遣いません。


メイン系統が終わったら後ろ側へ。

キジマのテールランプをpが装着されていますが

結線部分はフェンダー末端にアルミテープで。

こういう泥飛沫が最もかかる部位に配線の接続部があるのはよろしくないです。


アルミテープで保護していても元の配線がまずければ銅線露出。

アルミテープで貼られているので導通すれば即ショート。


配線を通す穴はギザギザ。

コルゲートチューブが巻いてありましたが見事に擦り切れていました。


そう言う箇所もきっちり保護してあげる事で要らぬトラブルが防げます。

ついでに言うとインシュロックであちこち固定しまくりも良くありません。

ハーネスはバイク本体と同じく動的なものですから

適度な遊びが大切です。


スッキリまとめるためにあちこち固定してしまいがちですが

純正ハーネスがどことどこで固定されていて

どこが遊んでいるのか

そういうことまで把握していないと電装トラブルが避けられません。


排気管に接触しているオルタネーターからレギュレーターのカプラーも


適切に配置すれば当然熱害を避けられる位置にきます。

経年劣化で起こるトラブルも当然ありますが

改造車においてはヒューマンエラーが非常に多いんです。

そこに悪気があるとかそういうのじゃない。

ダメな事って知らずのうちにやっちゃう事なんですよね。

で、それを指摘する人が居なければそれを正しいとしてしまう。

ましてや同じ事をやってる人間が2人も集まればもうそれが正義。

あの人がこうしてたからやっぱりこれで正解だと。

そうして基準点がどんどんズレていく。

よく言いますよね、詳しい人に乗ってもらったら調子良いと判断してもらえたと。

たとえばその車両がショベルとして

その人は今まで何台ショベルに乗ってきたんでしょう?

20台乗ってきたとして、果たして本来のコンディションにある車両に何台乗ったでしょうか。

ポンコツに100台乗ってきたって正しい判断はできないワケですよね。

どこかで本当の正解を知らなきゃいけない時がくる。

だいじなのは現状が正解じゃないかもしれないと常に疑うことだと私は思います。

ちなみに私は正解を与えられるような崇高な人間じゃないので

その辺は頼りにしないでください。

知ってる事しか言えません。


さて、話が長くなっているのでいい加減この鬱陶しい文章を閉じるとして

後はこのフレームに渡された鉄板とか

オイルが漏れているプライマリーまわり、ブレーキ関係メンテへと進みます。

そいでは


さらば!











2024年9月11日水曜日

97XLHハーネス引き直し①


みなさまごきげんよっす!

相変わらずのサボりBlog、サボった分写真多め文章ソコソコ

インスタで既出の内容を改めて垂れ流す

でもまだしぶとくBlogはやめない私です。

全国数百人のマイノリティのみなさま今後ともよろしく哀愁でよろしくです。


さて本日は97XLHさんハーネス引き直し。

長いこと乗っておられる車両ですが

雨の日に電源落ちたりダイナSがパンクしたりと電装系トラブルが多く

もうこれじゃ安心して乗れないということで入庫。

パッと見て過去に配線のハンドル中通しなどの作業と

私がメーター交換した際にメーター照明の電源を取り出した作業

そしてそれから一度散らかったハーネスを纏める的な作業と

まぁ3回ほど電気系をいじられていますが

根本原因はソコでしょう。

と、いうことでハーネスをバラして検証していきます。
 

割と最近に交換したというイグニッションスイッチ。


バッテリープラス配線が端子ごと回ります。

こういうHD純正タイプのイグニッションスイッチは安物が出回っていますが。


同年代の純正と比べれば防水性はじめカシメの状態や

配線の太さ、結線の方法は雲泥の差です。

オートバイの修理に限らずですが、まずちゃんとしたモノをセレクトする事。

それがスタートラインです。

毎度同じ事を言いますが、オートバイの部品で安くて良いものは経験上見たことが無い。

良いものって安くする必要が無いというより

安く作れないんですよ。

まぁね、高くて悪いものもあるから困りものなんですが。


そのイグニッションスイッチの結線も銅線を捻ってビニールテープを巻いただけ。

簡単にスッポ抜けますよ。

そんなもん繋がってるんだからイイじゃん重箱の隅つついて目くじら立てんなよバカ!

と思うアナタは

バッテリーのプラス端子を少し緩めて乗ってみてください。

セルボタン押したらバチッ!といって電源入らなくなったり

走行中に突然電源OFFになったりしますから。

電源線においてはその経路全てで同じことが起こります。


他の配線の接続部も同様に捻ってビニテ被覆。

配線の継ぎ接ぎは悪いことではなく、純正でも当たり前に分岐がありますが

HDの場合90年代になると分岐部分は防水性の収縮チューブです。

被覆も簡単にはバラせないレベルで強固に保護されています。

こういう配慮のお陰でHDのハーネスはとても長持ちします。

ところが今回のように後から適当な作業が加わると長持ちしない。

パッケージを少し破れば簡単に裸にできるのと理屈は同じです。


大電流が流れるオルタネーターからレギュレーターのカプラーは排気管と近接。

というか接触。

純正はこういう危うい位置関係にならないようになってます。

メーカー出荷状態の車両を観察すれば容易に理解できますが

「熱」がどれだけ嫌われているか。

それを考えればこんな所にカプラーがあってはいけません。


青い線はHDの法則ではヘッドライトライト系のイグニッション +配線。

それが切りっぱなし。


エレクトロタップでETC電源取り出し。

テールランプ配線のギボシ端子は雄雌が逆。


ハンドル中通しの配線はトップブリッジの後ろをのたうちまわり。

ハンドルまわりをスッキリさせる目的でハンドルの中に配線を通すワケですが

ここにこんな線が這い回ってたらぜんぜスッキリしていない。

純正の配線の方がよっぽどスッキリしてます。

私はハンドルの配線中通しが嫌いです。

整備性もそうですが、ハンドルに大きな穴を開けて剛性をオトす。

配線を通す穴の面取りが微妙ならショートや断線のリスクもある。

ハンドルまわりをシンプルにするなら

フロントブレーキレス

インナースロットル

インナーもしくはフットクラッチ

スイッチは他所に移設

これでスッキリです。

まぁ利便性もありますから、その辺の選択は自由です。

ただ限られた範囲内できちんと結果は出さないといけないでしょう。


このビニテで巻き巻きされた(アラを隠蔽された)太いメインハーネスが

どれだけスリムになるかが見どころですね。


一先ずハーネスは全摘出。

ちなみにこの作業もかなり大変ですからDIYでは覚悟してください。

この年代のハーレーはハーネスを摘出する事は考えていないです。

いじってくれなければ結構長持ちするからよ!

的な造りなんです。


ハーネスがなくなったら目立つ積年の汚れ。

手前にブラ下がっているのがテールランプの配線です。

ギボシ接続の場合は車体側をメスにしましょうな。


こんな機会でもないと綺麗にするのは困難なので汚れを落としておきましょう。


この辺も油コテコテ。

なぜかと言うとブリーザーをここまで延長して大気解放していたから。

目立たない所に出す

つまり掃除しにくいところが汚れる。

ブリーザーは取り回し変更します。


銀色の面積が大幅に拡大。

なしてそこまで掃除するのかと言われれば、手が汚れるからです。

まぁ掃除で手は汚れるんですが。

新しいハーネス引くのに汚いところは通せませんので。


この辺も新車から一度も清掃されていない雰囲気ですね。

チェーンドライブ車はメンテでココ開けますが

ベルトですからね。


ココもギンギンに銀色にしておきます。


普段は洗車できないややこしい部分が綺麗になりましたので、

これからどのようなハーネスにするか

ルーティングや省く電装などの設計を行なって実作業へ移ります。


ではさらば!