2022年12月18日日曜日

オフセット分割ライザー。

 みなさまごきげんよう!

いよいよ寒さがヤバくなってきましたね。

ちと試乗がキツくなってきました。


ところで私が原型を担当している大神戸共榮圏のオフセット分割ライザーですが

原型が破損したとの事でお預かりしまして(随分前に


よく見るとパリッとパテが剥離していたり、クラックも多数。。


色々調べましたら、鋳造に使う砂が含んでいる水分をパテが吸ってしまい

乾燥を繰り返すうちに縮んで割れてきてしまっているようで

砂型に使う砂や鋳造の手順をよく知らなかったのと

サフ仕上げのままだったのがよろしくなかったです。

この現象、板金途中でサフのままの自動車のボディでもよく起こります。

そして破損箇所をネチネチ補修していたのですが

やってもやってもキリが無い感じで

おまけに当時の自分がやった造形がどんどん気に入らなくなってきてしまい


パテというパテを完全に焼き落としまして。

と、言うのも引き算の美学を語っておきながら

私はパテで盛り盛り足し算していたわけで

パテでどうにかなると高を括っていたのが丸わかりでして。

今度は大きな隙間なんかは溶接埋めでパテを極力少なくして

1型、2型よりシャープな造形を目指します。

早い話しがイチからやり直します。


もーとにかく溶接で最低限必要な部位を埋めつつ盛っていきます。

形状というか意匠は変わりませんが

Rなどもパテ部分ではなく金属部分をベースにするので

全体的にふた皮くらい剥けたサイズ感になります。

部位にもよるけどコンマ5〜2.0mmはイケる。

さらにクランプ部分はソケットがガッチリかかる余裕を持たせつつ

クランプ力も上げるように工夫しました。


あとは盛って削って盛って削って、、、

パテともアルミとも違って非常に硬いワケですが

この硬さあってこそ鉄らしい造形になるんじゃないかなと。

いや、そりゃ楽できるなら楽な方が良いというのもひとつですが

あえて苦労するというのもやっぱ大事だなと。

当然時間ばっかりかかってしまうのですが

このライザーを最終型とすべく

引き続きひたすら削っていきます。

ってなわけでさらば。