2024年10月7日月曜日

97XLHハーネス引き直し③

 みなさまごきげんよう。

入庫車両が溜まりまくりならBlogの下書も溜まりまくりでして。

インスタにホイホイアップしてりゃイイ話かもですが

作業記録としてはやっぱりBlogが役に立つもので。

まぁとっくに終わった系の話も随時アップしていきたい所存です。

お話はハーネス引き直しの97XLHさん仕上げ作業。

細々したところを仕上げてお渡しまでですね。


こちらのシートレールに乗っかる形でフェンダーマウントボルトと共締めの鉄板は

サドルシートの受けになっていますが。

長距離走行用に純正シートを取り付けようと思い外そうとしたら

ボルトナットに変更されていて簡単に取り外しできず困るので

簡単に取り外せるようにしてほしいとの事。

ですが私としては余計な物を付けていない方が良いという考えですので


シートのストッパーをシートレールに当たるように移動させる位置変換ブラケットを製作。

板を外せるようにするのではなく、板が要らないようにすりゃイイじゃんという考えですね。


単純なようで意外と複雑な形状です。

シートから生えているスタッドは袋ナットにして防錆と保護を。

これであの鉄板とはおさらばですね。


こうしておけば前方のマウントボルトを外すだけで純正シートに戻せます。


ハーネス引き直しで折角スッキリしたシート下ですから

やっぱりスッキリしてるのがいいですな。


そしてブレーキランプスイッチを機械式から油圧式に変更していますので

ブレーキフルード交換。

フルードの色もそうですが沈殿物がありエアも噛みまくりな状況でした。

ブレーキフルードは最低でも車検毎に交換しましょう。


ちなみにですが、フロントマスターに油圧スイッチを取り付けると

スイッチが介在する分タッチが悪くなります。

まぁそれは特にラジポンの場合ですが。

この辺がハーレー業界の他と違うところというか

故障が多くタッチが悪くなる油圧スイッチを機械式にする世界もあれば

機械式スイッチの故障が多すぎて油圧スイッチにする世界もある。

まぁフロントブレーキが担う役割がちょっと違うハーレーというか

グリメカマスターの圧送力というか

まぁ油圧スイッチでそこまでシビアにならなくても大丈夫です。

グリメカマスターだと油圧スイッチでタッチが云々以前にボア径がミスマッチで

油圧レシオがおかしい事態の方が散見されますですよ。


フロントがあの様子だとリアも然りだろうとチェック入れます。

色も色ですが、、


タンク内が汚すぎる。

マスターシリンダーの構造としてはリザーブタンクとしてのアルミのガワに

カートリッジ式にシリンダーが内蔵されているこの時代のハーレーのリアマスターは

その構造からリターンポートが目視できないうえにスラッジも溜まりやすいので

タンク部分がこういう様子だとよろしくありません。

ここ最近はユーザー車検で通されてきたと思いますが

バイク屋さんが行う車検時の油脂類交換って無駄な費用じゃないんですよね。

ユーザー車検は私自身否定は全くしないというか

むしろ車検自体、本来はユーザーが行う義務ですが

時にはバイク屋さんで点検整備受けての車検も良いと思います。


むらさきだちたるフルードのたなびきたる、、、

油面は後のパッド交換の事も考慮して低め設定。

ここで満タンにしておくとパッド交換した際に溢れてきちゃいますから。

そういう事もあるのでパッド交換時にフルードも交換しちゃうと良いです。

フルードの油面調整せずパッドだけ交換して終了パターンは後の作業者が泣きますしね。


次いでプライマリーカバーを磨くためにステップの固定ボルトを緩めたら

プライマリーオイルが漏れるようになってしまったとの事でガスケット交換します。

クラッチランプはライトクラッチ。

コレ調整がシビアなんですよねぇ。


まぁガスケット交換ですから作業はサクサクと、、進みませんで。

シフターアームが固着しまくりで外れませんの刑。


このシフターアーム、割りが入っていてピンチボルトで締め上げますが

ピンチボルトはあくまでもスラスト方向のズレと抜けどめであって

回転方向の負荷はスプラインが担っています。

ですので必要以上の締め込みは意味がありません。

こじって割りを広げなければならないほど締めつける必要は無いのでご注意。

ピンチボルトがM6相当の太さである事を見ればその役割もわかりますね。

特に4速スポーツのアームは締め付けすぎると簡単に割れますので

このサイズのボルトの規定締め付けトルクをちゃんと知って

無駄に部品を壊さない整備を心がけたいですね。

因みに4速スポーツはコレがすぐ割れます。


シフターシャフトは錆を落として今後固着しないように

スプライン部にはウォータープルーフグリスを塗布

次回スムースに作業できるようにしておきます。


プライマリーケース内も洗浄してガスケット交換して組み戻し、

プライマリーオイルを入れてクラッチ調整すれば作業終了。

カバーを開けるので事前にエンジン始動してステーターの発電量もチェック済みです。


40kmほど試乗して電気系に異常も出ないのでお渡しです。

最も問題がよく起きていたという雨の中でのチェックはしていませんが

電装関係の怪しい箇所は全て潰してありますので大丈夫かと。

ハーネス引き直しは費用がかかりますが効果絶大ですので

特に純正ハーネスをグチャグチャに改造されている車両などは

要らぬトラブルや火災防止の為にもお勧めです。

何より、配線が綺麗な車両は一味違う感をバリバリに醸し出しますので

次はどこ改造しようかなとか悩むようであれば

要らん事したりせずにハーネスに手を出すのも良いと思います。

それではさらば!