2023年7月31日月曜日

100km点検。

 みなさまごきげんよう(●´ω`●)

さて本日は100km点検の話。

つっても100km走ったら持ってきて下さいではなく

私自身が100km走ってチェックする話です。

長年の眠りからさめた95FXSTSですが

元々から妙に不調でした。


↑こんな感じで片肺になっていました。


↑修理してキャブ調整しました。

リアバンクに火が飛んでいなかったので

プラグからコード、コイルと順にトラブルシュートしていき

行き着いたのは


ツインテックモジュールの配線取り回し。

これだとハーネスをスイングアームで挟んでしまいますね。


直接原因はこのカプラーが刺さっているのに接触不良。


恐らくスイングアームに配線を束ねている事で

スイングアームが動くと引っ張られてしまうようで

とりあえず配線をフリーにして対処しましたが

後に走行中大きなギャップを踏んだ際にまた片肺に。


よってハーネスを完全にスイングアームと関係しない位置に取り回し直し。

シート下に入れるとバネでシートが沈んだ際に

シートでカプラーを潰してしまうので

モジュールの下にあった空間にカプラーを収納しまして

キャップを超えても全く問題なくなりまして。


やっと絶好調で走れるぜと意気揚々と試乗していましたら

フロントブレーキキャリパーのアンカーロッドの

ボルトが折れたのか外れたのかして

いきなりブレーキ死亡。

ブレーキホースも千切れてフルード撒き散らし。


道路を歩いてボルトを探したのですが回収できず

折れたのか外れたのかは未確認ですが
※締め付けについては検査前にチェック済み

コレ、例えば前走車のブレーキに合わせて止まるシチュエーションだと

確実に追突事故ですし

下のコーナーでのブレーキング中だったら

下手すれば崖下です。

幸い、Uターンポイントに入る為のブレーキングだった事と

普段私がフロントブレーキレスの車両に乗っている事から

何事もありませんでしたが

オーナーが乗車時に起こっていたらと思うとゾッとしますね。


フルードまみれのブレーキ周辺は全バラするので

ついでに変な色に汚れていて鳴きが出ていたローターも

取り外して研磨洗浄。

恐らく過去にキャリパーシールからお漏らししたまま乗っていたかな?


盛大にフルードを漏らすと

ホイールベアリング周りや細かい場所まで

フルードが染み渡ってしまうので

きちんと洗浄しないと後が怖いです。


ホースも交換していざエア抜きしましたらば

マスターシリンダーが全然フルードを送っていない事が判明。

と、いうかむしろ負圧になってる、、、

仕方ないのでマスターを分解して確認してみましたらば


うーん、、スプリングの向きが逆。

これだとスプリングがカップにかかってしまって

カップの動きを阻害してしまいますし

定められた自由長より短くなるので

ストロークもおかしくなりますが

恐らく、最初は微妙な位置に引っかかっていたのが

ブレーキング中にフルードが抜けて

最後までピストンがストロークした為

奥に入り込んでしまったのでしょう。


しっかりスプリングが保持されて

何があってもカップ方向にズレないコチラが正解です。

何となく動いてはいましたが

オートバイや自動車で「何となく」は絶対ダメです。

ある意味今回のブレーキ破壊は幸運たったかもしれません。

鳴きも無くしっかり効くブレーキになって何よりです。

因みに、きちんとメンテナンスされたディスクブレーキは

制動時に「ニーーーッ」っていう如何にも効いているか如し音がするので1発でわかります。


で、全体的に緩んだり緩かったところをガンガン増し締めして気持ちよく試乗、、

していたらガス欠ww

3km押しました( ´ ▽ ` )

まぁコレは私が悪いっすな。

フロント120のリア150で270kg。

スプリンガーはやっぱり前重いですねぇ。


あと走っているとこのアイドルアジャスターが

勝手にクルクル回ってアイドリングが上がるのも対処しました。

減速シフトでアイドリング上がってるとバイクが飛び出しますからね。

こういう節度に乏しいアイドルアジャスター

実は危ないんですよ。


そんなこんなでやっと100km達成です。

実際には99.9kmですがw

車検において保安基準への適合やブレーキやメーター、打検による締め付け不具合は検査済みなわけですが

100km走るまでに起こったトラブルは

全て走行中のものです。

特に長期不動車、そしてプライベートカスタム車は

実際に走らせてのチェックがものすごく大事です。

実際、普通のバイクで100kmなんてピューっと走ればすぐですが

負荷をかけたりダメ探しをしたり

色々な走らせ方をして

実際にトラブってみたり

ガス欠してみたりw

その都度それらに対処しながら100km走らせるわけで

走るルートやシチュエーション含めて結構細かく設定しています。

これ一般ユーザーが実施するのはちょっとシンドイですよね。

当然、私もリスクを背負って行うので無償ではありませんし

100km走り切った後にもトラブルが出ないとは限りませんが

特にウチでお預かりする事が多い

購入後直送パターンや長期不動車だと

やっぱり実走チェック無しでお渡しするのは原則NGですね。

そうでない車両もご希望であれば100km点検受け付けますので

お気軽にご相談くださいませ。

ではさらば!