2017年1月27日金曜日

タイルの原石とスコップ君。


みなさまごきげんよう♪


先週の最強寒波による積雪も落ち着いたであろうということで、我が家へ行って参りました。


一週間前はこんな感じでしたから、それなりに落ち着きましたね。

しかし我が家は誰も住んでおりませんので、地域から取り残されたように異様に雪が多いです。

大雪が降った当日も現地に様子を見に行きましたがそれはそれは物凄い雪でして

車も空荷の2WDバンですから簡単にスタックしてしまう有様でした。

それでもトルクのあるディーゼルですしSNOW MODEというスイッチをONにしますと

アクセル操作に対してスロットル開度を絞って微速前進が可能です。

なので落ち着いて揉み出ししてやれば軽いスタックからは脱出できるんですね。

NV350中々使える奴です。

まぁジムニーだと全く何でもない路面なんですがw


サブ導入路もご覧の有様です。


ひとまず車を停めるために最小限のスペースをせっせと除雪しまして


積荷を降ろします。

本日はジムニーのスタッドレス2セットと行灯カブを運んできました。

自分自身の部屋にある荷物は雑誌と少々の洋服程度なのですが

とにかく部品や車両が多いので少しずつ運んでいく作戦です。


そして本日のミッションは台所。

ここを奥様納得の空間に作り変えるべく


撤去されたキッチン部分を解体していきたいと思います。


ブロックを柱に天板みたいな部分は鉄筋入りのコンクリートにタイル貼りですが

嫁さん的にはこの風情は当然ながらアウトでして


個人的にはこのタイルかわいいと思うのですが


まぁ確かにこれではいけませんね。



と、いう事で早速解体していきます。

と書けば3分クッキングですがこれは中々大変な作業ですね。

ブロックの一段目を崩し、あとは目地となっているモルタルをタガネで破壊して

ブロックを取り去っていき、天板を降ろすという順序で解体しました。


ガラは移動のためにも細かく砕いて鉄筋も綺麗に外しておきまして

スッキリはしたのですがどうもスッキリしきれません。


理由はこのタイル。

色味も柄も良いと思いますし

前に住んでいたおばあちゃんがこれ素敵ねと選んだのか

工務店の人が勝手に選んだのかは知る由もありませんが

どうもこれを棄ててしまうのが心苦しく

上手く剥がす方法を模索し始めてしまい


ひとり黙々とタイルの発掘作業に没頭。

どうも固定用のモルタルを多めに塗られているようで

タイルが割れてしまう事が多く、何とか上手い方法を見つけたのでここで中断。

さすがにタイル集めにかまけているほどの時間はありませんので・・・・


これらはタイルの原石として置いておいて

後々子供達とタイルの発掘作業でもして遊びたいと思います。

こういうタイルだって後で買おうと思えばそれなりにお金がかかりますし

残せるものは残してあげないといけませんね。

無慈悲に砕かれるコンクリート類

命を救われるタイル達

この違いについて考えるだけでも有意義な時間です。


そして最も難儀したのが壁面のタイル。

ここもモルタルが分厚く強固に接着されているので、剥がし方から検討していきます。

タガネで打つとタイルの表面だけが割れてしまう事が多く

接着力が弱い箇所に薄いものを差し込んでこじってやると比較的上手くいくようです。

ところが手元にあるのはタガネとハンマーですし

マイナスドライバーでもあればと車載工具を見に行きましたが

工具袋にホイールナットレンチしか入っていないNV350は一体何なんでしょう・・・・・


我が家の作業の一助にと贈って頂いたBAHCOのナイフを携えてはいるものの・・・

流石に用途外でハードに使うには気が引けますので


冷蔵庫の下に落ちていたスコップを板金してタイル剥がし工具を作りました。

ってコレも用途外使用ですが・・・


一応貫通になっているので使えそうですね♪


スコップ君のおかげで随分作業効率が良くなりまして


キッチンスペースの解体はひとまず完了。

この後はタイル貼り付け用のモルタルが壁のツラより出ているので

剥がすなり削るなりして面を出し

左官してここの壁を綺麗にする作業へと進みます。

それが終わりましたら天井や他の壁も綺麗にして塗りなおし

奥様納得のキッチンを設置すれば台所はOKということになります。

道のりは長いですね・・・・


こうして作業してみると、何もかもが初めての作業で

ワイルドな解体作業も実は結構繊細な組立が必要だったり

手法や道具を工夫したり、そこにあるものを上手く使ったりと

色々と悩むのではなく考える機会を常に与えられるというのは

大変ですがとても楽しいですね。


人間一歩踏み出せばそこには初めてのことばかり。

気張って進めていきたいと思います♪


それではみなさまごきげんよう!





2017年1月23日月曜日

燃料タンクの容量増量。



みなさまごきげんよう♪



'88XLH進めております。


オイルタンクやバッテリートレーのステー製作、本固定や

ボートテールの製作と並行して

タンクの底を製作していきたいところですが・・・・


スポーツスターのフレーム形状は

スポーツスタータンクを大前提に作られていまして。

横から見るとこのような位置関係ですので、タンクを深く沈める事が大変難しいですね。

リアバンクのロッカーカバーとメインチューブがほぼ平行ですから

底板を湾曲させたり、タンクをえぐる形で沈めるのもひとつの手です。

そして問題になってくるのがタンク容量でして。


エルシノアのトンネルをそのまま使うと、メインチューブとトンネル頂点の高さの差は38mm。

この空間に燃料を入れないのは勿体無いので


綿密に計算しまして新規にトンネルを制作。



タンク前部の開口は変えられませんし、プレス成型のマウント部は使いたいので

元のトンネルと合体させつつ

トンネル幅もより狭くしまして更に容量確保です。

トンネルを低く作り直したのに前部に大きな隙間が残ったままですが



この空間には本来タンクキャップに設けられているベントラインの取り出しを設置しまして

無駄な空間を有効活用して意味のある空間に変更。


これでこのホースとはおさらばできてスッキリです♪


更にタンク後ろ側を数ミリ沈ませて、トンネルの加工は終了です。

1号機のようなタンクで燃料の容量が少ないのは個人的には差し引きプラスなのですが

今回のタンクのように容量を増やせる余地があるのであれば

きちんとやっておかないと折角のタンクも魅力が半減してしまいますね。

ただ取り付けるだけであれば簡単な方法はいくらでもありますが

より自然に、よりベストな形で取り付けてあげれば部品もバイクも喜ぶと思います♪




それではみなさまごきげんよう!




2017年1月20日金曜日

4速スポーツの弱点。


みなさまごきげんよう♪


さて4速スポーツスターすなわちアーリーエボスポーツは非常に楽しいバイクでして

調子が出ていれば最高の乗り味を提供してくれます。

その反面、巷で語られる弱点があるのも事実。

しかしながらここのところ手を入れている4速達を見ていると

定番箇所以外にもよく傷んでいるケースがあるように思われます。


こちら製作中の'88XLH鉄仮面のプライマリーを開けたところです。


ここのところおなじみになりつつある光景ですね。

ここに茶色い汁が出ている車両は要注意です。

クラッチバスケットは段付き磨耗が生じてしまっています。


マグネット剥がれも経験済みですが適当にマグネットを貼ってあります。


ホチキスの針が混入していますね。


それはともかく、クラッチシェルの大きなベアリング。

これにガタが出ている車両も多いですが。


ベアリングだけにとどまらず、クラッチハブのスプラインが磨耗してさらにガタが出ているケース。

これをここのところよく見かけます。


こうなってくるとクラッチユニットはかなりフラフラでして

放置するとミッションのメインシャフトまでお釈迦になってしまいます。


そしてこうなっている車両はプライマリーチェーンを張りすぎの傾向が強く

テンショナーのスリッパーにチェーンの深い溝が刻まれている事が多いです。


マグネットの対策時に分解する箇所ですので

マグネットのみならずクラッチシェルのベアリング

メインシャフトとインナーハブのスプラインのチェックは必須ですね。



そしてこの車両に至ってはミッションのアクセスカバーが割れてしまっておりまして

締め付けトルクも緩々、非常に怪しいのでミッションも摘出することにします。


ここのロックタブが際使用されているという事はミッション降ろし経験済みですね。


各ギア類は綺麗ですが・・・・



アクセスカバーは使用不可です。

変なところに傷がありますが、恐らくカバー取り外し時にこじった跡と思われます。

4速スポーツのアクセスカバーは対角線上に取り外し用の溝がありまして

そこをこじって取り外すようになっています。



ミッションケース内の打痕からして結構壮絶な運命を辿ってきたようです。


よく折れると言われるカムフォロワーは交換されたのか綺麗な状態ですね。


シフターカム周りも異常は見られません。


シフター関連は磨耗も少なく、数少ない生きている部品ですが

アクセスカバーをはじめクラッチ周り等

すべて修理するとなると大変なことになります。


4速スポーツの最大の弱点は適当な修理をされている事が多い事かもしれません。

もちろん壊れやすい弱点があるからこその事ですし

壊れても部品が無かったり高額だったりという事もありますが


これから4速スポーツをお考えの方は乗り出し前の最低限の準備として

プライマリー周りの分解点検を強くお勧め致します。


4速スポーツに対してネガティブな事ばかり綴っていますが

1号機をはじめきちんと調子よく楽しく走っている4速スポーツも沢山おりますし

ハマると抜け出せない魅力もありますので


調子の良い4速にお乗りの方はしっかり調子維持

これからお探しの方は良い4速スポーツ選び

ぶっ壊れちゃった方はしっかり修理


1台でも多く調子の良い4速スポーツが残って

1人でも多く4速スポーツを楽しめる人が増えれば

素敵ですね♪


まぁ4速スポーツに限らず全ての車両において同じ事なのですが

バイクは調子が良いのが最高です。


そんなわけでみなさまごきげんよう♪








2017年1月18日水曜日

古の手法。


みなさまごきげんよう♪


最強寒波の影響で温暖な播州の浜手でも積雪がありました。

新拠点である神河も様子を見てきましたが膝まで積雪しておりまして

こりゃ相当寒いですね。


本日は外気に対して暖かめというか熱めの作業

広面積にポッコリ凹んだタンクの修正です。


このくらいの大きな面積で張りのある箇所が凹んでいると

押し出しが難しく、またトンネルと外板が競っていることもありましてまずはスタッドで引き出します。

応力を抜きつつ少しずつ引いていきまして

このように凹みはほぼ修正できましたが

均しはほぼ不可能ですので防錆してパテで面修正というのが本来ですし

ごく薄付けで仕上がるようにしてありますが


今回はパテではなくハンダを使って面修正しました。


見えやすくするとこんな感じですね♪

現代ではパテの性能も良いですし、もはや古の手法なのかもしれませんが

時々この手の修理をしたくなります。


Bill "The Leadslinger" Hines

先ごろ亡くなられてしまいましたが

その昔この葉巻をくわえたおっちゃんが作業しているビデオを見て

使っている道具とか手つきなんかをじっと見ては研究していましたね。

木製のパドルとかパドルに染み込ませる油なんかは何とかなりましたが

苦労したのが鉛と錫の配合率で、随分試行錯誤しました。

道具や手つきなんかは写真などでおおかた判断がつきますが

数字的なことや感覚的なことはやってみないとわかりません。


しかしながら本気でやれば必ず何かしらの答えが見つかるもので

逆に本気になれない事なんて最初からする必要のないどうでもイイ事だったりします。


まだまだ若輩者ですが皆さんのバイクにも本気で取り組ませて頂きます♪


外装修理関係は随時受付中ですのでお気軽にお問い合わせくださいませ。


それではみなさまごきげんよう!